カーテンを買いに行こう
見てると眩しくて
近づくと焼かれて
触れると溶かされる
あそこにあるのは正しく太陽ではあるまいか
世に言われる栄誉をその手に掴み
世に言われる人望を背中に受けて
世に言われる大義をその眼の先に見据えている
彼が踏みしめた大地からは草花が芽吹くのではあるまいかと
それに比べると私は、人間とも呼び難い何かと思える。
羨望は毒となり、心を蝕み。肉体を腐らせる。
光を嫌い、陰に入る者たちの群れを幾度となく目撃した。
私はあの輝きを求めている。
夜の隙間に差し込む光の線へ、手にかざすのが好きだった。
ああ、私もそこに行けたなら。
人生の終の刻には、きっと太陽の下で。
太陽に焦がれるままに、私は影法師となって地面に落ちる。
そこで初めて太陽と目を合わすのだ。