自然の摂理 耐えぬ物語
不死山の麓で、ノーズは人工魔法陣を設置していた。
そして魔法陣を作動させる!
バチイイイイイイ!!
魔法陣から青白い火花が散り、そして大きな光を生み出す!
光の中から一人の男性が姿を現す……!
男は目を開け、そして周りを見渡す。
そして自分の両手を動かし、それを目で確認する。
ノーズ
「ダマ様」
ダマ
「……よくやってくれたノーズ」
「再びこの世界に戻ってこれるとは思ってもいなかったぞ」
ノーズ
「魔女たちの戦いで得たヒントを元にこの装置を作り上げることができました」
「まだまだ魔女たちの魔法は様々な可能性を秘めています」
ダマ
「そのようだな……」
「ところでノーズ。貴様の隣にいる奴は誰だ?」
ノーズ
「……こいつは先の戦いで破れた者です」
「名はフーバーと言います」
フーバー
「……」
ダマ
「なるほど……貴様が外の世界の者か」
「面白い。よく捕らえたなノーズ」
ノーズ
「捕らえたのではありません」
「彼は我々の仲間です」
「彼のお陰でこの装置を作ることができたのです」
フーバー
「俺の目的はこの世界で同士を集めることだ」
「お前らにはスペライドエネルギーの知識を提供しよう」
「その代わりにお前らは組織を作れ」
ダマ
「ほう……」
ノーズ
「なかなか骨のある奴です」
ダマ
「この世界を破壊しようとしたことだけはあるな」
「いいだろう!」
「貴様と契約を交わそうではないか!!」
「貴様は外の世界への復讐」
「そして我々はこの世界の征服」
「共に歩もうではないか……この茨の道を!」
フーバー
「ふん…足を引っ張るなよ旧人類もどきが」
ノーズ
(やっとこれで我々の活動が再開できる)
(この男は利用するだけ利用して捨てればいい)
(戦争根絶の世界……新たなフロンティア創出のために役立ってもらうぞ)
ノーズたちは不死山を登っていく。頂上を目指して彼らは歩いていった。
マベル
「ククク…あははは!!」
「これだから人間は面白い!」
マベルは水晶越しにノーズたちのやり取りをみて爆笑していた。
マベル
「まだまだこの世界は面白いことがたくさんありそうね」
「それはそうよね!この世界は勧善懲悪ではない自然摂理に伴う世界だものね」
「魔女世界もまだまだ何か争いが起きそうだし…あー…もう少しここで世界を楽しみましょうかね」
「まだまだ飽きないね人間も魔女も…新人類も!」
「もっと私に見せて……あなたたちの物語を」
「もっと楽しませてこの私を…!」
フィイイイイイイイイン!
マベルは箒を出現させ、それに跨いで浮遊する。
マベル
「こうしてはいられないわ」
「さあ、おいでトランヴェル!出かけるわよ!」
フクロウは羽ばたき、マベルの胸元に止まろうとする。
マベル
「本当に止まるのが下手ね。わざとやってるとしか思えないわ」
フクロウは飛び直し、マベルの肩にとまる。
マベル
「そうそう。それでいいのよトランヴェル」
「さあ……この世界の行く末を見届けに行きましょうか」
彼女はトランヴェルを連れて、家を出ていく。
外は真ん丸の大きな月が浮かび上がっていた。
マベルは月へ目掛けて上昇していく……。
次回で最終話です。




