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第1話 始まり

「国王が暗殺された!!」

勢いよく教室の扉を開けた教頭がそう叫んだ。教室の生徒たちが戸惑いの視線を教頭に向けている。俺は冗談なら確実に首が飛ぶ。などと考えながら教頭の次の言葉を待っている。教頭は一度深呼吸をしてから教室中の全員が聞き取れる声で言った。

「国王が先刻、何者かに殺害された。」

教室が静かになる。

沈黙に耐えかねた男子生徒の一人が言葉を発した。

「先生、冗談はやめてくださいよ~。」

彼に続い次々に声が上がっていく。

「王様が死ぬわけないじゃないっすか。」

「王様は不死身じゃないの?」

「マジで死んだんなら次の王は俺かな~。」

この場で王が死んだことを信じる者はいないようだ。俺も王が死んだなんて信じられない。なぜなら王が王になってから1000年以上王が変わったことはないのだから。それに殺されたというのも怪しい。王は世界で最も強い者として王の座についた。そんなことはこの世界に生まれた人間ならその辺の幼稚園に通っている子供でも知っている。しかし教頭の様子からしてこれは事実なのだろう。なら次の王は一体誰になるんだろう。

そこまで考えたとき。教頭が教室に備え付けてあるテレビをつけた。

「臨時ニュースです。国王が今日午前4時ごろ何者かによって殺害されているのを王室のメイドが発見したと王政府から発表がありました。何者による犯行なのかは現在、治安維持庁が調査中とのことです。」

これは報道庁から放送されている番組だ。知らない人なんてこの場にはいるはずがない。これは紛れもなく事実なのだ。

「新しく情報が入りました。次の国王は国民の中から選ぶとのことです。詳しい応募要項などは後日発表されるとのことです。」

新しい王を国民の中から選ぶなんて可能なのか。そう思ったが俺は立候補するつもりなんてないし今はそんな事を考えている暇はない。俺こと剣院九は現在中学3年で今年は高校受験がある。今日は11月3日、入試までそんなに日数は残されていない。王様どうのこうのより自分の勉強を頑張らなければ。

その時不意に隣の席のやつが話しかけてきた。

「ねぇ、九は王様になる気ある?」

いきなり返答に困る質問をしてくるこいつは水国詩。長めの黒髪を首元でくくり、色白でかわいいとも美人ともとれる顔立ちでクラスの男子からは密かに人気を博している。俺の幼稚園のころからの幼馴染で俺が好意を寄せている相手でもある。小学2年の時から意識し始めはや8年、中学を卒業するまでには想いを伝えようと思っている。

「別に。」

少し愛想のない返事をしてしまった。

「残念、九が王様になったら毎日贅沢できると思ったのになぁ。」

なんで俺が王になってお前が贅沢するんだよとツッコミたくなるのを堪える。

その時今まで黙っていた教頭が口を開いた。

「ということで職員も緊急会議があるので今日は臨時休校になります。皆さん気を付けて帰ってください。」

入試が近い俺にとっては授業をしてほしいところだが、こうなっては仕方ないと思い家に帰った。

初めての作品なので、アドバイスや感想を頂けるとありがたいです!

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