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ダマの記憶3

バチバチ………


実験器具のケーブルが引きちぎられており、中から火花を散らしている。

そして目の前にはダマが倒れていた。


ノーズ

「ダマ様!!」


ノーズはダマヘ駆け寄る。


ノーズ

「意識が無い………でもまだ呼吸はある」


ノーズはダマを担ぎ上げ前へと進もうとするが、目の前にはキメラと呼ばれる化け物が2体立ち塞がる………。


キメラ

「グオオオ!!」


キメラたちがノーズたちへ襲いかかってくる!

ノーズは銃を連射してキメラを攻撃するが、キメラたちはびくともしない。ノーズはキメラの鋭いキバによって首を噛み千切られる………。


ノーズ

「あ………ぐあ」


ダマ

「ノーズ………!?」


ダマは意識を取り戻すものの、ノーズと共に倒れてしまう………。


キメラ

「グオオオ………」


キメラたちはジリジリとダマのもとへ寄ってくる。

キメラたちがダマたちへ噛みつこうとした瞬間、

どこからか氷柱が飛んできた…!

そしてキメラたちの頭を貫く!頭を失ったキメラたちは倒れた。


ザッ………ザッ………

周りがいきなり白い霧に包まれる。

この部屋の奥から吹雪が吹き始める………。

そして火花を散らしていたケーブルは氷付けになり、

倒れた魔物たちは白く氷っていく。


ザッ………ザッ………


足音が聞こえてくる………。

部屋の奥に白いワンピースを着た女性が見える。

その女性の髪は長く、足元まで伸びている。

また目は青白く輝いており、綺麗な顔立ちをしている。

その女性はダマのもとへと歩いていく………。

女性はダマの体を手で触れる……そうするとダマの体が徐々に回復していく。


ダマ

「ぐ………う」


ダマは再び意識を取り戻し、女性を見上げる………。


ダマ

「何者………?」


女性

「あなた面白いことをしているね………」

「この動物たちはあなたが創ったの?」


女性はキメラたちを指差し、ダマヘ尋ねる。


ダマ

「………そうだ」

「お前は………魔法使いか?」


女性

「いいえ………私は貴方たち人間とは違う存在…」

「魔女よ」


ダマ

「魔…女?」


女性

「そう魔女………」

「ねえ………貴方はこんなもの創ってどうするつもりなの?」


ダマ

「これは………私の商品だ………これからの時代の武器となるものだ」


女性

「へえ………武器ねぇ………面白いね」

「また貴方に会いに行くわ」


突然吹雪が荒れはじめ、魔女と名乗る女性は吹雪と共に消えていった。


ダマ

「なんだ………今のは」

「そうだ……ノーズ!」


ノーズの首から血が広がっていき、助かりそうにもない。


ダマ

「ノーズ………待ってろ…お前を蘇生させてみせる」


ここで一旦場面が暗くなる………。


トランヴェル

(魔女が出てくるとはな………ダマたちがいる世界はやっぱり今の世界と一緒なのだろうか……)

(ダマの今の記憶があまりにも近代的だったから、ダマたちは別の世界から来たのかと思っていたが………やはり同じ世界なのか?)


またまた場面が切り替わる。

今度はダマとキメラと化したノーズ、そしてミスリルという研究者が立っていた。


ミスリル

「非常事態だ………」


ミスリルは顔を青ざめてボソッとつぶやいた。


ダマ

「何が心配なのだ?特に問題はなかろう」


ダマはハラハラしているミスリルに比べ、落ち着いている。


ミスリル

「問題無いわけ無いでしょう!?」

「キメラがこないだの事故で脱走していたのですよ!?」


ミスリルは阿鼻叫喚となり、頭を抱えてぶつくさつぶやいている。


ダマ

「お前たちの管理不足が招いた結果だろ?」


ミスリル

「………」


ダマ

「そもそも何故セーフティモードが解除されたのだ?」


ミスリル

「システムトラブルです………原因はまだ掴めておりません」


ダマ

「そもそもキメラを機械で管理しようだなんて、はじめから無理だとわかっていたはずだ」


ミスリル

「………」

「とはいえ他に管理する手段が無いんです………これ以上強靭なシェルターや檻は開発できそうにありません」


ダマ

「できない理由をのべるな…できる手段を考えろ」

「さもなければこの実験は続けられない」


ミスリル

「………」


ダマ

「ノーズ………貴様ならどうする?」


ノーズ

「キメラに管理者を置くのはどうでしょうか」


ミスリル

「管理者………?つまりお前が管理するという意味か?」


ノーズ

「そうですね………はじめは私が奴らをねじ伏せてでもここから出さないように管理します」

「あとは脱走するという考えを持たないように教育することも必要です」

「結局脱走したキメラは自由を求めて出ていってしまった………そうならないように檻に閉じ込めて飼うのです」

「動物園のように」


ミスリル

「お前一人で何百体のキメラを管理できるはずがない」

「奴らは人間の頃の記憶もわずかに残っている………教育するにも困難だろう」


ダマ

「確かに一人では難しいが、少しずつ増やしていけばいい」

「奴らにはここでしか生きられないように教育するのだ」

「そうすれば当たり前となり、今回のような脱走を防ぐことができるだろう」


ノーズ

「動物園のように一生暮らせる環境とある程度の地位を与えてしまえば奴らはここに居座る」


「安定の地に居座ることにより、やがて外に出るリスクを考えるようになる………たとえ動物園の檻を開けたとしても自ら出ようとしないだろう」


ミスリル

「………本当にあんな奴らを教育することはできるのでしょうか………?」


ダマ

「それをやらねば他に案はあるのか?そもそも力で制御できないのであれば奴らをねじ伏せるのではなく、飼うほう良いだろう」


「そもそも力で押さえつけて管理できる例を私は知らない」

「教育したほうが早い………悪く言えば洗脳したほうが早いのだ」


ミスリル

「………」

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