ユニの世界3
ユニたちがプロジェクトを進めている一方で、
ラクティスは人工惑星に爆弾を仕掛け、テロ行為を行っていた。
ゴッティル
「こちらゴッティル。爆弾設置を完了した」
「今から基地へ戻る」
ゴッティルを含めた16名のテロリスト達が人工惑星に爆弾を仕掛けた。
ドオオオオ!!
人工惑星の一部に爆発が起こる!
そして、人工惑星に穴が開く!
「何だ!?」
「うわああああ!?」
穴から空気が漏れ、人工惑星から何名か住人が宇宙へ放り出された。
ゴッティル
「よし引き上げるぞ!」
ゴッティルたちは転移ポイントまで急ぐ。
ドドドドッ!
「旧人類の奴らが来たぞ!」
地球軍がゴッティルたちを発砲しながら、追いかけてくる!
ゴッティルは炎を生み出し、軍隊へ攻撃を仕掛ける!
何とか応戦していくものの、次々と仲間たちがやられていく!
ゴッティル
「数が多すぎる!?畜生が!!」
ゴッティルは敵の攻撃を受けながら、何とか目標ポイントまでたどり着く!
そして転送装置を作動させ、その場から脱出する。
ゴッティルはラクティスの基地へ生還する。
生きて帰ってこれたのは、ゴッティルを含めてわずか3名だ。
急いで医務室へ向かい、治療を行った。
ゴッティルが治療を終えて医務室から出る。
すると、サベージが出迎えてくれた。
サベージ
「ご苦労様」
「今回の作戦で人工惑星に被害をもたらすことができた」
「これでさらに地球外移住計画を遅延させることができただろう」
ゴッティル
「そうかい。それは良かった。で?次の作戦はいつだ?」
サベージ
「熱心だな。少しは休んだらどうだ?」
ゴッティル
「休んでなんていられない」
「アイツらを少しでも多く殲滅しないといけないからな」
サベージ
「そうかい。無理はするなよ」
「次の作戦は明日だ。今日はゆっくり安め。それから明日の任務は別の作戦に参加してもらおうと思っている」
ゴッティル
「別の作戦?」
サベージ
「そう…最近地球の奴らは新たな作戦を思いついたそうなんだ」
「なんと、地球人類を我々新人類に進化させる実験を行っているとのことだ」
ゴッティル
「進化だと…?」
「そんなことが地球の奴らにできるとは思えない」
サベージ
「確かに地球の技術では難しいだろう」
「だが、今回この実験を行っているのはユニ製作所だ」
ゴッティル
「ユニ!?ユニだと!?」
「あの生命プログラムを開発したユニのことか?」
サベージ
「そう。彼が今回正式に地球人類に手を貸すことになっている」
ゴッティル
「バカな……なぜよりにもよって生命プログラムの開発者が地球人に手を貸す?」
サベージ
「噂では、ユニは元々地球人らしい」
ゴッティル
「地球人?そんなわけないだろう」
「確か奴は月の出身のはず」
サベージ
「どうだろうな。あのユニって奴は実は人間じゃないのではないかって言われているんだ」
「300年以上生きていると言われている」
ゴッティル
「馬鹿馬鹿しい…いくら我々月人でも300年は無理だろう」
サベージ
「彼の論文を読めばわかる。やたら地球文明に詳しいんだ」
「まるで昔から地球に住んでいるかのよう」
「もしかしたら本当に彼は地球人から新人類化した人物かもしれない」
ゴッティル
「ふん……そんな話があるわけないだろう」
サベージ
「でも本当だとしたらどうする?」
「今回彼らがやろうとしている計画は地球人類を我々のような新人類に進化させることだ」
「ユニが地球人から新人類化したというなら、その新人類化する技術で本当に実現させるかもしれない」
ゴッティル
「……しかし確証は無いんだろう?」
「その情報はどこから入手した?」
サベージ
「どれも地球政府の官僚からだ」
「彼らも生き残りたいからな。我々に何でも教えてくれる」
ゴッティル
「腐ってやがる…自分が助かるために情報提供してくるとはな……生かす価値の無い奴らだ」
サベージ
「確かに卑しく、醜い者たちだが、しかし、そんな奴らのお陰で、我々は地球人類にテロを起こせている」
ゴッティル
「これはテロじゃない。聖戦だ」
「俺たちは仲間と家族を地球人類に殺された。奴らは悪魔だ」
「必ず滅ぼさなければならない」
サベージ
「それはわかってるよゴッティル」
「情報提供してくれる彼らは利用して最後捨てればいい。それだけのこと」
「ただ、彼らの言う情報はほとんど正しいんだ」
「だから今回の情報も間違いなく実験が進んでいるに違いない」
ゴッティル
「つまり俺にその実験を阻止しろというわけか?」
サベージ
「そうだ。これは緊急性を伴う任務だ」
「デザイアの承認のもと、進めている実験らしいからな」
ゴッティル
「デザイアが!?……それでは本当に地球人類を新人類化させる可能性があるのか!?」
サベージ
「あるだろうね。デザイアは可能性のあるものにしか承認をしない。デザイアが承認したということは、実現性があるってことだ」
ゴッティル
「……そんな馬鹿な」
サベージ
「地球政府が今もっとも力を入れているプロジェクトだ。きっと警備も人工惑星の比ではないかもしれない」
「明日までに準備する。それまで待機だ。いいな?」
ゴッティル
「……わかった」
サベージは部屋から出ていく。
ゴッティル
「……生命プログラム開発者のユニ」
「新人類でありながら地球人類に手を貸す愚か者…」
「本当に元々地球人なのか?」
「どちらにせよ。必ず阻止する」
「俺は地球人類を必ず滅ぼす……!」




