男と魔女
魔女との遭遇から唯一生き残ったドラフは何とか王宮へ帰ることができた。
そして彼は籠る……研究室へ……図書室へ……。
彼は生きる目的を見つけた……。
<魔女を倒す>
ただそれだけのために彼は研究に励む。
しかし、ある日彼は研究を進めることができなくなった……。
ドラフ
「魔女粒子の研究の停止?何故です?」
ガゼル
「ここ数年魔女による被害は少なくなってきている……
我が研究所は魔法障壁の研究に特化したほうがよい」
「最近は魔女より魔物の被害の方が断然に多い……魔物対策を最優先にして取り組むべきだ」
ドラフ
「……」
魔女粒子の研究は滞った。
しかし、2年後ガゼルは王宮から追い出され、ドラフがその後を引き継ぐことになった。
魔女粒子の研究が再開する……そして今に至るのだ…。
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(……)
男は過去を掘り返しながら元同僚を土に埋める。
彼の頭の中は魔女を滅ぼしたい気持ちでいっぱいである。
魔女と遭遇できたにも関わらず倒すことができなかった。
たったこの日のために彼は研究を続けてきたのだ。
どうしたら魔女に勝てたのか…。
彼の開発した魔女対抗具も不完全だ。稲妻の魔女には効いたものの、もう一人の同僚の娘には通用したとは言えない。
(まだまだ戦える……)
男は自分に言い聞かす。
まだ研究の余地があると…。
今回の魔女粒子を回収して再分析し、
今回の戦闘のフィードバックを行うのだ…。
そう考えながら男は遺体を埋めていた。
そんな最中、突然背後から声をかけられる。
「やっほー」
男が振り返るとそこにはホウキに乗って浮遊している一人の女性がいた。




