ユニオン2
アイナ
「お空の向こう…?」
ユニオン
「正確にはこの星を出たさらに先にユニがいます」
「ユニの目的はただ一つ。それはトランヴェル。あなたの役目を全うさせることです」
トランヴェル
(私の目的……つまり、10名を魔女化して観察することか)
ユニオン
「そうです。残り1名を魔女にすれば、我々の目的が達成されるのです。早く残り1名を魔女にするのです」
「そしてその観察結果を持って、この星を抜けて宇宙へと行くのです」
トランヴェル
(宇宙に!?)
ユニオン
「そう。つまりこの世界を抜けてユニのいる世界へ飛び立つのです」
イヴ
「……ユニオンはトランヴェルの終点をご存じなのですね」
「どうして私はマザーコントロールなのに、そのことを知らないのだろう……」
ユニオン
「それは貴方の与えられた役目が人間世界を管理することのみだったからです」
「元々マザーコントロールは私だけの予定でした。私はこの魔女世界を管理し、そして観測者を受け入れ、
さらに観測者の目的を遂行できるようにサポートするように命じられているのです」
「そもそも初めは魔女世界しかなく、後でユニが人間世界をつくったのです。そこで貴方が管理者として設置されたわけです」
イヴ
「そうだったのですか……人間世界は後から作られた世界なのですね」
ララ
「人間世界って私たちが元々いた場所ですよね?」
ユニオン
「そう。貴方たちの世界はこの星が誕生してから数か月後に生まれたの」
「だから本来マザーコントロールは私のみでしたが、管理対象が増えるため、追加でマザーコントロールが設置されたわけです」
「それがイヴ。あなたなのです」
イヴ
「……なるほど」
ルイ
「何がなんだかわかんねえよもう……」
カローナ
「話についていけないな」
ユニオン
「それはそうと人間と言えば、先日私の屋敷に1人の人間が転送されてきたのです」
イヴ
「人間が?」
ユニオンは手前に魔法陣を生成する。
その魔法陣からドラフが出現した。
ドラフは横たわって目を閉じていた。
イト
「ドラフさん!?」
ルイ
「ドラフ!生きていたのか!」
アイナ
「おじさん!」
カリア
「……!」
ユニオン
「やはりお知り合いでしたか」
イヴ
「どうしてドラフがここに?」
ユニオン
「突然私の目の前に現れたのです」
「どうやら何かの節で人間世界から転移してきたみたいですね」
イト
「ドラフさんはあの時、魔女とともに爆発して消えた」
「あの爆発でこっちの世界に来たということか……?」
イヴ
「恐らくそうでしょうね……」
「ということはあのソフィアとかいう魔女もここに来ているのか?」
カローナ
「あり得る話だね」
ユニオン
「なるほど。この人間はソフィアと戦っていて、その最中に魔女世界へ飛ばされたわけですか」
トランヴェル
(どうしてドラフは魔女世界に行けたんだ?)
マベル
「恐らくだけど、この人間の攻撃が人間世界と魔女世界の壁を壊したからだと思うわ」
トランヴェル
(壁……?)
マベル
「うん。人間世界と魔女世界は背中合わせに存在しているみたいなの」
「私が人間世界に気づけたのも、たまたま魔女世界で壁を壊して、人間世界に入ることができたから」
ユニオン
「あなたは自力で人間世界を見つけたのね」
「大したものね」
マベル
「まあ、たまたま海辺で分解魔法を試していたら壁が壊れただけなんだけどね」
イト
「これ……ドラフさんは生きているのか?」
ユニオン
「ええ。かろうじて」
ルイ
「やっぱ大怪我しているのか!?」
ユニオン
「怪我は私が完治させました」
「しかし、人間はこの魔女世界の環境に適応することができません」
「だから彼は瀕死状態なわけです」
アイナ
「そんな……おじちゃんは助からないの?」
ユニオン
「命の保証はあります。人間が適応できる環境で保護しているので、もう何日かは生き長らえることでしょう。しかし、このままではいずれ彼は死んでしまいます」
イト
「それでは困る」
「ドラフさんを連れて今すぐ人間世界に帰らせてくれ」
ユニオン
「そうですね」
「私もその方が良いと思います」
「トランヴェル様の使命を果たすためにも、一度人間世界に戻られた方がよろしいかと」
トランヴェル
(人間世界に戻って残り最後の一人を魔女化すればいいんだな?)
