ジョウガの魔女教会3
16時30分頃。国会に指導者が来てから 野次は少なくなり、円滑に会議が進んでいく。
しかし、軍部の方から緊急で情報が入り、状況が一転する。
「ただ今入った情報によりますとジョウガ在中の騎士団が壊滅状態」
「現在援護の要請により各拠点から至急援軍が向かっているとのことです」
国会はまたざわつきだす………。
ガラウ
「魔女狩隊はどうした?」
オードリー
「現在戦闘中とのことです………」
ミドラス
「魔女は現れたのか!?」
オードリー
「まだ確認できていません………」
ミドラス
「魔女狩隊が厳しいのであれば次の手を打たねばならない」
「そこで我々から一つ提案がある」
オードリー
(……提案?)
一方イトは多くの魔物たちを闇に葬っていた。
ドオオオオ!!
魔物たちが次々と斬られていく!
サカ
(強い………あんな化け物たちを一瞬で………)
魔物
「こ………こいつ………人間じゃねえ」
魔物
「動きが………速すぎる!?」
イトは返り血を浴びた剣を降り払い、地面に剣を突く!
イト
「死にたい奴からかかってこい」
魔物たちはイトの威圧に怯み、近づけないでいた。
「どけ」
魔物たちの中から一匹ゾウのような魔物が姿を現す。
ゾウの魔物
「俺が相手だ」
イト
「………いいだろう」
(こいつは皮膚が固そうだ………刃は通るか?)
イトは自分の周りに無数の剣を生み出し、ゾウの魔物へ斬りかかる!
ザシュッ!!
イトはゾウの魔物へ切り込みをいれるが、傷は浅く、何度も斬りつけてもびくともしない!
ゾウの魔物は長い鼻を振り回し、イトの身体を吹き飛ばす!
イト
「ぐッ!?」
ゾウの魔物は飛んでいったイトを追いかけ、両足で踏み潰そうとする!
グジャア!!
生々しく潰れた音がする……。
サカ
(イト!?)
ゾウの魔物
「ぐおおおおおおおお」
生々しい音はイトが踏み潰されたものではなく、イトが踏み潰さる前に大剣を魔方陣から生み出し、その剣を魔物の足に突き刺した時の音であった。
イト
「てめえぐらいの大きさはこの剣が一番いい!!」
イトは大剣を振りかぶって、ゾウの頭に降り落とす!
グジャア!!
イトの大剣はゾウの頭をかち割る……!
魔物
「ふおおお……」
周りにいた魔物たちは怖じけずき、二歩三歩後退する……。
イト
「どうした?かかってこい」
魔物A
「調子に乗るなよ人間!」
魔物B
「貴様の首をへし折ってやる!!」
イト
「貴様らが束になってかかってこようが無駄だ」
魔物C
「死にさらせ!!」
魔物たちは一斉にイトへ飛びかかる!
ズバババババババ!!
一瞬にして彼らは粉々に切り裂かれた!
ズドン!!
次の瞬間イトは巨大な魔物の足に踏まれる!
しかし、イトはすんでのところで踏み潰される前に体を踏ん張り、刀を両手で上に押し上げて敵の足を押さえる!
イト
「ぐぬ………」
「おらあああああ!!」
イトは力ずくで敵の足を持ち上げ、敵の体をひっくり返す!
ズシン!!
敵は足のバランスを失い、体を横転させる!
イト
「オラッ!!」
イトは掛け声と共に倒れた魔物に刀を突き刺す!
巨大な魔物を仕留めたものの、次は別の巨大な魔物の拳がイトの横腹を叩く!!
ドオオオオ!!
イトは拳によって吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる!
イト
「!?」
そして魔物はイトに休みを与えること無く、拳のラッシュを浴びせる!
ドドドド!!
イトは攻撃を全て浴びてしまい、意識が朦朧としてしまう!
そして次には別の巨大な魔物がイトを手づかみし、地面へイトを叩きつける!!
イト
「ぐあああッ!?」
巨大な魔物は踵を振り上げ、倒れているイトへ向かって振り落とす!!
イト
「この………野郎!!」
イトは背中から魔方陣を出現させ、多くの剣を魔物の足へ解き放つ!!
多くの剣が魔物の足に突き刺さり、魔物はあまりの痛さに踵落としを中断する。
そしてイトは即座に起き上がり、目にも見えないスピードで魔物を切り刻んでいく!!
巨大な魔物を一匹仕留めた後、イトはそのままもう一匹の巨大な魔物へ立ち向かっていく!
イトは常人離れをしたスピードで巨大な魔物の首を跳ねた!
イト
「はあはあ………」
サカ
「イト………大丈夫か?」
イトは体中から血を流し、息切れを起こしていた。
ズシン………ズシン………
イト
「………!?」
数十体の巨大な魔物が階段から下りてくる………。
イト
(嘘だろ………さすがにヤバい)
イトは数十体の魔物に囲まれた………。
一方国会では、ミドラスが議員に対して1つ提案をしていた。
ミドラス
「もし魔女狩隊が魔女教会に苦戦していると言うならば……彼らを戦場へ向かわせたい」
国会のドアが開かれると共に赤い軍服を着た集団が中に入ってきた。
オードリー
(なんだあの集団は………?)
国会がざわめきだす………。
赤い軍服の集団の中から極めて目立つ赤いドレスを着た女性がミドラスの隣に立つ。
ミドラス
「彼らはフンボルト国の軍隊だ」
オードリー
「フンボルト………!?」
ミドラス
「彼らは魔物や魔女退治のエキスパートだ」
国会議員
「エキスパート………?」
国会議員
「フンボルトの軍隊なんて聞いたことないぞ………」
ミドラス
「ここ数ヶ月彼らは著しく大きな功績を残している」
「彼らはフンボルトで現れた魔女を4体倒しているのだ」
オードリー
「なんだって!?」
国会議員
「魔女を4体!?」
ガラウ
「それだけではない………彼らは世界中に現れた危険度8の魔物を倒している実績もある」
オードリー
「危険度8を………!?」
危険度とはその名の通り魔物の危険度を示す数値である。過去最大は9であり、8はかなり高い数値だということがわかる。
ミドラス
「今回緊急でこの場で承認を頂けるならフンボルトの軍隊に魔女教会との戦闘を一任させる」
「現状はどうだ?魔女狩隊は魔女教会を制圧できそうか?軍部総指令部」
軍部総指令部議員
「いえ………現在は魔女狩隊は苦戦しているとのこと」
「早急に援軍の要請が出ています」
ミドラス
「そうか」
「どうだ議員諸君……彼らに戦闘を任せてはいかがかな?」
国会議員たちはざわめき、唐突な指導者たちの意見に戸惑いを感じている。
オードリー
(指導者たちはこんな奴らを準備していたのか……普段は軍事に対してはあまり興味が無いのに…どうして指導者たちがこんなことをしているのか違和感がある……)
(この赤い軍隊…こいつらは一体………)
(………しかし魔女狩隊が苦戦しているならば答えはもう一つしかない)
国会はどよめき、予期せぬ決断を迫られることになる……。




