新たな鼓動
トランヴェルがデザイアのもとへ行きついてから約半年が経った。
ラクティスによって取り押さえられていたユニ研究所は、
月政府と地球政府の連合軍によって解放されていた。
ラクティスのメンバーは牢屋行きとなり、ラクティスは解体させれることになった。
しかし、ただ一人、ゴッティルの精神のみ発見ができなかった。
ここ数日、ユニ研究所に大勢の人が集まっていた。
彼らはラクティスによって半壊した生命プログラムの修復作業にあたっていた。
デザイアは、トランヴェルのわずか10名のサンプルデータから、人類の進化の可能性を導き出しており、
新人類化プロジェクトを人類が取り組むべきものと判断した。
よって、地球政府だけではなく、月政府、並びに火星政府もこのプロジェクトに力を貸すことになり、
全人類の課題として取り組むことになった。
今後は生命プログラムを修復し、プロジェクトを再稼働させる予定だ。
そして地球人類の新人類化を行うために、今度はより大勢のサンプルを入手し、
有効性があるかどうか判断することになっている。
惑星瑠璃とはまた違う惑星を創出し、より多くの人間を生み出し、そして新人類化を行う予定だ。
以後、今度のプロジェクトはさらに巨大な惑星にて取り行うため、惑星瑠璃には着手しないことになった。
生命プログラムによって生み出された宇宙、星、生命は実験以外の目的で触れることが禁止されている。
また、自らの手で破壊、殺生をすることを禁止されているため、惑星瑠璃は自然消滅するまで保管されることになった。
カミヤ
「ユニ……マスズ……」
「やったぞ。お前らのプロジェクトが今まさに人類の希望になりつつある」
「まだ乗り越えるべき壁はあるが、俺がお前らの意思を継いで必ず成功させる」
「新人類化の促進で大勢の地球人類を救えるはずだ。そのために、今度の実験も気合を入れなければならないな…」
生命プログラムの再起動を確認!
フィイイイイイイイイン……
生命プログラムが動き出す……!
カミヤ
「さあ……新たな未来の始まりだ」
人は神になれたとしても、運命を操ることはできない。
なぜなら誰も彼もが心の中に神を宿らせているからだ。
生命プログラムが再稼働する。
新人類化プロジェクトが今、再開された……。




