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歪んだ末路

トランヴェルの精神は身体へと戻った。そして、トランヴェルが目を開けると、目の前には血を流して倒れているダマの姿があった。


トランヴェル

(………!)

(まさか………誰か殺したのか!?)


トランヴェルはルイとサラがダマを殺したと思っていた。

しかし、ダマの死体を見てみると、どうやら他殺ではないらしい。


ダマは右手に拳銃を握っており、頭の右側から血が吹き出ていたのだ。


トランヴェル

(自殺………か?)


ルイ

「いきなりこいつ…引き金を引きやがった」


予想外の出来事に皆混乱し、しばらく沈黙が流れる。


トランヴェル

(………本当に死んだのか?)

(自殺するような感じではなかったが………)


トランヴェルたちが唖然と立ち尽くしている中、

誰かがこちらに向かって来ていることに気づく。


トランヴェル

(………!?)


トランヴェルたちのもとにマベルがやってきた。


「あれれ?おっさん死んじゃったんだね」


トランヴェル

(マベル………!)


イト

「誰だ………この女は?」


カリア

「あ………あいつは」


カリアは思い出す………以前マベルと出会った時のことを。


マベル

「ヤッホー!トランヴェル!!」

「そしてトランヴェルから生み出された皆さん」


トランヴェル

(!?)


ララ

「あなたは………誰?」


マベル

「はじめまして~魔女のマベルです!」


イト

「魔女!?」


サラ

「グルルルル………」


サラはマベルを警戒しているようだ。


カリア

「ま………魔女………マベル」


マベル

「あらあの時の人間じゃない!元気そうだね」


カリア

「………」

「気をつけて皆………あれは人間じゃない……魔女よ」


カリアの足が震えていた………。


イト

「魔女だと!?」


トランヴェル

(マベルのさっきの言葉……私がララたちを魔女にしたことを知っている………!?)

(まさか私が他の世界から来たことに気づいていたのか?)


マベル

「トランヴェル………あなたトランヴェルじゃ無いわね?」


トランヴェル

(!?)


マベル

「あなた………誰?」


ザザザ………


トランヴェルは蛇に睨まれたネズミのように硬直した………。

マベルから今まで感じたことの無い重圧を受けていたのだ。

トランヴェルは血が凍り、身動き一つできない………。


トランヴェル

(いつものマベルじゃない………)


その重圧はトランヴェルだけではなく、ララたち全員にも伝わっていた。

本能が察しているのか……早くこの場から逃げたい衝動にかられていた………。


マベル

「あなた………いつからうちのトランヴェルに取り付いてるの?」

「ねぇ………答えて?」


トランヴェルは冷や汗をたらし、目の瞳孔が狭まっていく………。


マベル

「あら………そんなに萎縮しちゃってどうしたの?」

「大丈夫大丈夫!何も危害を加えるつもりは無いよ」

「水晶越しにあなたの行動を見てたの………本当に興味深いなって………だから貴方のこと教えて!」


トランヴェル

(………やはり今まで観察してたのか)


ミランダ

「あの………」


マベル

「なあに?」


ミランダ

「トランヴェルは………基本喋ることができないみたいなの」


マベル

「そうなの?」

「じゃあどうやって皆とコミュニケーションが取っていたの?」


ミランダ

「トランヴェルは1日30分くらいなら話せるらしいです………」

「私はその30分の間でトランヴェルと話をしていました」


マベル

「たったの30分?なんで?」

「本当はもっとしゃべれるんじゃないの?」


マベルは杖をトランヴェルの額にピタリとくっつける…。

トランヴェルはマベルから殺気を感じた………。

喋らないと殺すと言わんばかりの重圧だ………。


トランヴェル

(………ぐ)


マベル

「………」


マベルは杖をトランヴェルから離す。


マベル

「まあいいや」


マベルはホウキを跨いで浮遊する。


マベル

「貴方たち今後どうするの?」


ララ

「それは………わかりません」


マベル

「ふふん………じゃあ一つ行き先をアドバイスしてあげる」


「貴方たちは魔女として人間に追われてるんだよね?」

「ならアポロに行ってみたらどう?」


トランヴェル

(………アポロ?)


ルイ

「そんなところへ行ったら死ににいくようなものよ」

「あそこは国営騎士団の総本山があるんだよ?」


マベル

「普通に考えたらそうよねー」

「でも貴方たちはあそこに行くべきだと思うわ」


ミランダ

「どうして?」


マベル

「あそこには面白いものがあるの」


イト

「面白いもの?」


マベル

「それが何かは教えなーい!」

「自分たちで探してみてね」

「貴方たちの信じている世界がいかに()()()()()か見てくるといいわ」


トランヴェル

(………どういう意味だ?何が言いたいんだこいつは?)


マベル

「まああくまでもアドバイスだからね。行くかどうかは自分たちで決めてね」

「じゃあ、貴方たちの健闘を祈るよ」


「それじゃあね!また会いましょう」


マベルは上空へ上がっていき、やがて姿が見えなくなった。


ルイ

「あいつ………超危険だ」


トランヴェル

(マベルは私たちを観察して何をしようとしてるんだ?)

(くそ………全くわからない)


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