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ソフィア3

ソフィアがユニオンの魔女会に入会してから早3か月が過ぎた。

ソフィアは、半日魔法の研究を行いつつ、残りの半日はこの世界の管理業務を行っていた。

最高峰の魔女会なのだから、前代未聞の大規模な創造を行えると思っていた。

しかし、実際は違った。

ユニオンの魔女会は最高峰の魔女会であるがゆえに、この世界の管理を担う仕事が多かったのだ。

具体的には、各魔女会の監視、そして下級魔女の管理。反抗者の成敗。そして他の魔女会の魔女たちの生み出した新しい創造に対して評価を下すといったものだ。

ユニオンの魔女たちは、何不自由のない、圧倒的な上の立場にいることから、権力に溺れているものが多い。中にはティマーレのように他の魔女会の魔女たちを下種扱いするものもいた。


ソフィア

「結局ここでは創造は二の次なんだ……」

「これじゃあ私のやりたいことと違う………」


私は失望した。もっと大規模で世界を覆せるような創造を行えるものだと勝手に思っていた。

私はどうしても新しい創造をしたかった。そのため、他の魔女会へ移りたいと考え始めるようになった。


ある日、私はファニージルと共に反抗者の成敗の業務にあたることになった。

反抗者とは、ユニオンの絶対的支配を嫌い、テロを起こすものたちのことだ。

ユニオンの魔女たちはその反抗者たちの鎮圧、および捕縛して罰を与えることを行っていた。私にとっては初めての仕事だ。執行人はファニージル。私は補助役として同行することになった。


ファニージル

「今回襲撃するのはテクラスという魔女会よ」


ソフィア

「襲撃…?ということはこちらから仕掛けて捕らえるということなの?」


ファニージル

「そうよ。大方そのケースが多い。大規模なテロを起こされる前に叩くのが常識」

「テクラスはここ数年、ユニオンの反対運動を活発に行っている組織の一つよ」

「所属数は約200名。あらゆる反抗組織の中でも大きいわ」


ソフィア

「まさかユニオンの魔女会が反抗者たちの鎮圧業務もやっているなんて思ってもいなかったわ」


ファニージル

「そうね。ただ我々が鎮圧業務をやりたくてやっているのではなくて、鎮圧せざるを得ないのよね」

「なかなか他の魔女会にお願いしても、あまり利益が見込めないから協力してくれるところも少ないのよ」


ソフィア

「なるほどね……」


ファニージル

「それじゃあ、テクラスに乗り込むわよ」

「一応相手が下級魔女だからといって気を抜かないこと。いい?」


ソフィア

「わかってるわ」


ファニージルとソフィアはテクラス魔女会の本拠地へたどり着く。


ソフィア

「真正面から行くの?」


ファニージル

「もちろん」


ガガガガガガッ!!!


ファニージルはテクラスの基地の魔法障壁を破壊する!!

彼女たちはテクラスの基地内へ侵入する。


テクラスの魔女たちがファニージルたちを囲む。

テクラスのリーダーであるマインドがファニージルたちの前に姿を現す!


マインド

「なんだお前らは!?」


ファニージル

「お前がリーダーのマインドね」


マインド

「お前……まさか!?ユニオンの!?」

「ユニオンの魔女が何のようだ!?」


ファニージル

「言うまでも無いんじゃないかしら?自分の心の中に聞いてみたらどう?」


マインド

「ッチ!?いくら上級魔女とは言え、50人が相手なら敵わないだろう!!」

「一斉に攻撃開始だ!!」


マインドの合図と共に周りにいた魔女がソフィアたちへ襲い掛かる!


ファニージル

「数は重要じゃないのよ」


ファニージルは魔法を唱える!


フィイイイイイン!!!


ファニージルの体内から魔法障壁が広がっていく!

そしてその魔法障壁に触れた魔女たちが次々と倒れていく!


マインド

「なんだ!?」


ソフィア

(これが鎮静魔法……ファニージルの得意とする魔法の一つ)

(彼女の魔法に触れれば、一瞬で気を失うというもの……かなり強力ね)


マインド

「こいつ!!」


マインドは炎魔法を生成し、ファニージルに放っていく!!

しかし、マインドの魔法はファニージルの魔法障壁に触れて、一瞬で消えてしまった。


マインド

「バカな……!?」


ファニージル

「さっさとやられてくれる?私たちは忙しいのよ」


ファニージルは鎮静魔法をマインドへ放つ!!

マインドはギリギリのところでそれを避けて、後方へと下がる。


ファニージル

「面倒ね。あなたみたいな中途半端な強さの奴が一番厄介だわ」


ファニージルは転送魔法でマインドを手前に引き寄せる!


マインド

「何!?」


ファニージル

「チェックメイトよ」


バシュウウウウウウ!!


ファニージルはマインドの顔を両手で掴み、鎮静魔法を体内に直接送り込む。

マインドは気を失い、その場で倒れる。


ファニージル

「やっと終わったわ」


ソフィア

「すごい……いくら相手が下級とはいえ、こんなにあっさり……」


ファニージル

「さあソフィア!仕事よ!!こいつらを転送魔法でプリズンへ送って!」


こうしてテクラスの魔女たちはプリズンへ送られた。


私はこの時、1つ疑問を感じていた。

なぜユニオンに反対するものが現れるのだろう……。

私はファニージルにこの疑問をぶつけてみた。


ファニージル

「それは自由が無いからよ」


ソフィア

「自由…?」


ファニージル

「そう自由。彼女たちは下級というレッテルを貼られた奴隷なの」

「魔法も行動も制限され、自由が無いのよ」

「制限されているからこそ、自由を求めて反抗してくるわけね」


ソフィア

「でも…下級魔女の全員が反抗しているわけではないわ。他にも理由があるんじゃないかしら?」


ファニージル

「そうね。貴方の言う通り、厳密にはもっと別の理由があると思うわ」

「でもね…。それ以上の詮索は不要よ」


ソフィア

「どうして?」


ファニージル

「もし…彼女たちに同情してしまったら」

「もし彼女たちの立場を理解してしまったら…この仕事をこなすのが難しくなるからよ」


ソフィア

「……」


(彼女たちは下級とバカにされているが、私はそうは思わない)

(ティマーレみたいに他者を見下し、自分を棚に上げる奴の方が愚かで下種のように思える。それこそ下級じゃないのかしら?)

(確かに下級と上級とでは、魔力に差はあるけれど……その物差しだけで評価するというのは、あまり賢いやり方とは思えないわ)

(彼女たちはただ比べられて、相対的に地位が低くなっているだけ)

(たったそれだけの理由で卑屈になり、反抗者となってプリズンに収容されてしまうのはあまりにも酷だ……)


(どうしたら下級という概念を無くせるのだろう……)


(そうか……それなら…下級を上級に仕立て上げてしまえばいいんだ)

(…わかった。また新しいアイデアを思いついた)

(下級を上級に変えてしまえば、下級は消える)

(そうすれば……反抗者も減っていくはずだ……)

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