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ユニとユニオン

トランヴェルはユニオンの記憶の深海へと泳いでいく!

ユニの記憶がトランヴェルに流れ込んでいく……。


辺りは青白く輝く瑠璃色の世界。

そこにはユニオンの姿があった。

そしてどこからか声が聞こえてくる。


「やあ、私はユニ。君を作った張本人さ」


ユニオン

「ユニ……私を作った人」


ユニ

「そうだ。私が君を作った」

「君の名前はユニオン」

「君の使命はこの世界を管理することだ」

「多くの魔女たちを管理し、この実験の環境を整えてほしい」


ユニオン

「管理……?」


ユニ

「そうだ。君は魔女たちの長となる者」

「ちなみにここが君の管理する世界だ」

「君は観測者たちが来るまでの間、彼女たちを管理してほしい」


目の前にはファニージル、ティマーレなどの上級魔女たちがいた。


「私がこの方々を?」


「そう。君が彼らの世話をするんだ」


記憶が移り変わる……。

魔女たちは争いや自害により当初より数が減っていた。

ユニオンは死んでしまった魔女たちを地下に蘇らせ保管する。


「全ては現実世界の新人類の人数と合わせるため」


ユニオンの管理する世界は実験するためのもの。

人数を合わせてできるだけ現実と同等の条件にする必要があった。

ユニオンはユニから死んだ魔女を新たな魔女として復活させる力を与えられていた。

彼女は死んだ魔女を蘇らせ、独裁政権を行い、魔女たちを管理下に置いていた。


やがて魔女たちは反乱するものが増えてきた。

ユニオンの独裁に耐えかねて反抗し始めたのだ。

ユニオンは反乱者を抑えて、できる限り魔女の数を減らさないように管理していった。


「全ては世界を均等に管理するため」

「全ては観測者を迎え入れるため」


ユニオンの苦悩が次々とトランヴェルに流れ込む。


トランヴェル

「……そうか。ユニオンはたった一人でこの世界を管理してきたのか」


ザパーン……


トランヴェルは深海から海面へとたどり着き、海から顔を出す。

真ん丸の黄色い月が目の前にあった。


トランヴェルは飛行し、月へと向かう。


トランヴェル

「ユニオン…お前はそこにいるのか?」


トランヴェルは月の中へ入り込み、ユニオンの名を叫ぶ!


トランヴェル

「ユニオン!!」


トランヴェル

「ユニオンどこだ!?」

「もしかしてここにはいないのか?」


しかし、返答はない。

そして周りは暗く、何も見えない。


「トランヴェル……」


微かにユニオンの声が聞こえた。


トランヴェル

「どこだユニオン!?どこにいる!?」


ユニオン

「私は……ここです」


トランヴェルの目の前に一人の老婆が佇んでいた…。

その老婆こそユニオンだった。ユニオンは手足が鎖で拘束されていた。


トランヴェル

「お前……ユニオンか!?」


ユニオン

「トランヴェル……私は自分の体のコントロールが効きません」

「見ての通り……敵に拘束されています」


ユニオン

「待ってろ!今助ける!!」


トランヴェルは鎖を外そうと嘴で突付く!


ユニオン

「この鎖は物理的には外すことはできません」

「敵を倒さない限り外せないのです」


トランヴェル

「やってみなきゃわからないだろ!」


トランヴェルは懸命に鎖を取り外そうとするが、全く取れそうにない。


トランヴェル

「くそっ……くそっ!!」


ユニオン

「トランヴェル!後ろ!」


トランヴェル

「!!」


トランヴェルが振り向いた瞬間、

ゴッティルがトランヴェルの羽を掴む!


ゴッティル

「捕まえたぞトランヴェル!」


トランヴェル

「くっ!?お前テロリストか!?」


トランヴェルはゴッティルを足の爪で攻撃し、ゴッティルから逃れようとする!


ゴッティル

「暴れるな!!」


トランヴェル

「離れろ!!」


バキィッ!!


トランヴェルは小さな足でゴッティルを蹴飛ばす!

ゴッティルは怯み、トランヴェルを手放す!


トランヴェル

「なぜ貴様はこんなことをする!?」

「早くユニオンを開放しろ!!」


ゴッティル

「何故?愚問だな!!」

「貴様を殺して新人類化プロジェクトを止めるためだ!!」


トランヴェル

「そんなに地球人類を滅亡させたいのか!?」


ゴッティル

「ああ、滅したいさ!お前らのような劣悪な人類は滅ぼさなければならない!!」


トランヴェル

「何を馬鹿なことを!?」


ゴッティル

「貴様らは長年我々月人を虐げてきた!」

「俺はお前らを許さない!!」

「地球と共に滅びるがいい!!」


フィイイイイイイイイン!!


トランヴェル

「!?」


トランヴェルの脳裏にとある記憶が流れ込んでくる!


トランヴェル

「なんだ……まさかこいつの記憶か!?」


ゴッティル

「何だこれは!?何を見せられているんだ!?」


そしてゴッティルにはトランヴェルの今までの記憶が流れ込んでいた!


フィイイイイイイイイン!!


トランヴェルとゴッティルは互いに今までの記憶を見せあっていた。

トランヴェルの脳裏には、ゴッティルの悲惨な過去が映し出されていた……。


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