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短編集

死のおくりもの

作者: 壱宮凪

 

 世界ができたとき、死はひとりポツンと存在していました。


 仲良く生きている動物や虫、花たちに死は混ぜてほしいと頼むと断られてしまいます。


 死と仲良くすると死んでしまうからです。


 死は悲しくて泣きました。


 死は誰からも必要とされず、愛されることもなく、ただ世界をユラユラと漂っていました。


 ある時のこと、年老いた牡鹿がヘトヘトになって倒れていました。もううまく走れず息をするのも辛いのにずっと生きていなくてはいけない老いた牡鹿に死はそっと触れて死をプレゼントしてあげました。

 牡鹿の魂は死に感謝して天へと還っていきます。


 それからというもの、死は年老いて動けず苦しくなった命たちに寄り添って、彼らが望むと安らかな永遠の眠りを与えることにしていきました。


 死は老いだけでなく病気や怪我で苦しんでいる命のかたわらにも寄り添うようなりました。


 命たちは死をやっぱり嫌って遠ざけることをやめませんでしたが、死が必要であることを理解し、敬意を払うようになりました。


 死は相変わらずユラユラ世界を漂ってます。


 波の狭間に


 雲の切れ間に


 光と影の隙間に


 アナタとワタシのとなりに


 ユラユラと漂っていつかおくりものを持ってあらわれるでしょう。




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― 新着の感想 ―
[一言] 成る程ですね〜。 考えるきっかけをいただきました。 ありがとうございます。
2023/04/27 21:09 退会済み
管理
[一言] 本当にどうしようもない時に救いの手を差し伸べてくれるのが死。 誰もに等しく訪れるのが死。 ほんとにどうしようもないことも、永遠には続かないと思えば、ちょっとは気が楽になりますよね。 死とい…
[一言] 小さい子どもたちって大人に向かって、結構頻繁に「死」について尋ねてきますよね。悪気なく、「ねえ、いつしぬの?」と聞かれる時があって、びっくりしてしまいます。たぶん純粋に不思議なんでしょうね。…
感想一覧
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