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トランヴェル第5の魔女

ノーズの腕が鋭く尖り、イトへ放たれていく…!

イトは宙返りをして回避するが、着地すると雷魔法が四方八方飛んできた!

その魔法はイトへ直撃し、さらにノーズはイトへタックルし彼女を吹き飛ばす!


イト

「!?」


イトは壁に衝突し、その衝撃で地面に倒れてしまう…。


ノーズ

「体が軽い…これなら勝てそうだな」


ノーズはララとカリアから魔力を吸収していたが、ララを排出することで身を軽くし、また吸収に割いていた力を魔力に注いだのだ。その結果、攻撃力、魔力など全てのステータスを向上させることができた。


イト

「こいつ…!」


イトは俊足でノーズに斬りかかるが、ノーズの手が剣先を掴んだ!


ノーズ

「遅いな」


イトは止められた剣をノーズの手から払おうとするが、

ピクリともしない…。

そしてノーズの無数の手によって打撃を喰らい、さらに電撃魔法によって大ダメージを負う!


トランヴェル

(まずい…)


最初はイトが押していたが、ノーズがララを排出してから立場が逆転した。


イト

「ぐッ…!」


ノーズの猛攻で怯むイト………何とか剣で攻撃を防いでいるものの、彼が倒れるのも時間の問題だった。


トランヴェル

(何とかしなければ………ミランダはもう限界…ララも気を失っている…)


サラ

「んぐ………」


トランヴェル

「!?」


先程まで倒れていたサラという化け物が意識を取り戻し、体を起こした…。


サラ

「おとさ………」


サラは周りを見渡しキマリを探す。

そして彼女の目に入ったのは首をへし折られたキマリの姿だった。


サラ

「うぅ………」


サラはキマリを呼び掛けるが、彼の返事はない。首をへし折られ、絶命していたのだ。


サラ

「うわあああああ」


キマリが死んだことに気付き、サラは泣き叫ぶ………。

そして泣きながら何度も何度もキマリの体を強く揺さぶる…。

次第に彼女は腕に力が入らなくなり、その場でうずくまる…。


トランヴェル

(…敵とはいえ彼女は唯一の肉親を失ったんだ…辛いだろうな)


サラが消沈しているところにイトが吹き飛んできた!

サラが振り向けばそこにはノーズが立ちはだかっていた。


サラ

「ぅうう………」


サラはノーズを睨み付け、威嚇する…。


ノーズ

「そろそろおしまいにしよう」


ノーズは攻撃を止めることなく、イトへガンガンと物理技で攻めていく…!

イトは圧倒され、後退していく一方だ…。


ガンッ…!


イトは吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる!

ノーズは両手に魔力を高め、青白い雷を生成する…!

しかしそこにサラがノーズの腕にかぶり付いてくる!


ノーズ

「邪魔だ」


ノーズの体から雷が放たれ、サラは吹き飛ばされる。

サラは地面に倒され、体がビクビクと痙攣している…。


サラ

「ヴウ…」


サラはガタガタした足で立ち上がろうとするものの、うまく立てそうにない…。トランヴェルはサラのもとへ飛び立ち、彼女に話しかける…。


トランヴェル

(あいつを倒したいんだよな……だから立ち上がりたいんだよな…?)


サラ

「ゥううううッ…!」


サラはうなり声を出して何度も立ち上がろうとする…。


トランヴェル

(仇を打ちたいんだよな…だから悔しいんだよな……)


サラ

「………ぐッ…!」


サラはあと少しで立ち上がれたのだが、体の痺れによってまた倒れてしまう………。


トランヴェル

(魔女になれ)

(君があいつを倒したいなら………魔女になれ!!)


バチバチッ…!


ノーズの両手には大きな雷の塊が作られていた…!


イト

(あんなものを喰らったらひとたまりもない…)


イトは立ち上がり、一歩引こうとしたが、ノーズの腕がイトを再び地面へ叩きつける!そしてイトはノーズの手によって押し留められ、身動きができない状態になった。


ノーズ

「もう逃れることはできまい」


イト

(これまでか………)


ノーズの両手から雷の魔法が放たれようとしたその時、横から猛スピードで何かが飛び込んできた…!

そしてそれはノーズの両手を切り取ってしまう!!


ノーズ

「!?」


ドスドス!


ノーズの両手が地面に落とされた…。


ノーズ

「ぐおおおあああああ」


ノーズは両手を失い悲鳴をあげる!

イトは見た……ノーズの両手を切り取った奴の姿を。


ザザザザ……


その者は外見は人の形をしていたものの、猫や犬のような獣の耳がついており、細長い尻尾も生えていた。


「おとさんの………仇!!」


ノーズの腕をもぎ取ったのは魔女と化したサラだった。


トランヴェル

(魔女になる前の面影がほとんどない………魔物になる前の人間の頃の顔なのかな………)

(勢いで魔女にしちゃったけど、魔物も魔女にできるんだな………それもそうか男も魔女にできたし何でもありだな)


ダマ

「ノーズ!?」


ノーズ

「また油断しました………大丈夫ですこれくらいなら」


ノーズの切り取られた両手に火花が散り、どんどん細胞が構築されていく。数秒で切り取られた両手が生えたのだ。


トランヴェル

(異常な回復力だな………これでは長期戦は不利だ)


ドトドドトドッ…!!


サラは長い爪をたて、ノーズへ切りかかる!


サラ

「仇………仇!!」


ノーズ

「貴様………何者だ!?」


ノーズは背中から腕を飛ばすが全てサラに粉々に切り刻まれてしまった。


サラ

「仇!!!」


ガッ…!


ノーズはサラの両手を掴み、彼女を投げ飛ばす!

サラは両手両足で着地し、体勢を整える。


ノーズ

「このままでは分が悪いな……」


ダマ

「ノーズを失うわけにはいかない…」


ダマは右手を上にかざし、右手にはめていた指輪からありったけの魔物を出現させていく…!

多くの魔物がこのフロアを埋めていく!


トランヴェル

(なんつー数だ!?)


イト

「…!?」


トランヴェルたちは数多くの魔物に囲まれてしまう…。


ダマ

「この施設の全てのキメラを解放した…ここが貴様らの墓場となる」


多くの魔物たちは雄叫びをあげ、トランヴェルたちへ襲いかかってくる…!

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ツイッター:@hukurai_eichi
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