魔空の朝焼け
日が昇る。
昨日の戦闘により御神体は崩れ、隙間から日差しが入る。
国から大勢の救出隊がペルー村に到着し、臨時で患者の救護が行われる。魔女狩隊も兵士たちも幸い命を落とすことはなかった。
救出隊に混じってコッホは兵士たちに回復魔法をかけ、治療を行っていた。
リリィ
「コッホさん」
コッホ
「リリィ……無事だったか」
リリィ
「えぇ……コッホさん…ドラフさん見かけませんでしたか?」
コッホ
「いや…見てないが……」
リリィ
「そうですか……どこ探してもいらっしゃらないんですよ」
リリィやコッホは魔女との戦いで気を失っていた。
彼らが気がついた時はもうすでにドラフの姿はなかった。
そしてガゼルの遺体も見当たらない……。
リリィ
「私他を探してきます」
リリィは御神体を後にしてペルー村の街中へ向かう。
結局この日ドラフもガゼルも見当たらず、彼らは行方不明となった。
その後、ペルー村では不思議なことが起きていた。
魔物に襲われた村人たちは完治しており、故障していた魔法障壁装置は元に戻っていた。
ガゼル、カリア、ララは行方不明になり、今でも捜索が行われている。
一方王宮では今回のペルー村の件について臨時会議が開かれていた。
オードリー
「以前の報告書の通り、村に魔女が潜んでいました」
「そしてドラフ研究長の指示のもと、魔女狩りが実行されましたが、最善は尽くしたものの取り逃がす結果となりました」
周囲はどよめく……。
「我が国では約50年ぶりに魔女と遭遇したことになります」
「近年、魔女による被害は世界的に減少傾向にあるものの、
やはり今回のように突如現れることもございます」
「そこで私は今回の事件から魔女対策の強化を図るべく、新たに魔女対策本部を新設したいと考えております」
オードリーの提案から魔女対策本部が強化されることになった。
魔女の対策強化、並びに魔女狩隊の人員増員。そして魔女研究の推進が図られた。ドラフが管轄している研究所も本部へ収集することになり、研究予算費も多く付与されることになった。




