ミランダとアイナ
ここはミランダの実家。
トランヴェルと別れてから、ミランダはルナ街へ戻っていた。
彼女は、母コーネリアスとアイナと3人で暮らしている。
アイナはどこにも行く宛が無かったため、ミランダの家に居候している。
ミランダとアイナは、共に内職しており、
魔法で小物を作って、それを販売して生活している。
たまにアース研究所から魔法の協力依頼が来ることがあり、
研究所の方へ赴いて、定期的に魔法実験に協力している。
今日の二人は、家で内職を行っている。
コーネリアス
「二人共ご飯よー!」
ミランダ
「アイナ!ご飯だよ!行こう!」
アイナ
「うん!切のいいところで止める!」
ミランダとアイナは内職を中断し、下の階へ降りる。
コーネリアスが作ったシチューを3人で美味しく頂く。
ミランダ
「お母さん。急遽明日アイナと二人でアポロ研究所に行くことになったの」
「だから明日はアイナと出かけるからね」
コーネリアス
「また実験の協力?ここのところ行く頻度が多くなってない?」
「少しは休ませてくれてもいいのにね」
アイナ
「アイナは休まなくても平気だよ!」
ミランダ
「私も大丈夫だよ。ちょっと疲れるけど」
コーネリアス
「あんまり無茶しちゃダメよ」
「キツかったらちゃんと研究所の人に言うのよ」
ミランダ
「うん。わかってる」
アイナ
「明日クエリとイトに会えるかな?」
ミランダ
「会えるんじゃないかな?最近平和だから、きっと騎士団も暇でしょ」
アイナ
「やった!」
3人は食事を終えて食器を片付ける。
コーネリアス
「明日出かけるなら、今日は早く仕事を切り上げるんだよ」
ミランダ
「はーい」
ミランダたちは食器を片付け、2階へ戻ろうとした。
その時、ミランダの耳元に小さな魔法陣が開き、着信音が聞こえてきた。
ミランダ
「イトさんからだ」
ミランダは魔法陣に魔力を注入し、着信に応える。
ミランダ
「どうしたのイトさん」
イト
「ミランダ。今ちょっと話いいか?」
ミランダ
「いいですよ~」
イト
「アイナはそこにいるか?」
ミランダ
「いるよ」
イト
「アイナに着信をまわしいてくれないか」
ミランダ
「わかったよ」
「アイナーちょっとこっちに来て」
アイナ
「なーにー?」
アイナはてくてくとミランダの側による。
ミランダ
「イトさんがアイナと会話したいんだって」
「今、着信を共有するから」
ミランダはアイナの耳元に小さな魔法陣を生成し、
アイナとイトが会話できるようにした。
アイナ
「イト?」
イト
「おおアイナか。元気か?」
アイナ
「うん!!」
イト
「それは良かった」
「今日、アイナに伝えなくてはならないことがあるんだ」
アイナ
「伝えたいこと?」
イト
「ああ。アイナ朗報だ」
「今日、アイナのご両親が見つかった」
ミランダ
「!」
アイナ
「パパとママが……!」
イト
「そうだ。今現在、二人共ツクヨミ国営病院に入院している」
「何日か前から入院していたようだが、なんと明日、二人共退院するそうだ」
アイナ
「本当にパパとママが……!?」
イト
「ああ。本当だ」
「二人共運良く魔氷から生き残っていた」
「二人にもアイナが生きていることを伝えてある」
「明日は研究所に向かわず、病院の方へ行くといい」
「ミランダ。アイナを病院まで連れて行ってあげてくれ」
ミランダ
「わかりました!」
しばらくイトと会話した後、通信を終了した。
ミランダ
「よかったねアイナ!!」
「パパとママに会えるよ!!」
アイナ
「うん……」
「アイナは涙くんでいたのか、表情が強ばっていた」
ミランダ
「アイナ?」
アイナは下をうつむき、ミランダにギュッと抱きつく。
ミランダ
「……どうしたの?」
アイナ
「わかんない……涙が止まらなくて…」
アイナはポロポロ涙を流す。
ミランダは優しくアイナを抱きしめる。
そしてそっと背中をポンポン叩く。
ミランダ
「今日は早く寝て、明日パパとママに会いに行こう」
アイナ
「うん……!」




