魔女世界へようこそ4
マベル
「いつの間にか魔女会カーズが反抗組織となっているとはね……」
ナナ
「あんたが百年顔を出さない間にいろんなことがあったのよ!大変だったんだから!」
マベル
「そうなの?」
エリカ
「そうよ!というかさ、あんたどこ行ってたのよ!?」
マベル
「人間世界よ」
エリカ
「人間世界?」
マベル
「そう人間が住まう世界よ」
「そしてここにいるのが人間たち」
マベルはトランヴェルの魔女たちを指さした。
ナナ
「何人間って?この子たちは魔女じゃないの?」
マベル
「そうよ。彼女たちは私たち魔女とはまた別の生物」
「彼女たちは人間っていうの。見た目は私たちとそっくりだけど、中身は結構異なるのよ」
ナナ
「ふーん……」
トランヴェル
(マベルの言っていた通り、この世界の魔女たちは人間のことを知らないみたいだな)
(マベルやカローナたちは、たまたま人間世界を見つけたってことか)
イヴ
(どうやらそのようですね……)
トランヴェルとイヴはテレパシーで通話している。
トランヴェル
(反抗組織か……どうやら反抗組織ってのは沢山あるみたいだな)
トランヴェルはカローナの記憶を思い返していた。
彼女の記憶によれば、この魔女世界はユニオンという最古の魔女が治めている。
そのユニオンを倒してたくてカローナやソフィアは反抗組織を作り上げたのだ。
トランヴェル
(さっき襲ってきた魔女たちはユニオンの手下どもなのかな……)
カローナ
「その通りよトランヴェル。あいつらはユニオンの魔女会の魔女たち。きっとこのマベルとかいう魔女たちを討伐しに来ていたんだわ」
「そこに我々がたまたま出くわしてしまったんだわ」
トランヴェル
(なるほど。マベルの所属する魔女会はユニオンの反抗組織ってことか)
マベル
「さあ中へ入りましょう」
マベルは屋敷の扉を開く。
一行は屋敷の中へと入っていった。
屋敷は2階建ての100坪程度の広さだ。
マベルに連れられ2階へ移動する。2階には机とソファーが設けられていた。
一行はソファーに座り、話合いをすることにした。
マベル
「さて……何から話そうか」
ルイ
「まずあんた誰なのよ?」
マベル
「あーそうでした。紹介がまだだったわね」
「私の名前はマベル。この魔女会の一員よ」
ルイ
「マベル……?どこかで聞いたことがあるような」
ミランダ
「あれだよ!トランヴェルの記憶で出てきた魔女だよ!」
ルイ
「ああ…もしかしてトランヴェルの飼い主か」
マベル
「ご名答!なんだ私のこと知ってるじゃん!」
サラ
「トランヴェルに魔女にされるときに見せてもらった」
マベル
「見せてもらった?」
イヴ
「私たちは皆、トランヴェルに魔女化される時にトランヴェルの記憶を見せられるんだ」
「その記憶の中であなたが何度か出てきた。だから皆認識がある」
マベル
「へえ!?そんな記憶を見せることなんてできるの!?すっごーい!」
「トランヴェルに憑りついているあなた。本当に何でもできるんだね!」
トランヴェル
(……)
ララ
「憑りついている?トランヴェルはフクロウに憑りついた存在なの?」
マベル
「そうだよ。元々そのフクロウは私のペットで、人間を魔女化するなんてできなかったもの」
「ねえ…そろそろあなたの正体を教えてよ?あんた何者なの?」
トランヴェル
(……)
カリア
「トランヴェルは普段話すことができないんだ。精神離脱したらどう?トランヴェル?)
マベル
「せいしんりだつ?何それ?」
イト
「ああもう!そんなことはどうだっていい!!」
「おい!マベルとか言ったな?どうして俺たちをこの世界に連れてきた!?」
イトは剣を抜き、マベルに剣先を向ける。
マベル
「さっきからおっかないわねあなた。また剣を向けるだなんて」
イト
「質問に答えろ。さもなくば」
ルイ
「やめろイト」
イト
「俺に指図をするな」
ララ
「イトさん。とりあえず落ち着きましょう。ここはまず話合いで」
マベル
「貴方が剣をおさめたら、話してあげる」
イト
「……ッチ」
イトは剣を収める。
マベル
「そうね……あなたたちをここに連れてきた理由。それは単純にあなたたちに興味が湧いたからよ」
イト
「興味……だと?」
マベル
「あなたたちは上級魔女を倒したでしょ?とてもじゃないけど人間とは思えない力を持っているわ」
「あなたたちを仲間に入れたいのよ。この魔女会に入ってほしいの」
「人間と魔女が一緒の組織で働くのは世界初の試みなのよ。面白いと思わない?」
イト
「バカなことを言うな!!俺たちが魔女に協力するわけないだろう!!」
「貴様ら魔女に散々苦しめられてきたんだ!!今すぐにでも貴様ら魔女を葬り去りたいところだ!!」
マベル
「相当魔女が嫌いみたいね……」
イト
「当り前だ!どれだけの同胞が貴様らに殺されたことか!」
マベル
「まあ待ってよ」
「あんたたち人間を襲っていたのはあのソフィアとかいう魔女だけだし」
「ほとんどの魔女はあなたたち人間の存在を知らないわ」
イト
「何?」
ミランダ
「そうなの?」
マベル
「そうよ。ねえナナ。人間って初めて見たでしょ?」
ナナ
「まあ……そうだけど」
「この子たちは本当に魔女じゃないの?」
マベル
「うん違う。見た目は似ているけれどね」
イト
「待て。確かあのソフィアとか言う魔女が言うには人間の住処を奪いに魔女が押し寄せてくると聞いたぞ」
「人間と魔女が戦争になると確かにそう言っていてた。そこはどうなんだ?」
マベル
「何それ?初めて聞いた。そんなん嘘に決まってるじゃない」
イト
「なんだって……」
マベル
「すべては人間を騙すための嘘だったんでしょ」
「っていうか、そこにいる魔女に聞けば嘘か本当かわかるんじゃない?」
マベルは視線をカローナに移す。
カローナ
「そうね。確かにあんたの言う通り。魔女が人間世界に攻め込んで来るなんてことは無いわ」
「そこの魔女の言う通り、ほとんどの魔女は人間を知らないもの」
イト
「そういえばお前は敵だったな」
イトは剣を再び抜き、カローナに剣先を向ける。
ララ
「やめてイトさん……」
ミランダ
「確かに敵だったけど、今はトランヴェルの魔女なんでしょ?」
イト
「あの時は共闘したが、今はどうだろうな?今でも俺たちを殺そうとタイミングを見計らってるんじゃないか?」
カローナ
「……私はもうお前たちと戦う気はない」
イト
「果たしてどうだろうか?」
ララ
「イトさん!」
イト
「ララ。こいつは俺たち人間を襲ってきた魔女だぞ?何故そんなに冷静でいられる?」
「こいつらは無下に俺たち人間を利用してきたんだ!!黙っていられるか!!」
カローナ
「……斬りたければ斬ればいい」
イト
「なんだと!?」
カローナ
「お前は私を刺し殺す権利はある。お前の言う通り、私たちはお前ら人間を利用して大ババに復讐しようとしていたからな」
イト
「ならここで殺してやる!!」
アイナ
「やめて!!」
イトとカローナの間にアイナが割り込む!




