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牢獄の腕の中

ダマとノーズは転送魔法で牢獄にたどり着く。

この牢獄は1万平方メートルぐらいの広さだ。

牢獄には多くの囚人と魔力の強い人間を監禁していた。

囚人たちは国から送られてきており、魔力の強い人間は拉致されて幽閉されている。彼らはもう何年も前からこの牢屋に閉じ込められており、とある魔法装置によって空腹になることもなく、ずっとこの牢屋で過ごしていた。この牢獄は魔女信仰教会の所有施設であり、教会の中でも一握りの人間しか知らない秘密の施設である。監禁しているものたちは魔物の実験台にされたり、魔物の餌として食べられたりしている。

ダマとノーズは牢獄の奥にいるミランダとララから魔法粒子を得るために訪れた。カリアに対抗するためには強力な魔法粒子が必要なのだ。


ノーズ

「例の二人は一番奥の牢屋にいます」


ノーズはダマを連れてミランダとララがいる牢屋へ向かう。

そして彼らがたどり着いた時にはすでに彼女たちは脱獄していた。


ノーズ

「いない……まさか」


ダマ

「何だと!?どこへ行った!?」


ダマは右目を光らせる…。


ダマ

「まだ遠くへはいっていない……こっちだ……」


ダマの右目には熱感知器と魔法粒子の測定器がついている。

その測定器からミランダたちが歩行した後を追うことができる。

ダマは右目の計測器からわずかに残っている熱量をたどって彼女を追う。


一方ララとミランダは牢屋から脱出した後、出口を探しまわっていた。しかし、見当たらない…一体どこにあるのか検討がつかないでいた。


ララ

「ここさっき来た道だ…」


ミランダ

「来たっけ?」


ララ

「ここを通る時目印をつけといたの」


ララ鉄格子を魔法で少し焼いていた。

彼女は焼かれた鉄格子の有無で来たかどうか判断していたのだ。


ミランダ

「頭いい!さすがララちぃ!」


ララ

「どうしよう……出口あるのかな…」


ミランダ

「無かったらどうやって入るの?絶対にあるよ!」


ララ

「そうだよね…そうなんだけど……」

「こんだけ回って何も見つからないのはもしかして隠し扉とかあるのかな……」


ミランダ

「んーどうだろう……牢屋ばっかりでそれらしきものも見つからないしなぁ…」

「もういっその事、壁を壊して外に出たほうが早いかも」


ララ

「なるほどそうしようか?」


ミランダ

「うん…そうしよう!ちぃっと待っててね」


ミランダは右手をかざし壁に向かって魔法を打ち込む!


バチバチッ!


ララ

「やっぱりバリアが貼られてるのね…」


ミランダ

「さっきみたいに魔法障壁が貼られていないところから破壊すればいけるかな…」


ビービー!


いきなり警報が鳴り出す!


ミランダ

「な……何!?」


ララ

「まずい……敵が来るかも!?」


その警報はダマたちの耳にも届いていた。


ダマ

「どうやらすぐそこにいるらしい」


ダマとノーズは警報のなる方へ走り出す。


ダマ

「近いな…魔法粒子がやたら多くなってきている」

「ノーズ…絶対に逃すなよ」


ノーズ

「御意」


ダマたちは警報する場所へたどり着くが、そこには二人の姿は無かった。

ダマは周りを見渡す…。彼の右目には壁に多くの魔法粒子が着いているのを確認し、そしてここの場所から右の通路に熱量と魔法粒子が続いていることに気づく。


ダマ

「こっちだノーズ」


ダマたちは通路を進み角を曲がる。


ダマ

「……熱量が途絶えた」


ダマは後ろを振り向く……。


ダマ

(引き返したかまたは……ん…)


ダマは間取り角の近くにある牢屋に熱量があることに気づく。


ダマ

「ノーズ…ここを打て」


ノーズは腕で鉄格子を破り、中へとはいる。


ノーズ

「……」


ノーズは辺りを見渡すが、二人の姿は無い。


ダマ

「ノーズ…そこだ」


ダマはこの牢屋のベッドに指を指す…!


ミランダ

「やばい!」


ノーズの腕がベッドを貫く!

その後ろからララとミランダが飛び出す…!


ダマ

「ノーズ逃がすな!!」


ノーズは体中から無数の腕を生やし、ミランダたちを捕まえようと腕を伸ばす!


ミランダは右手をかざし、ノーズの手を弾く…!

しかし、ララは手足を捕まれ、ノーズの方へ引き込まれてしまう!


ミランダ

「ララちぃ!!」


ミランダはララを助けようとするが、ノーズの攻撃に身動きできない…。

ララも抵抗するものの、そのままノーズのもとへ引きずり込まれてしまう。


ノーズ

「貴様の魔法粒子…頂こう」


ノーズは大きく口をあけ、ララを食そうとする。


ダマ

「待てノーズ」

「これほどまでの魔法粒子を持つ人間はそうそうにいない…喰わずに飼え」


ノーズ

「しかし…その体制では戦闘を行うことができません」

「もはや悠長なことは言ってられません…こいつを食さない限りあの少女に勝つことは困難かと…」


ダマ

「大丈夫だ!お前が思った以上にパワーはでるはず…まずは吸収した状態で戦ってみろ」


ノーズはダマの言うとおり、ララを噛み砕くのを辞め、口を閉じる。口の代わりに腹に穴を開け、そこに捕まえたララを入れ込む…!


ミランダ

「ララ!?」


ミランダは右手から魔法をノーズの腕にぶち当てて、無数の手から隙をつき潜り抜ける!

ミランダは右手をかざしたままノーズへと立ち向かうが、ララはすでにノーズの腹の中へ引きずり込まれていた……。


ミランダ

「この化け物!」


ミランダは右手に魔力を込めて、ノーズの腹に突き刺す!

ノーズの腹の中でララを探り、またララの名前を呼ぶ!


ララ

「み………だ」


わずかにララの声が聞こえてきたが、全く彼女姿が見当たらない……。


ミランダ

「どこにいるの!?ララ!!」


「!?」


ミランダの右手がノーズの腹の中へ引きずり込まれる…!

そして無数の手が彼女を掴み、右手から体ごと腹の中へ引きずり込もうとする。


ノーズ

「バカめ…!お前もこのまま捕縛してやる!!」


ミランダ

「く……うう!!」


ミランダの体がノーズに取り込まれようとしたその時、小さい魔法障壁がノーズの顔にヒットする!


ノーズ

「うお!?」


ノーズは体のバランスを崩し、ミランダを掴んでいた手が緩くなる…!

そして、ミランダの体を誰かの手が掴み、外へと引きずり込む!

ミランダはノーズの腹から脱出し、地面へと転がる。


ダマ

「何故貴様らがここに!?」


ダマたちの前にカリアとトランヴェルの姿があった。

カリアがミランダを引き出し、彼女を助けたのだ。


カリア

「見つけたぞ!ララを返せ!!」


カリアは魔法障壁を強く大きく広げていく!


ノーズ

「待て!これでも貴様は攻撃ができるか!?」


カリア

「!?」


カリアは魔法障壁の拡大を止める…!

そして彼女の目にはノーズの腹からカリアの上半身が映っていた。


カリア

「ララ!!」


呼び掛けても返答はなく、どうやら彼女は気を失っているようだ……。


ノーズ

「力が湧いてくる…!」


ララから魔法粒子を直接吸収し、ノーズは魔力を高めていく…!

そしてカリアから受けた傷がみるみる塞がっていく!


ノーズ

「こんなに力が溢れるとは…!これなら吸収しながらでも戦うことはできる!!」


ノーズは体から腕を生やす……その量はいつもの倍以上だ!

カリアは魔法障壁を展開し、近づいてくるノーズの腕を防ごうとしたが、簡単に破られてしまった!


カリアはノーズの腕に捕まり、ノーズのもとへ引きずられる!!


ノーズ

「ハハハッ!こいつの魔力も奪えれば私はもっと強くなれる!!」


カリアは抵抗をするもののどんどんノーズのもとへ引っ張られる……。


トランヴェル

(やばい…!カリア!!)


カリアはノーズのお腹へ引きずり込まれてしまった。

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