ユニオン
「そうです。早急に最後の一人を魔女化するのです」
「そうすれば、貴方のこの旅も終わりを迎えます」
トランヴェル
(ユニオン。最後に聞きたいことがある)
(私の役目はわかったのだが、どうして10人の人間を魔女化して、観測するんだ?)
(ユニの目的は一体何なんだ?)
ユニオン
「それは……」
ドオオオオオオン!!!
突然、ユニオンたちがいる空間に爆発音が鳴り響く!
全員爆発音が聞こえる方へ目をやる。
そこには空間が破壊され、中からダリアが姿を現した!
ルイ
「あいつは……!?」
カローナ
「ダリア!?」
ダリア
「見つけたぞ……あの魔女たちだ」
「ここにトランヴェルがいるはずだ!」
フィイイイイイイイイン!!
トランヴェルたちに向かって氷魔法が放たれていく!
トランヴェルの魔女たちは咄嗟にそれをバリアで防いでいく!
ミランダ
「敵襲!?」
イト
「そのようだ!」
カローナ
「この氷魔法は……」
ドドドドドドドドド!!!
天井が破られ、それと同時に氷柱がトランヴェルたちを襲う!
カリアは魔法障壁を大きく展開し、氷柱を防いでいく!
「ユニオン」
上空から一人の魔女が舞い降りてきた!
ユニオン
「お前は……」
イト
「あいつ…やはり生きていやがったか」
カローナ
「ソフィア!」
ソフィア
「お前たちもユニオンと一緒にいたのね……ちょうどいい」
「ユニオンを倒すついでにこないだの借りを返させてもらうよ!!」
ユニオン
「今更何をしに来たのかしらソフィア?」
ソフィア
「私はお前を倒しに来たんだ」
ソフィアの周囲に魔法陣がたくさん現れる!
そしてその魔法陣から大勢の下級魔女たちが転移してくる!
ユニオン
「やめなさいソフィア。無駄な争いはよしなさい」
ソフィア
「無駄…?無駄だと!?」
「大勢の罪のない魔女たちを殺しておいて何を言う!」
「この戦は聖戦だ!!」
「大ババ!!あんたを倒して私達は自由を手に入れる!!」
ユニオン
「世迷言を……」
「トランヴェル様。皆を連れてこの魔女世界から脱出してください」
「ここは私がソフィアたちを片付けます」
トランヴェル
(わ……わかった!)
ソフィア
「逃さないよ」
フィィィィィン!!
この屋敷全体に結界が貼られる!
イヴ
「結界!?」
マベル
「転送魔法が封じられたわね」
「なかなか強固なもの貼るじゃないの」
ユニオン
「無駄よソフィア」
ユニオンは結界を破壊しようと、手をかざす。
ソフィアは即座にユニオンへ氷魔法を放つ!
ユニオンはソフィアの魔法をバリアで防ぐ……!
ソフィア
「させないわよ大ババ!」
ユニオン
「最後の忠告よソフィア。無駄な抵抗はやめなさい」
「あなたが私に勝てるとでも思って?」
ソフィア
「勝てるわ」
ユニオン
「……ほう?」
ソフィア
「私が何の策もなしに来たと思ってるの?」
ソフィアの手のひらに魔力が集中していく……!
ソフィア
「あの人間のせいで私は本当に死ぬところだった」
「しかし、そのお陰で私は新たな魔法を作ることができた!」
「あの人間から得た新しい力で……貴様らを消滅させる!!」




