戦いの果て2
それからソフィアたちは反ユニオン派の組織を見つけ、手を組むことにした。
ユニオンの反抗組織は人間世界に行く前より、数が増えていた。
大勢の下級魔女たちが組織に属しており、もはや規模は以前の倍以上だ。
ソフィアは反抗者の間でもレジェンド的な存在だ。
上級魔女でありながら、ユニオンに歯向かったヒロイン。
そんな彼女が数十年ぶりにこの世界に戻ってきてくれて、反抗者たちに協力すると言うのだ。
そのため、ソフィアとダリアはすぐに反抗組織の仲間として受け入れてくれた。
ソフィアたちは妥当ユニオンを掲げ、そして反抗者たちはソフィアの魔法開発に手を貸した。
ソフィア
「……」
ソフィアはドラフに差し込まれた魔不死石を見つめて沈黙していた。
ソフィア
(この魔不死石は魔女を殺す魔力が込められている)
(危うくあの人間に殺されるところだった……しかし、これは僥倖ね)
(この魔女殺しの力さえあれば、大ババを殺すことができるかもしれない)
ソフィアはこの日から魔不死石の魔力について研究を始めた。
この魔不死石を解剖して、そして魔女を殺す魔力を作り出すことが目的だ。
そして数日後、ソフィアは魔女を殺す魔法を開発した。
「魔女破壊」
彼女はその魔法をそう呼んでいた。
ドオオオン!
爆発音が鳴り響く!
ソフィア
「何?」
ソフィアたちのアジトに魔法がぶつかり合った音が響き渡る!
ダリア
「どうやら誰かが襲い掛かってきたみたいね。私見てくるけど、ソフィアはどうする?」
ソフィア
「私も行くわ。もしかしたらユニオンの魔女会の奴らかもしれない」
ダリア
「そうか。じゃあ一緒に行こう」
ダリアとソフィアは爆発音が聞こえる方へ向かった。
アジトの玄関口では、下級魔女たちが次々と襲われ倒れていた。
襲い掛かってきたのはユニオンの魔女会のティマーレだった。
ティマーレ
「数が多いわねえ……こんな時にどうしてファニージルたちは来ないのよ!」
「ああ七面倒くさい……いっきに太陽魔法で片付けてやるわ!!」
ティマーレは太陽魔法を唱え、上空に莫大な魔法を生成する!
その魔法を下級魔女たちへ放っていく!
ソフィア
「クロノブレイク!!」
バキイイイン!!!
ティマーレの太陽魔法がクロノブレイクによって氷漬けになった!
ティマーレ
「なッ……あんたは!?」
ソフィア
「久しぶりねティマーレ」
ティマーレ
「ソフィア!?あんたここ最近見ないと思ったら、まだ反抗者たちに手を貸していたのね!この犯罪者が!!」
ティマーレはソフィアに向かって複数の爆裂魔法を放っていく!
ソフィアはそれをクロノブレイクで全て凍らせていく!
ソフィア
「今見ると大したことないわね。あなたの魔法」
ティマーレ
「くううう!?バカにして!!」
ソフィア
「ティマーレ。あなたちょうどいいわ。私の実験台になってちょうだい」
「私の新しい魔法がどこまで通用するか試したいの」
ティマーレ
「はあ!?ふざけんなよ!?」
ソフィアは転送魔法でティマーレの背後へ転移する!
ティマーレは振り返り、太陽魔法をソフィアに放つ!!
ソフィアはそれを避け、さらにティマーレへ接近する!
そしてソフィアはティマーレの腹に手を差し込む!
ティマーレ
「ぐう!?」
ソフィア
「さあ!どうだ?」
フィイイイイイイイイン!!!
ティマーレに差し込んだ手から魔法が発動する!
ティマーレの体内へ魔法が染みわたっていく!!
ティマーレ
「な…何する気!?」
ソフィア
「あんたの体内に魔法を注入するのよ!」
「それもかなりの猛毒をね!!」
バチバチバチバチバチバチ!!!
ティマーレの体があちらこちらで火花が散りだす!!
ティマーレ
「ああああああ!!?」
ティマーレの体が内側から崩壊していく!!
ティマーレ
「何……体が…修復が……間に合わない!?」
バチイイイイイイイイイ!!!
ティマーレ
「い…嫌……やめてよ!?ソフィア!?止めて!!」
ソフィア
「止めるわけないでしょう」
「研究の成果を見届ける義務が私にはあるのよ」
ティマーレ
「あががががが!!!?」
ティマーレの腹から手足まで散り散りになっていく!
ティマーレ
「あ……」
そして崩壊のスピードは増していき、ティマーレの上半身も一瞬にして消え去ってしまった!
ダリア
「……消えた」
ソフィア
「……成功だわ」
「あははははははは!!!」
ソフィアは高笑いする!
ソフィア
「やった!やったわダリア!!上級魔女を…あの上級魔女を消し去ることができたわ!!」
「これをもっと強化すれば、本当に大ババを殺せるかもしれない!!これをもっと強化すれば!!」
ダリア
(これは驚いた……すごいなこいつ)
(魔女とやらは本来死なないはずが、こいつは魔女を殺したのか)
(あの人間から受けた攻撃を真似して逆に己の力にしてしまうとは……)
(こいつの体にすり替わった方がよさそうだ……)
ソフィア
「さあこれからよ!!これから私は夢を掴みに行く!!」
「まだまだ私の夢は死んでない!!まだ可能性が大いにある!!」
「魔女破壊!!そうこの魔女破壊の魔法をさらに実用的にして大ババどもを葬り去る!!」
「あはははははは!!!」
ダリア
(……まだ乗っ取るタイミングでは無いな。こいつはまだ利用価値がある)
(さらに強力な魔法をつくるようだし……もう少し様子を見るか)
ソフィアと下級魔女たちは歓喜に満ち溢れ、大いに盛り上がっていた。
それからソフィアは自室に閉じこもり、さらに研究を進めた。
魔女破壊と名付けた魔法をさらに強化していくのであった……。
ソフィアは魔女破壊の力をさらに強化し、そしてその魔法を下位魔女にも使えるように道具として作っていった。
人間たちが使っていた銃を真似して、破壊魔法を放つ道具を作ったのだ。
その道具はショットガンに似た武器であり、引き金を引くと魔女破壊の魔法が放たれる仕組みだ。
敵に取られて使われないように、使用者それぞれの魔女粒子とリンクさせ、ロックをかけた。
指紋認証と同じで、その魔女でなければ、その武器を使えないように施したのだ。
そして遂にソフィアはユニオンの組織を襲撃することを決めた。
多くの反抗者たちを率いて、ユニオンのアジトへ出向く。
ソフィア
「いい?この戦いは私たち反抗者たちが大ババから自由を取り戻すための聖戦よ」
「この戦いで大ババを葬り去るのが目的」
「大ババを倒して私たち魔女の自由を勝ち取りましょう。そして下級も上級も無くして、無差別な世界を作り上げるのよ!」
「我々が魔女の未来を切り開く!そして魔女の未来は我々が創る!!」
下級魔女たちはソフィアの激励を受け、雄たけびをあげる!
それからソフィアたちはユニオンの屋敷へと突撃していった!




