新たな魔女世界
ユニオンが消滅し、再び魔女世界は蘇りを果たした。
全ての魔女がユニオンの管理下から外れ、意思を取り戻したのだ。
ユニオンが無き今、再び始まった魔女世界は自由と無鉄序が広がっていた。
元々ユニオンによって統制されていた魔女世界。
絶対的な統制者がいなくなることで、
下級魔女たちは下級の称号を捨て、自分たちの世界を作り上げていった。
魔女会の文化はそのまま維持しているようで、魔女たちは力を合わせ魔法の実験や研究を行っている。
ユニオンの魔女会に所属していた魔女たちは、
ユニオンの代わりに新たな統治者を立てると目論んでいた。
ファニージル
「魔女たちがあまりにも個別化しているわ」
「統率者無き世界では魔女たちの未来が危ういわ」
「今こそ我々がユニオンの意思を継いで立ち上がるのよ!!」
ファニージル、ティマーレ、アルヴェは、
魔女世界の統一を目標に魔女会を一新にして立ち上げた。
そしてそれに対抗するようにソフィアは自由を掲げて、
同士を集い、ファニージルたち絶対王政派との戦いに備えていた。
ソフィアは大ババを倒した英雄として崇められていた。
元下級魔女たちが力を合わせて、魔女会アッシュは拡大していた。
ソフィア
「さあ……大ババの亡霊共……」
「私があなたたちを拘束して、私がこの世界を束ねてやるわ」
「フフフ……」
一方、ガーランドはカローナやナナ、エリカ、ダリアと共に新たな魔女会を立ち上げた。
そこには元下級魔女だけでなく、元上級魔女も同席していた。
世界初の上級と下級の壁を超えた魔女会を立ち上げたのだ。
カローナ
「あれから半年か……」
ガーランド
「早いもんね。この世界が復活してから半年も経つなんて」
エリカ
「たったの半年でしょ?」
「なんでそんなに早く時が過ぎちゃったーみたいな感じになってるの?」
カローナ
「なんでだろう……やっぱ人間世界に長く居座っていたからじゃないかな?」
「人間の時間間隔になれてしまったのよ」
ナナ
「ふーん」
「人間って本当に私達と違う生き物なのね」
ガーランド
「私もはじめはそう思っていたけど、最近は魔女も人間もそう変わらないように思えてきたよ」
「元々は魔女も人間だったんだし。そんなに大きな違いはないんだよね」
「恐らく今後人間は魔女に近い存在になるだろうしね」
ナナ
「人間が私たちの存在に近くなる?」
ガーランド
「恐らくはね。人間も何かと力をつけているのよ」
カローナ
「もし人間が魔女の力を手に入れたら、私に復讐しに来るかな?」
ガーランド
「来るんじゃない?」
「あんたたちアッシュは人間をたくさん殺したからね」
「私たちが大ババを憎んだように、きっと人間たちもあんたに復讐したいと考えているわよ」
カローナ
「だよね……」
「ほとぼりが冷めるまで、人間世界に行くのはやめよう」
ナナ
「人間と言えばさ、マベルは元気なんだろうか」
ガーランド
「あいつなら元気にやっているでしょ」
「きっと今でも楽しくやってるさ」
エリカ
「今頃、飽きずに人間を観察してるんだろうな」
ガーランド
「マベルよりもソフィアたちがどうしてるのか気になるところだけどね」
カローナ
「どうでもいいよソフィアは」
ダリア
「あいつ……また下級魔女たちを騙して魔女会を作っているわ。打倒絶対王政とか言って、魔女を集めているみたい」
「あいつの今までの悪行を晒して痛い目に合わせてやりたいわね」
ガーランド
「ふふっ」
「あんたたちはあんたたちでソフィアに恨み持ってるからね」
「面白いもんね」
カローナ
「どうせあいつはまたろくでもないことをしでかすに決まっている」
ガーランド
「ハハッ」
「どうだろうね」
「ついにソフィアが望む大ババがいない世界になったけど、あいつはこれからどうするのかな?」
「どう動くか楽しみね」
ダリア
「私達はあんな泥の掛け合いに参加する必要はないわ」
「もっと世の中に役立つ魔法を研究しましょう」
カローナ
「それもそうね」
「もう恨まれるのも恨むのも勘弁だわ」
フィイイイイイイイイン!!
ガーランドたちの前にルイが姿を現す!
ルイ
「よお!元気?」
ガーランド
「ルイ!久しいな」
カローナ
「どうしたの?」
ルイ
「ちょっとお願いがあってな」
ガーランド
「なあに?」
「何か面白い話でも持ってきてくれたの?」
ルイ
「ちと力を貸して欲しいんだ」
「ドラフの研究に手を貸してくれ」
ガーランド
「お?また新たに人間たちと共同プロジェクトの案件か?」
ルイ
「また?私達以外にもお前らに共同願いを出している奴がいるのか?」
ガーランド
「私達は今、イヴと協力して魔法研究を行ってるよ」
ルイ
「はああああ!?」
「またアイツかよ……」
「ガーランド!あんな奴と手を組まないで、私達と手を組めよ!」
ガーランド
「なんだお前ら仲違いしているのか」
「私はお前ともイヴとも手を組むさ。どちらに絞るということはしない」
ルイ
「イヴたちには負けない魔法を作りたいんだ」
「ドラフと私とお前たちで人間の魔法の研究をやりたい」
ガーランド
「面白そうだな。どうだカローナ?」
カローナ
「いいんじゃない」
「人間と一緒に魔法開発するのも悪くないかもね」
ルイ
「よし…じゃあ決まりだ!」
ナナ
「人間と一緒に魔法開発だなんて魔女世界初の試みじゃない?」
ガーランド
「そうだな。これから忙しくなるぞ!」
ガーランドたち魔女会は人間世界にも関与し、ルイやドラフ、イヴたちと共に
新たな魔法の開発に勤しんでいく。




