逃亡
トランヴェルは必死に飛び立つ!
そしてノーズから繰り出される無数の腕が伸びに伸び、トランヴェルを追いかける!
トランヴェルは羽ばたいて部屋の出口へ向かうものの、
ノーズの腕のほうが速く、あっという間に追い付かれてしまった。
トランヴェル
(捕まる訳には…行かない!)
トランヴェルは腕と腕の間を上手く通り抜ける!
トランヴェル
(我ながら神回避!)
しかしまだまだ多くの腕がトランヴェルを襲う…!
トランヴェルは部屋の出口までたどり着き、部屋から出ようとしたが…いきなり扉が閉まり始める!
トランヴェル
(閉じ込めるつもりか!?)
トランヴェルは一か八か羽を閉じて上から急降下する!
トランヴェル
(間に合え!)
ガシャンッ!
トランヴェル
(アッブネ…)
何とか扉がしまる前に滑り込みで間に合った…。
しかし、安堵していたのもつかの間…次の部屋の出口はすでに塞がれていた…。
トランヴェル
(ナンテコッタ…)
扉はガッチリ閉められており、トランヴェルの力では開けることはできない…。
そして入ってきた入り口の扉が開き始めた。
トランヴェル
(どうする…どうしたらいい?)
四方八方見渡すが、出れるような場所が見つからない…。
トランヴェル
(くそ……どうしたら………あ…)
トランヴェルは一ヶ所隠れる場所を見つけた……。
それはこの部屋の大部分を閉めている大きな機械の隙間だ…!
蜘蛛のような形をした機械の腹部に一ヶ所ちょうど入れそうな穴があったのだ。
トランヴェルは一か八かその穴へ入ることにした。
一度穴へ入ってみると、意外なことに中へと続く道があった。
トランヴェルはその狭い道を無理やり体をねじ伏せて進んでいく。
トランヴェル
(意外と距離あるぞ……この道はもしかしてこの機械の内部に入ることができるかも)
進むにつれ、だんだん道が狭くなっていき、鉄格子で行き止まりであった。
トランヴェル
(行き止まりか……)
(ここが見つかるのも時間の問題だな……)
トランヴェルが鉄格子の先を覗いてみると、そこには飛行機の操縦室のような部屋が見えた。
トランヴェル
(もしかしてここの部屋でこの機械を操作するのか?)
トランヴェルが鉄格子に顔をめり込ませて覗いていると、あることに気づく。
トランヴェル
(この鉄格子…錆びてるな…何とか壊せないか…)
トランヴェルはくちばしで鉄格子をつついたり、挟んで動かしたりして外そうとする。
ガゴン…ガララ…
鉄格子が外れた…!
トランヴェルは部屋の中に入り、操縦席に飛び込む。
トランヴェル
(これ…どうやって操作するんだ…?)
操縦席には3本レバーがあり、スイッチが10個ぐらいあった。
トランヴェルは適当にボタンを押していく…。
ガガガ…フィンフィンフィン!!
トランヴェル
(起動した…!)
適当にボタンを押していたら機械が作動し、操作しているわけでもないのに自動的に動き出した。
そして足を動かし前方へ進んでいく!
トランヴェル
(自動操縦なのかこれ…よしそのまま真直ぐ進んでくれ!)
大きな機械は前進し、この部屋の出口の扉を足で壊して先へと向かう!
そして後方からはノーズたちが追いかけてくる…!
ダマ
「何故探索機が作動している!?まさかあのフクロウが操作しているのか!?」
「ノーズ!探索機を止めろ!」
ノーズからまた無数の腕が伸びて探索機を追いかける!
多くの腕が探索機に突き刺さり、前進が阻まれる…。
ガガガガッッ!!!
トランヴェル
(ぐあ!!)
突然機械は停止し、トランヴェルは止まった反動から操作室の壁にぶち当たってしまった。
トランヴェル
(くそ…やられたか…早くここから出ないと)
ガガガガ!!!
無数の腕が機械の装甲を突き破って、操作室まで入ってくる!
トランヴェルはノーズの腕が空けた穴から脱出し、外へと向かう!
ノーズ
「出てきたなフクロウ」
ノーズの腕がトランヴェルに向かっていく!
トランヴェルは腕から避けて避けまくり、真直ぐ飛び進む!
トランヴェル
(あの階段は…!)
トランヴェルはこの地下の入り口付近の階段を見つける!
間一髪でノーズの腕を避けながら、階段の上を飛び越えていく!
トランヴェル
(よし……地下から出れたぞ!)
(マベルはどこだ…どこにいる?)
(この状況を打破できるのはマベルだけなんだ…マベルにあのバケモノを倒してもらうしかない…!)
(いつも嫌というほど一緒にいるのに…何で肝心な時にいないんだよあいつは!)
トランヴェルは地下周辺も探し回ったがマベルが見つからない…。
これ以上地下の近くにいては敵に追いつかれてしまうと考え、教会へ羽ばたいていく。
トランヴェル
(頼む…マベル教会にいてくれ!)
トランヴェルは教会の中へ入りマベルを探すが、そこにはさっき教壇の前に立っていた女性しかおらず、やはり見当たらない…。
ルイ
「……フクロウだ」
教壇の前に立っていた女性ルイはトランヴェルを見つめる…。
トランヴェル
(まずいな…敵に姿を見られた……ここにマベルはいないのか?)
トランヴェルは教会の周りを飛び回り、あちこち目をやる。
トランヴェル
(やはりいないか…地下にまだいるのか…?)
トランヴェルはもう一度地下の方へ飛び立つ……。
トランヴェル
(恐らくミランダはまだ殺されていないはずだ……あのスーツを着た男が捕らえろって言ってたし、多分無事だろう。しかし早く助けに行かないと取り返しのつかないことになる…)
(…くそ……マベル一体どこに……ん?)
教会の外には多くの信者たちが整列していた…。
そしてその中に目を疑う存在が二人いたのだ。
トランヴェル
(あれは…ララとカリア…?)
信者たちの中にどういう経緯かララとカリアがいたのだ。
トランヴェル
(どうして二人がここに……いや…もうマベルが見つからないのなら…)
トランヴェルはララとカリアのもとへ飛び込んでいく!




