トランヴェル第9の魔女
トランヴェル
(カローナ。お前の心の声は私に聞こえている)
(お前はソフィアを絶対に許さない。絶対にだ)
カローナ
(………)
トランヴェル
(お前は裏切られた。一緒に魔女世界を覆すことを共に志してきたのに裏切られたんだ)
(ソフィアはもうお前らを切った。カローナやダリアがいなくてもソフィア一人で魔女世界を覆せると考えているんだ)
(ソフィアはお前らを洗脳して、道具として使用し、人間を征服しようとしている)
(そんなソフィアをお前は絶対に許さない)
カローナ
(……)
トランヴェル
(なあカローナ。別に人間に加担するとか、人間に魂を売るとか、そんなものではないはずだ)
(人間だの魔女だの関係ない。お前はお前の正義に則ってソフィアと戦いたいんだ)
カローナ
(…)
トランヴェル
(それにお前は今までさんざん人間に加担してきたじゃないか。それは何故か?それはお前らが魔女世界を覆すために手段としてやってきたことなんだろ?)
(よくよく考えてみろカローナ。ソフィアに洗脳されれば、もう先は無い。でも私の魔女化なら意思は死なないんだ)
(お前にとって魔女化はソフィアの洗脳魔法から逃れるための手段。そしてお前がソフィアに復讐できるチャンスでもある)
(なあカローナ?私に賭けてみないか?お前の望みは私の力なら叶えることができるかもしれない)
(ソフィアに洗脳されれば、もう今のお前は消えてしまう。それがわかっていたとしても、それでもお前はソフィアの洗脳を選ぶのか?)
カローナ
「……くしょう」
トランヴェル
(自分の意思を失うことが本当の死。それを一番理解しているのはお前自身じゃないのか!?)
カローナ
「………ちくしょう」
トランヴェル
(逃げ場が無いのなら、私に賭けてみろカローナ!!それしかお前に選択肢は無いはずだ!!)
カローナ
「畜生!!!」
フィイイイイイイイイイイイイイン!!
トランヴェルとカローナの体が光りだす!
カローナ
「くっそおおおおおおおおおお!!!!」
カローナはトランヴェルに承諾の意思を示した!
その意思と共にカローナはトランヴェルの魔女化を受け入れる!
カローナ
「これでもしお前に洗脳されたら、配下に置かれたら絶対に許さないからなッ!!」
「絶対お前を呪い殺す!!絶対にだ!!」
トランヴェル
(大丈夫だカローナ!お前のその感情は誰にも奪われない!!むしろお前はソフィアの呪縛から解放されるんだ!!)
(さあ!!その感情の赴くまま突き進め!!魔女カローナ!!!)
カローナ
「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
カローナの体が黄金に輝きだす!!!
ソフィア
「なんだ!!?」
カローナは光に包まれ、そして彼女の体から大量の魔女粒子が飛び散った!
ソフィア
「これは……一体!?」
ソフィアがカローナにかけた洗脳魔法アルファが粒子となってカローナの体から飛び散っていく!
バチイイイイイイイイイイイイ!!!!
突然カローナの体から莫大な電撃が放たれる!!
その電撃はソフィアに衝突し、ソフィアは体ごと吹き飛ばされる!!
ソフィア
「なん……ああああああああ!?」
ドオオオオオオオオオ!!!
ソフィアが吹き飛ばされると同時にカローナが緑色に光りだす!
カローナ
「……」
トランヴェル
(……どうやら…魔女化に成功したようだ)
(といっても…魔女を魔女にするって……本当にできたのか?)
カローナの閉じた瞳が開く。
カローナ
「…………」
「私は……生きている?」
「ああ……私に……ちゃんと"意思"がある」
オオオオオオオオオ……
吹き飛ばされたソフィアが起き上がる。
ソフィア
「カローナ……!?」
カローナ
「いいだろうトランヴェル……お前のこと少しは信じてやるよ」
「でも私はまだお前を信じない!!」
トランヴェル
(それでいい…あとはお前の好きにしろ)
カローナ
「とりあえず……私はあいつを叩きのめす!」
ソフィア
「カローナ……あなた一体!?」
カローナ
「ソフィア。私は決めたよ」
「私はあんたを倒して、そして私の方法で人間を支配下に置く」
ソフィア
「!?」
カローナ
「覚悟しな……ソフィア!!」




