崩壊の始まり 後編
一方ユニオンもといゴッティルは、上空で魔女世界が消滅していくのを眺めていた。
魔女世界に住む魔女たちが青白い光に触れて粒子化していく……。
ゴッティル
「……トランヴェルたちはどこにいった?」
ユニオンの魔法はやがて、魔女世界全てを飲み込む。
そして、ユニオンはさらに上空へ浮遊し、世界全体を見渡す。
ゴッティル
「……どうやら逃げられたらしい」
「だが、どこへ逃げようとも逃げ切ることはできない」
「このマザーコントロールの力さえあれば、必ず仕留めることができる」
フィイイイイイイイイン……
ゴッティルは魔力を込めて、消滅した魔女たちを復活させる。
ゴッティル
「こいつらを使ってトランヴェルを追い込むとしよう」
「奴らが消滅していないことを考えると……人間世界か」
「トランヴェル。貴様がどこに逃げようともはや手遅れ」
「必ず次こそ葬り去る」
ゴッティルは転送魔法を生成し、大勢の魔女たちを引き連れて、人間世界へと転移し始めた!
ゴオオオオオオ……
トランヴェルたちは転異空間に移動し、他の場所へと誘われる。
転移した先は不死山の頂上だった。
ララ
「ここは……」
マベル
「あんたたちが帰りたい帰りたいって言うから人間世界に来たわよ」
ルイ
「戻ってこれたのか……」
アイナ
「帰ってきた帰ってきた!」
イヴ
「あまりうかうかしてられないわ…きっとユニオンはここまで追ってくるわよ」
イト
「そうだな。まずはドラフさんを病院へ連れて行こう」
トランヴェル
(なんとか難を逃れたか……)
フィイイイイイイイイン!!
突然、トランヴェルが黄金に輝き出す!
ミランダ
「トランヴェル!?」
トランヴェル
(なんだ…体が!?)
ギュイイイイイイイイン!!!
トランヴェル
(あがががが!?頭が…頭が割れる!?)
(この兆候はまさか……!?)
ベルチカ
「トランヴェル!」
トランヴェル
「やっぱりお前かベルチカ!?」
ベルチカ
「君はついに10人目の魔女を手に入れた」
「やっと君の旅も終わりを迎えようとしてる」
「トランヴェル……。やっと君に真実を伝える時が来た」
トランヴェル
(真実だと!?)
ベルチカ
「そう……真実」
「君は何のためにこの世界に来たのか、どうして君は魔女化する能力があるのか」
「その真相を伝える時が来たんだ」
トランヴェル
(!)
ベルチカ
「君が10名のサンプルを取得し、記録したことで新たなトリガーが引かれた」
「10名の魔女化を行ったことを条件に発動する真実のトリガー!」
トランヴェル
(真実のトリガーだと!?)
ベルチカ
「トランヴェル。最後の君の使命を全うするために、君の奥底に眠る記憶を思い起こしてほしい!」
フィイイイイイイイイン!!!
トランヴェル
(なんだ…なんか眠気が……)
トランヴェルは睡魔に襲われ、その場で意識を失う。
ララ
(なんだろう……ふらふらする……)
カローナ
「な……眠い……」
イヴ
「これは……一体……」
そしてトランヴェルだけでなく、トランヴェルの魔女たちも一斉に気を失っていった。
エリカ
「ちょ…ちょっと!?どうしたの!?」
トランヴェルたちが次々と倒れるため、エリカが戸惑い始める。
ナナ
「マベル!皆の様子がおかしい!!」
マベル
「え?」
トランヴェルの魔女たち10名全員、その場で倒れ、意識を失ってしまった……。
第6章 終了
第7章「誰もが神になれた時代」へ続く。




