表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/374

魔女と魔物の攻防


バチバチバチ!!


ルイは黒い魔法障壁でノーズの攻撃を防いでいた。

トランヴェルもミランダもルイの後ろで横たわっている。


ルイ

「後ろの奴等は何してんの!?」


ルイはトランヴェルたちを守りながらノーズの攻撃を防ぎつつ、身に纏わせていた黒い蝶をノーズへ飛ばし攻撃を仕掛ける。


ルイがノーズと戦っている間、イトとサラは魔物たちと死闘を繰り広げていた。イトは魔力が切れ、腰につけていた護身用の短剣で魔物たちと対峙していた。体は傷だらけであり、片目も閉じてしまっている…。そしてサラも爪が割れ、攻撃手段が牙しかない状況だ。彼女も無意識に魔法障壁を身に纏わせており、敵からのダメージを軽減し持ちこたえていたが、ダメージが蓄積し彼女の体力も限界に近づいていた。


魔物たちの攻撃はますます激しくなり、ノーズもカリアから魔力を吸い上げ、徐々に力が強まっていく!ルイの魔法障壁もヒビが入り始め、また彼女の攻撃もノーズに与えてはいるが、ほとんどダメージは無いようだ。


ルイ

「う………嫌だ………」


「負けたくない負けたくない負けたくない!」


バチバチバチ!!


ルイの魔法障壁が破壊されていく…!


ルイ

「こんな………奴等に負けたくない!」


バリイイイイイイン!!


ルイの魔法障壁が壊れ、ルイは絶望する…。

ノーズの雷魔法がルイへと向かっていく!


ルイ

「死んでたまるか………死んでたまるか!」


ルイは多くの蝶に分離し、ノーズの魔法を避けようとするが、ノーズの魔法は先程までと比べ物にならない程大きく、蝶たちは全て魔法を喰らってしまう…!


分離した蝶たちが集まり、ぼろぼろになったルイが現れる…。

ダメージがでかかったらしく、彼女はもう立ち上がれずにいた。


ノーズ

「次こそ最後だ」


ノーズはもう一度巨大な雷魔法を生成し、ルイへ放つ!


ルイ

「団…長………」

「今………行くからね………」


バチイイイイイイイイ!


ルイ

「!?」


ルイの目の前にブロンド髪の女性が立っていた。

そしてノーズの魔法は彼女の魔法障壁で消滅していった。


ノーズ

「なんだと!?」


ノーズは巨大な雷を複数生成し、彼女たちへ放つ!


バチイイイイイイイイ!!


魔法障壁が大きく展開され、ノーズの魔法を全て防ぐ…!

そしてそこにミランダが加勢する…!


ミランダ

「持ちこたえてくれてありがとう!お陰様で魔力が回復してきたよ」


ミランダは倒れているルイへ感謝し、ブロンド髪の女性の隣で魔法障壁を張る!


ミランダ

「ララちぃ!?体は大丈夫なの!?」


ブロンド髪の女性は答える…。


ララ

「大丈夫!ミランダありがとう!あとは………任せて!」


ララの張る魔法障壁がどんどん強化されていく…!


ノーズ

「バカな………あれほど魔力を吸収したのに…何故だ!?」


ララたちの魔法障壁がノーズの魔法を全て消滅させた!

そしてララは歩きだす…ノーズへ向かって…!

彼女の踏み込んだ足から青い稲妻が地面を走り、周りにいた魔物たちを襲う!喰らった魔物たちは全身が焼き焦げる…!


ララ

「魔力が溢れてくる…!」


ララの周りに青い稲妻が漂う…そして彼女の顔が青くなっていく…!


バチバチバチ!!!


ララ

「あなたの体の中にカリアがいるのね…」


ララの纏う稲妻が地面を破壊し、周りにいた魔物たちは一瞬で焼かれ消滅していく!


ララ

「返して…カリアを!!」


ララの体から発生した青い稲妻がフロアにいる魔物たちを次々と薙ぎ倒していく……!

イトとサラが対峙していた魔物たちも稲妻で焼かれ灰と化す!!


イト

「なんという魔力…魔物たちが一瞬で焼け死ぬとは……」


魔物たちが次々と倒れる中、雷鳴が鳴り響く…!


ノーズ

「ぐうう!?」


ノーズも雷を喰らい体が痺れていた。

思うように動くことができず、攻撃はおろか防御すらできないほど麻痺していた。

対するララはどんどん魔力が高まっていき、そして彼女の体全身が徐々に青くなっていく…。


トランヴェル

(あの姿は……ペルー村で魔女狩部隊と戦った時の姿!)

(またあの残虐な性格に変わるのかもしれない……しかしあの魔力ならカリアを救い出せるか!?)


ララ

「カリアを返して」


ララの体に纏っていた雷撃がノーズの体を麻痺させていく……!


ノーズ

「貴様……なんぞに……」


ノーズは体中から無数の腕を生やし、また手のひらを尖らせてララへ放っていく!!


バチイイイイイイイイ!!


ララへ放った腕は彼女に触れた瞬間、一瞬にして焦げてぼろぼろに砕けていった。


ララ

「カリアを……返せ!!」


ララの体から力強い雷撃が発生し、ノーズの体をさらに焦がしていく!


ノーズ

「ぐおああああああ」


ダマ

「ノーズ!!」


ノーズは膝をつき、体がビクビクと痙攣している……。

そこにイトが短剣でノーズを斬り込んでいく!

ノーズの体は裂け、腹の中からわずかにカリアの姿が見える…!


トランヴェル

(カリアだ!!)


ノーズ

「おのれ……」


ノーズは腕を数本生やしイトを殴り倒す!

そして裂けた腹を繋ぎ止めようと修復させていく!


トランヴェル

(まてよ……カリアが気を失っているとしたら私がカリアの中に入って起こしてくればいいのか!)

(意識を取り戻せば、もしかしたらカリア自身が奴の腹から出ることができるかもしれない……)

(もう一度意識をカリアの中へ飛ばせるか?)


トランヴェルは意識をカリアに向かって飛ばし、彼女の心の中へ入ろうと試みる!


トランヴェル

(間に合ってくれ!!)


徐々にふさがっていくノーズの腹にギリギリトランヴェルの意識が入り込み、腹の中にいるカリアの心の中へ突入する!


コポポポポポポ……


トランヴェルは記憶の海を急いで泳いでいき、海面へ向かう!

泳いでいる中、カリアの記憶が断片的に表示される。

初めはガゼルと見知らぬ女性が写し出されていた。

この女性はカリアのお母さんだろうか。

それから泳いでいくうちに徐々にララやペルー村の背景が浮かんでくる。


トランヴェル

(そう言えばいつの間にかベルチカの声が聞こえなくなったな……また頭痛の時に出てくるのだろうか)


トランヴェルはさらに奥へ奥へとカリアの記憶を泳いでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツイッター:@hukurai_eichi
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