緊急会議3
ネクがデザイアの回答文章が読み上げる。それを聞いたこの場にいる全員が騒然とした……。
ネク
「月人、火星人の約4割が月、火星共に地球人の受け入れを拒否しております」
ユニ
「4割……相当な数だな」
ネク
「地球人にはスペライドエネルギーが無い故、資源を消費し、枯渇させる危険性があるとデザイアが算出しました」
「よって地球人類が火星、月への移住を中断するように指示が出されました」
ギルバート
「聞いてのとおりだ諸君。先程デザイアから移住計画を中断するよう指示が降りた!」
「デザイアから承認を得られなければ、移住計画は中止になるだろう」
トップたちは更に深刻な顔つきになり、頭を抱えた。
「移住計画が中止となれば、一体どうしたら良いのだ!?」
「デザイアが人類を見捨てるとは思えん…誰かの陰謀では無いのか!?」
「地球人類に滅びろと言っているのか!?」
トップたちが喚き散らす。
ネク
「落ち着いてください皆さん!」
「まだ中止と決まったわけではありません」
「これから我々はデザイアからの課題をクリアさせ、何としてでも移住計画を遂行させます」
「デザイアの結論は残酷ですが、正しい判断です」
「地球人類が移住するには数が多すぎる。そしてこのままでは移住できたとしても大半の地球人が死に追いやられるでしょう」
「デザイアの結論は我々の計画の出来の悪さの裏腹」
「そしてこのまま地球人類が移住することで人類全体にもたらす悪影響から判断したものです」
マーカス
「馬鹿なことを言うな……」
「もう時間は無いんだぞ……いつ地球が壊れ、地球人類が死滅するかわからんのだぞ」
「悪影響も何も言ってられない!」
トップC
「火星、月の資源を使用しないためにはもはや人工惑星計画に力を注ぐしかあるまい」
マーカス
「そんな時間があるはずも無い。人工惑星はまだ2基目なんだぞ!?」
トップD
「どちらにしろ時間は無い……すべての人類を救うには無理がある」
「できるだけ多くの地球人を救うしか方法は無い……」
ユニ
「そろそろ我々の出番だな」
カミヤ
「おいユニ…まさかここで発表するつもりか!?デザイアからまだ返答が来てないぞ!」
ユニ
「今しかタイミングが無いだろう。議論が行き詰まっている今がチャンス」
「それにデザイアからの返答もいつ返って来るかわからない。もしかしたら、今日は返ってこないかもしれない」
「そんなの待ってられないだろ?」
カミヤ
「しかし……」
マスズ
「ユニを信じましょう」
カミヤ
「……」
ユニ
「大丈夫だ。任せてよカミヤ」
「僕らのプロジェクトを必ず通して見せる」
カミヤ
「……わかった。ユニ頼んだぞ」
周りが阿鼻叫喚になり、絶望の淵へ落とされている中、
ユニが立ち上がり、この会議の出席者に向けて大声を上げる……!
ユニ
「我々ユニ研究所から一つ新たな提案があります!」
周りは静まり、ユニに注目する。
ギルバート
「……ユニ?生命プログラムのユニ研究所か。何か良い案があるのか?」
ユニ
「はい。この案を実現させれば全地球人類を救うことができます」
ギルバート
「なんだと?」
ユニはこの会議に出席しているメンバー全員に資料を提示する。
そこにはプロジェクト名が一言書かれていた。
<新人類化プロジェクト>
周りがどよめく……。




