魔女世界へようこそ1
屋敷が妖しく丘の上に建っている。周囲は暗く、屋敷も電灯一つ付いていない。
その屋敷には大勢の魔女たちが集結していた。ざっと数えて数十体いる。
彼女たちの周りには魔法陣がいくつか設けられていた。
その魔法陣から音声が聞こえてくる。
……ガガ……ガガガ……
……皆の者……これは聖戦である…
魔法陣から聞こえてくる音声には若干ノイズが走っていた。
しかし、徐々に音声は鮮明になっていき、この屋敷内に響き渡る。
「これは…私たち魔女たちが自由を得る戦いである」
魔女たちは静かに音声を聞いている……。
「…ユニオンは我々を下級魔女という烙印を押し……我々を虐げけてきた」
「不平等をもたらしているにもかかわらず………我々が不平を漏らせば、罰を下し………」
「さらに我々の自由を奪っていく」
周りの空気が張り詰めていく……。そして魔女たちも緊迫した様子へ変わっていく……。
「魔女ユニオンは悪だ」
「奴が居なければ我々は自由であり……下級魔女と虐げられることもない」
「何故私たちはあのユニオンの言いなりになっているのか……」
「ユニオンが最古の魔女だからか?そんなことは誰が決めた?」
「どうして我々は卑屈で不自由な暮らしを押し付けられているのか……」
「生まれながらにして下級という烙印を押され、我々には一切自由が無かった……」
「そう、だから我々は立ち上がる必要がある」
「我々はこれ以上自由を奪われるわけにはいかないのだ……!」
「……これは我々が自由を勝ち取るための戦いだ」
「さあ立ち上がれ……勇敢な魔女たちよ」
「あのにっくき最古の魔女をこの世界から追放するのだ…!」
「そして我々だけの世界を今ここに立ちあげるのだ!」
「独立だ!独立して自由を手に入れるのだ!!」
バリイイイイイイイン!!!
突然、屋敷の窓が割れる!
そして窓から屋敷の中へと上級魔女が三体入ってくる!
下級魔女
「来たぞ!!大ババの魔女どもだ!!」
「一斉に攻撃!!奴らをここで捕らえろ!!」
数十体の魔女たちは一斉に目の前にいる上級魔女を襲い始めた!!
ファニージル
「だいたい100人ぐらいかしら?」
ティマーレ
「もっといるんじゃない?」
ミサ
「どんなに多かろうが、私たちの敵じゃないでしょ」
上級魔女三体と下級魔女数十体が激突する!
下級魔女たちが大勢かかるものの、ファニージルたちは簡単にあしらっていく!
ファニージル
「まだまだたくさん出てくるわね」
ミサ
「ああ……骨が折れるわ」
上級魔女ミサは爆裂魔法を下級魔女たちへ放っていく!
下級魔女たちは爆発に巻き込まれ、次々と倒れていく!!
下級魔女ナナ
「ば……化け物…!?」
ミサ
「化け物?あんたたちが非力なだけでしょ?」
ミサは両手に炎魔法を生成する…!
下級魔女エリカ
「ナナ下がって!私が相手する!!」
下級魔女エリカがミサに向かって雷魔法を放つ!
しかし、ミサはその魔法をバリアで簡単にかき消してしまう。
ミサ
「消えろ!!」
ミサから放たれた炎魔法がエリカたちを襲う!
エリカとナナは魔法障壁を展開し、それを防ごうとする!
エリカ
「ぐううう!?」
ナナ
「もう……ダメかも」
バチイイイイイッ!!!
魔法障壁は破壊され、エリカとナナは吹っ飛ばされた!
そして後ろの壁に激突する!
ドガアアアア!!!
壁は崩壊し、エリカたちは壁の瓦礫に埋もれる。
エリカ
「うう……」
ミサ
「さっさとくたばれ」
ミサはエリカとナナたちに向かって炎魔法を放とうと手をかざす。
ドオオオオオオン!!!
ミサ
「何?」
上空から爆音が聞こえ、ミサは音がする方へ見上げる。
屋敷の屋根は吹き飛んでおり、空が見える。
そして上空に大きな魔法陣が出現する!
フィイイイイイイイイン……
ファニージル
「何あれは…?」
ティマーレ
「何?新手?」
バシュウウウウウ!!!
魔法陣からマベルとトランヴェルの魔女たちが姿を現した!




