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心の深海を泳ぐ能力

ルイが放つ禍々しい魔法はノーズへ直撃するが、ノーズの魔法障壁によって消滅してしまった…!


ノーズ

「高まる…魔力が!!」


ノーズから放たれた電撃の魔法がルイを襲う!

ルイは両手で食い止めるが、押さえきれず大ダメージを負ってしまう…!


ルイ

「あああああああ」


ルイは体が痺れその場で膝をつく…。


ダマ

(ノーズの魔力が増大していく…!)


ダマはノーズに目を向け、魔力を測定する。

彼の右目は赤く光る…!


ダマ

「素晴らしい…!もはや魔女と同等の魔力!」


ダマの右目は魔力測定器がついている。赤くなればなるほど魔力が強いとわかる。


トランヴェル

(くそ!あの化け物…!)


(!?)


トランヴェルは一瞬気が飛び、気がつけば元の体へと戻っていた。精神状態になってから30分たち、精神が体のもとへ戻ったのだ。


トランヴェル

(時間切れか………もう今日は精神状態にはなれない………もはや今の戦力で何とか打破しなければならない…!)


ルイは禍々しい魔力を多く生成し、ノーズへと放ち続ける!

しかし、ノーズの魔法障壁はどんどん固くなっていきルイの魔法を弾く…!


ダマ

「これまでのようだなルイ!」


ルイ

「何で何で何で!何で私は…勝てない!?」


ダマ

「貴様はどこからそんな力を得たのだ?言え!」


ルイ

「死にさらせ」


ダマ

「ふん…言うつもりが無いなら消すまでだ…もし教えるのであれば命は助けてやろう」


ルイ

「うるさい!!」


ルイは魔法をダマヘ放つが、ノーズの放った魔法に打ち消されてしまった。


ダマ

「残念だルイ………ここで死ぬがいい」


ノーズは体から無数の雷撃魔法を生成する…!

その魔法全てをルイへ放つ!!


ルイ

「くそおおおおおおおおお」


ルイは身体中に黒い蝶をたくさん纏い、防御に徹する。

そして全ての雷魔法が彼女に衝突し爆発を起こす…!

爆発の後、煙が立ち込める…煙が去った後にルイの姿はなかった……。


トランヴェル

(やられてしまったのか!?)


ダマ

「やっと一人始末したか…」

(しかし妙だ…何故ルイはあんな魔力を得たのだ?しかも先程まで戦える状態ではなかったはずだ…一体誰が…)


ダマは周りを見渡し、イトとサラを見つめる。


ダマ

(あの二人もどこから来たのだ…騎士団にも見えない………何かがおかしい)

(ん…?)


ダマの視界にトランヴェルが入る。

そしてダマの右目が橙色に光った!


ダマ

(!?)

「あの鳥…魔力が高い…」


(あの鳥………何者だ…?もしかしてルイが強くなったのもあの鳥のせいなのか?)


ダマは思い出す…トランヴェルがノーズから逃げている最中に探索機を動かしたことを。


(あの鳥は機械を動かしていた…鳥はおろか人間ですらあの機械を動かすには難しい)


「奇妙だな…ノーズあの鳥を殺せ!」


ダマはトランヴェルに指をさし命令をする!


トランヴェル

(な………なんだって!?)


ノーズの体から無数の電撃魔法が放たれる!

トランヴェルは飛び立ち、上空へと逃げていく!


トランヴェル

(いきなりなんだ!?何故私を狙う!?)


トランヴェルは電撃にスレスレで避けて、何とかノーズの攻撃を回避する!


ダマ

(あの鳥………やはりただ者ではない…魔力が強まっている)


ダマの右目は徐々に赤みがかかっていく。


トランヴェル

(あのダマという男…やはり普通じゃない…)

(この施設といい、あの化け物といい、この世界について何か知っているに違いない)

(あの男…何者だ!?)


キイイイイイイイイイイイン


トランヴェル

(あが…!?)


いきまりトランヴェルは頭痛をおこす…!


トランヴェル

(この痛み…こんな時に!?)


キイイイイイイイイイイイン


ベルチカ

「やあトランヴェル」


トランヴェル

(やあじゃねえ!こんな時に出てくんな!?)


ベルチカ

「そんなこと言っても君がトリガーを引いたからさ」


トランヴェル

(トリガー!?何の事だ!?)


ベルチカ

「君はあのダマとかいうボンクラについて知りたいと強く願っただろ?それが今回の能力の解放条件だったんだ」


トランヴェル

(何を言ってんだ!?こんな緊急の時に出てくんな!)


ベルチカ

「君がどんな状況であろうとトリガーを引けば能力が解放される…だから仕方ないことなんだ」


再び電撃がトランヴェルを襲いかかってきた…。

トランヴェルは間一髪で何とか全ての電撃を避けきる。


トランヴェル

(あぶねえ!頭痛くて集中できねぇよ!!)


ベルチカ

「君に新しい力を与える!」


トランヴェル

(ふざけるな!後にしてくれ!死んでしまう!)


ガコン…


トランヴェルの脳内で何か音を立て、とある知識と技術が彼の脳裏に焼き付けられる。

新たな能力を得ることに引き換えに猛烈な頭痛がプレゼントされる。


トランヴェル

(あがががががが)


(割れる…頭が割れる…)


ビシャアアアアアア!!


トランヴェルが気を失いかけていた時にノーズの放った電撃をもろに受けてしまった!

トランヴェルはそのまま地上へ落下してしまう!


ミランダ

「トランヴェル!?」


トランヴェル

(ふざ…け…るな)


ミランダは倒れたトランヴェルのもとへ走り、左手で彼の体を回復させる。


トランヴェル

(すまない…ミランダ)


ミランダはトランヴェルを抱えて、魔物たちの攻撃を薄い魔法障壁で苦し紛れに防ぐ…。ミランダはトランヴェルを倒れているララの側に寝かし、両手で魔法障壁を展開させる。

魔物たちの攻撃を防いではいるが、もはやミランダの魔力は底をつこうとしていた。そして最悪なことに魔物たちに加え、ノーズがミランダたちのもとへ駆け寄ってくる…!


ノーズ

「そのフクロウ共々ここで消してやる」


ノーズの体からまた無数の電撃が生成される…!


ミランダ

「ああ…もう……ここまでなのかな」


ノーズ

「苦しまずに一思いに殺してやる」


無数の電撃がミランダに放たれる…!


ミランダ

「お母さん…」


ゴオオオオオオオオオオオ!


ミランダが諦めようとした時、薄かった魔法障壁がどんどん厚くなっていった!


ミランダの目の前に多くの黒い蝶々が集まっていく…!


ルイ

「はあ………はあ………まだまだ戦える…!」


先程消し飛ばされたと思われていたルイが姿を現す!

そして彼女の黒い魔法障壁でノーズの電撃を全て防いでいく!


ノーズ

「まだ生きていたのか!?」


ルイ

「当たり前でしょ…!私はいままで何度も死にかけては諦めず生きてきたんだから…!」


「あいつを倒すまでは………死ねないのよ!!」


魔法障壁がさらに厚さを増していく…!


トランヴェル

(………生きていたか…よかった)


トランヴェルも死にかけていたが、ミランダの回復魔法によって一命はとりとめた。しかし、体はボロボロであり、もはや飛ぶ力すらなかった。


ベルチカ

「ねえトランヴェル」


トランヴェル

(まだ居たのかお前…)


ベルチカ

「早速新しい能力を試してみようよ!」

「心の深海を潜る能力をさ」


トランヴェル

(………)


トランヴェルは先程の頭痛で心の深海を潜るという新しい能力を得た。

人の心の中に入り込み、その人の過去や夢の中を見ることができるのだ。


ベルチカ

「ちょうどいい…この子の心の中に潜ってみようか?」


ベルチカは気を失っているララを指差す…。


トランヴェル

(ララの心の中へ?)


ベルチカ

「そう…彼女の心の中………そろそろ彼女にも起きてほしいでしょ?心の中から呼び起こすことも出来るだろうしどうかな?」


トランヴェル

(そんなことができるのか………)


目の前にはミランダとルイが魔法障壁を貼って敵の攻撃を防いでくれている………。しかしこのままではどう考えても不利な状況に変わりはない。ララの力も必要なのだ…。


トランヴェル

(体も動けないしな…わかった行こう)


ベルチカ

「じゃあ決まりだね!さあ彼女の心の中に飛び込もう!!」

「対象に精神を飛ばすんだ!」


トランヴェル

(俺はもう今日は精神状態になれないぞ?)


ベルチカ

「精神状態になるんじゃない…精神を彼女に飛ばすんだよ!頭ではやり方わかってるでしょ?」


トランヴェル

(ふむ………)


トランヴェルとベルチカはララに向かって精神を飛ばし、彼女の心の中に入り込む。


ベルチカ

「そうそう出来たじゃないか!」


トランヴェル

(もう彼女の心の中なのか?)


ベルチカ

「そうだよ!ほら先へ進もうよ」


トランヴェルたちはララの心の中を泳いでいく…。

奥へ奥へと進んでいく…。

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