赤い軍勢
議員たちは指導者から提案されたフンボルト軍隊の介入について臨時で話し合っていた。反対するものもいたが、結局可決することになった。騎士団及び魔女狩隊も歯が立たないのであれば、もはや答えは出ていたのだ………。
ミドラス
「それではフンボルト軍隊へ魔女教会制圧の指揮権を移す」
「ダリア総指令………前へ」
ミドラスの隣にいる赤いドレスを着た女性は一歩前へ進み、高らかに声を挙げる。
ダリア
「ツクヨミ国の皆様………私たちはフンボルト王国の軍隊『イネス』でございます」
「我が軍隊は魔女討伐のために集結し、世界の為我が国家の為に立ち上がった精鋭軍隊となります」
「ご存知の通り今世界は魔物で溢れ返り、また 魔女の驚異に怯える日々を過ごしております」
「そこで我々はどの軍隊よりも先に魔物や魔女の討伐に力を注ぎ、魔物や魔女を討伐しております」
「我らの望みは世界から魔物と魔女を消し去ること」
「我々の実力をとくとご覧あれ!」
国会に巨大なスクリーンが表示され、そこには騎士団たちが魔物と苦戦している様子が写し出された。
コッホたちは魔物たちを何とか退け払いながら1階へと進み、出口へと向かっていた。しかし、入り口付近には多くの魔物たちがひしめいていた。
コッホ
「なんて数だ………やつらはどっから湧いているのだ!?」
魔物たちは騎士団員たちに気付き、一斉に襲いかかってくる!
コッホたちは応戦するがあまりの敵の数にさばききれず、また次々と団員たちがやられていく!
騎士団員
「だ………ダメだ………死にたくない」
わずか少ない騎士団員たちは恐れ多くなり、2階へと逃げ込む。
コッホ
「くそ!このままでは………」
「ここが………死に場所か」
コッホは体力の限界が近づき、自らの死を悟る。
騎士団員
「ぐあああ!?」
2階へ逃げ込んだ団員たちが悲鳴をあげる………。
そして2階からも多くの魔物が押し寄せてくる!
残った騎士団員たちは死を覚悟し、剣を強く握る。
コッホ
「すまぬ………皆の衆」
「どうやら我々はここまでのようだ………」
「最後まで逃げずに立ち向かう我らの雄姿は必ず誰かが引き継いでくれる」
「恐怖に臆するな!立ち向かえ!!」
コッホの激励と共に騎士団員たちは恐怖を押し殺すように雄叫びをあげ、魔物たちへと向かっていく!
ドドドド!!
突然槍が騎士団員たちを襲っていた魔物たちを貫く!
コッホ
「!?」
魔物たちは次々と槍で貫かれ、倒れていく。
コッホたちの目の前に赤い軍服を着た兵士たちが立ち並ぶ。
コッホ
「え………援軍か?」
赤い軍服の兵士たちは魔物を蹴散らしていき、あっという間にこのフロアにいた魔物たちを一掃する。そしてそのまま2階へとかけ上がっていく!
その軍隊は襲ってくる魔物たちを赤い槍で突き刺していく………!
そして爆裂魔法を唱え、巨大な魔物も爆破させていく………!
赤い軍勢は騎士団たちが束になってもかなわなかった魔物たちを意図も簡単に倒していく………。
コッホ
「この集団は一体………」
騎士団たちは教会から避難し、外へ出る。
するとそこには大勢の赤い軍勢がいた。
コッホ
「何だ!?この数は………」
教会の周りが赤一色で染まっている………。
コッホ
「こんなにも人が………」
一方イトは魔物たちとの戦いに苦戦を強いられていた。
イト
「うおおお!」
魔物たちを粉微塵にしていくものの、魔物たちは次から次へと襲いかかってくる。
イト
「キリがない………このままでは」
ヒュッヒュッ
イトの後方から赤い槍が飛んできた!
その槍は魔物たちを串刺しにしていく!
イト
「!?」
イトが振り替えると赤い軍服を着た集団が押し寄せてくる。
その集団は魔物たちを葬り去りながら奥へ奥へと進んでいく………!
イト
「なんだこの軍勢は?」
「騎士団でもない………何者!?」
ズドオオオオ!!
教会の頂上が崩れ、中から魔物たちが吹き飛ばされていく。
頂上にいた教会の信者たちは皆赤い軍勢に捕らわれていく。
赤い軍勢は大声で勝利の雄叫びをあげる!
国会議員
「………圧倒的だ」
国会議員
「我が軍が歯が立たなかった魔物たちをこんな一瞬で………」
いつも騒がしい議員たちは唖然と立ち尽くしていた。
ダリア
「我が軍の勝利です」
「これより貴国の騎士団の手当てに参ります」
赤い軍勢はコッホたちへ回復魔法を唱え、彼らの傷を癒す。
コッホ
「あなた方は一体………」
フンボルトの軍人
「我々はフンボルト王国の騎士団イネス」
「ソナタたちを救いにきた」
コッホ
「フンボルト………?」
フンボルトの軍隊は残った魔物たちを一掃し、魔女教会を制圧した。




