魔女のワルツ6
ユニオンが下級魔女たちを魔法で木端微塵にしていた。
一人の魔女が叫ぶ!
「ガーランド逃げろ!!」
ガーランド
「でも‥‥!?」
反抗者
「お前だけでも生きるんだ!あいつは私たちが抑える!」
複数の魔女がユニオンに攻撃を仕掛ける。
しかし、一瞬にして彼女たちはユニオンの魔法でかき消されてしまった。
マインド
「ガーランド!!」
ガーランド
「っは」
マインド
「うなされていたよ?大丈夫?」
ガーランド
「ああ……」
ガーランドは起き上がる。
どうやら悪夢を見ていたようだ。
マインド
「ガーランド。これ見てくれ!また下級魔女たちがユニオンによって消されたんだ!」
ガーランド
「……そうか」
マインドは魔法ペーパーを広げ、それをガーランドに見せた。
ユニオンが下級魔女の魔女会を潰したことが記事として書かれていた。
マインド
「このままじゃ私たちはユニオンに消されちゃう……」
ガーランド
「ああ……そうだな。なんとかしないとな」
ガーランドは右手を強く握りしめる……。そして右手から血が流れ出る。
ガーランド
(私の所属していた魔女会はユニオンによって消された)
(私はあいつを許さない。必ずこの手で仕留めて見せる!)
それからガーランドは魔法訓練を行い、徐々に力をつけていった。
トランヴェル
(これが‥‥この魔女の記憶)
次の記憶がトランヴェルの脳内に映りだす。
その記憶には魔女ソフィアと共にユニオンと戦っているシーンが映し出された。
トランヴェル
(こいつは‥‥あのソフィアっていう魔女!?)
ソフィアとガーランドは力を合わせてユニオンに立ち向かっていくものの、
全く歯が立たない。
ガーランドはユニオンの攻撃魔法を喰らい、体が消滅していく……。
ガーランド
「ソフィア……お前だけでも‥‥」
その一言を最後に、その映像は途切れてしまった。
トランヴェル
(……ユニオンにやられたのか)
次の映像が映し出される。
大勢の魔女たちが山となって倒れており、ユニオンが佇んでいた……。
暫くしてユニオンは倒れていた魔女たち1体1体に仮面を取り付けていく。そしてガーランドの目の前で足を止める。
ユニオン
「こいつは……」
ガーランド
(ユ……ユニオン……)
ガーランドは僅かだが、意識があった。
ユニオン
「この子はきっと使えるわ」
ユニオンは赤い仮面をガーランドに近づける。
ガーランド
(やめろ……何をする気だ……!?)
ユニオンはガーランドに赤い仮面をかぶせた。
ガーランド
(ぐうう!?)
フィイイイイイイイイン!!!
突然映像が途切れる!
トランヴェル
(……)
(これで終わり?)
ベルチカ
「そうだね。ここで記憶が閉じちゃっている」
「きっとこの魔女はあの仮面で洗脳されてるんだろうね」
トランヴェル
(じゃあ…洗脳を解くにはあの仮面を外せばいいのか!?)
ベルチカ
「いいや。きっと外しただけじゃ治らないだろうね」
「ユニオンはこの世界のマザーコントロール。どうやらどんな魔女でも自在に操れるようだね」
トランヴェル
(じゃあ…どうしたら……)
ベルチカ
「どうしたらいいと思う?」
トランヴェル
(……心の深海を泳ぐ能力で直接対話するしかないか)
ベルチカ
「そうそう。わかってるじゃん」
トランヴェル
(嫌だな……あれ本当に苦しいんだよね)
ベルチカ
「まあまあ、これで最後になるかもしれないし、我慢我慢」
「これで魔女化できれば、君は10人の魔女をつくったことになる」
「それで君の仕事は大方終わりだし、もう一踏ん張りだ。」
トランヴェル
(本当か?)
ベルチカ
「本当だとも」
トランヴェル
(10人を魔女化することで何が起こるんだ?)
ベルチカ
「それは魔女化してからのお楽しみだね」
「きっと君の今までの疑問が解消されると思うよ」
トランヴェル
(わかった…とりあえずやるしかないってことだろ!)
ベルチカ
「そうだね……。トランヴェル。君が最後の魔女化を成功することを祈っているよ」
トランヴェル
(ここまで来て失敗できるか!必ず魔女化してこのピンチを切り抜けてみせる!!)
フィイイイイイイイイン!!
トランヴェルは心の深海を泳ぐ能力を発動した!
そしてガーランドの心の中へと入っていった。




