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戦いの果て1

それは突然の出来事だった。

ドラフという人間が私の体内に腕を入れ、そして魔不死石を通して魔法を唱えた。

次の瞬間、いきなり爆発が起きた。

それから周囲がガラスのように割れ、私とその人間は時空の中へ飲み込まれた。


そして気づけは私は魔女世界へ戻っていた……。


ソフィア

「まさかここは……」


ソフィアが行き着いた先は野原であった。


ソフィア

「……間違いない。この空気は…この重力は……魔女世界だ!」

「ぐう…」


ソフィアは自分の腹へ目をやる。

腹から大量に血が溢れており、そして奥にはドラフに埋められた魔不死石が刺さっていた。

ソフィアは腹だけではなく、手足もボロボロであることに気づく。

ドラフの唱えた魔法で体が崩壊していたのだ。


ソフィア

「……恐ろしい」

「あのまま攻撃を受けていたら…私は恐らく死んでいた」

「危うく人間に殺されるところだった……」


ソフィアは生まれて初めて自分の存在が消えてなくなることに恐怖を感じた。


ソフィアは今までの人間たちとの戦いを思い返した。

人間たちが劣勢にも関わらず、最後には巻き返される。今までまともに勝利できたことは一度も無い。


ソフィア

「このままでは……いずれ人間に殺される」

「私が人間に……?魔女である私が……!?」

「そんなバカなことが……」


「本当にいつか……殺……ッハ!?」


ソフィアは何かにハッと気づく。


ソフィア

「つまり……その魔女を倒せる力があれば…ユニオンを殺せる?」


ソフィアは魔不死石を腹から取り出し、そしてそれを強く手に握る。


ソフィア

「この魔不死石で生成した魔法を使えば……魔女たちを殺せる」


バチイイイイイイイ!!


突如、ソフィアの目の前の時空が歪む!


ソフィア

「うっ!?まさかあの人間か!?」


ソフィアはドラフがここにやってくると予想し、攻撃魔法の準備にかかる。


バシャアアアアア!!


ソフィア

「貴方は……」


時空から姿を現したのはドラフではなかった。


ソフィア

「ダリア!?」


ダリア

「……」

「……魔女世界とやらに来れたのか?」


ソフィア

「ダリア!あなた無事だったのね!」


ダリア

(……こいつは)

(確かソフィアとかいう魔女)

「ええ。貴方も無事だったようねソフィア」


ソフィア

「あの後一体どうしたの!?」


ダリア

「あの後?…ああ、あなたがいきなり消えて、それから人間たちと戦ったわ」

「でも私たちは人間に負けた」


ソフィア

「ッ……」


ソフィアは下唇を噛む。


ダリア

「ところでここはどこからしら?」


ソフィア

「……貴方。ここがどこだか思い出せないの?」


ダリア

「え?」


ソフィア

「この懐かしい空気、人間世界とは違うずっしりとしたこの環境…ほら思い出せない?」


ダリア

「……魔女世界……かしら?」


ソフィア

「そうよ!私たち魔女世界に戻ってきたのよ!」


ダリア

(やった……魔女世界とやらに来ることができた)

(この世界のどこかにトランヴェルはいるはず)


ソフィア

「どうしてここに戻ってきたのかわからないけど、どうやら助かったみたい」


ダリア

「ソフィア。この世界にあの人間共も来ているはずよ」


ソフィア

「なんですって!?」


ダリア

「あの人間たちはマベルという魔女に連れられて、この世界に転移しているわ」

「私は人間たちを追いかけてここに来たのよ」


ソフィア

「人間たちがこの世界に……」

「そのマベルって言う奴はどこの誰よ?」


ダリア

「知らないわ」

「とにもかくにも、人間共を探しましょう」

「あいつらを見つけて今度こそ息の根を止めるの」


ソフィア

「そうね……確かにそうしたいところだけど」

「まずは仲間を探しに行こうかしら」


ダリア

「仲間?ソフィアには他にも仲間がいるの?」


ソフィア

「何を言っているのダリア?忘れたの?」

「私たちアッシュペインは元々反ユニオンの組織なのよ」

「この世界中に反ユニオン派がたくさんいるはずだわ」

「そいつらと手を組んで人間どもを倒すのよ!」


ダリア

「そ…そっか。そうだよね!まずは仲間を探しに行きましょう!」

(反ユニオン派?なんだそれは…?)

(よくわからんが、とりあえずついていくしかない)

(確かに二人だけではあの魔女たちに返り討ちになるだけだからな)

(黙ってソフィアについていくことにしよう)


ソフィアとダリアは反ユニオン派の組織を探しに旅立っていった。


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