カローナの記憶26
フィイイイイイン
トランヴェルの脳裏にカローナの記憶がどんどん映されていく……!
トランヴェル
(これは……なんだ!?)
(これは………魔女の記憶なのか!?)
フィイイイイイン!!!
トランヴェル
(あががががッ!?)
トランヴェルは頭痛を起こしていた!それもかなりの激痛だ!!
トランヴェル
(この感覚は……また…あれか!?)
ベルチカ
「ご名答トランヴェル!君が思っている通りのことが起こっているよ!」
「君は新たなトリガーを引いたんだ!!君は今、新たな能力を得た!!」
トランヴェル
(ぐうう!?こんな時に……)
トランヴェルは激痛に悶えながらも、頭の中に映し出される映像を強制的に見せられていた。
王宮の地下室で魔女ソフィアたちとトランヴェルたちが戦っているシーンが映し出された。
ララたちがソフィアたちに捕らわれる。それから映像シーンが飛んで、死刑台の上でソフィアとトランヴェルの魔女たちが戦っているシーンに切り替わる。
そしてソフィアの体から魔氷が発生し、そこで映像はストップする。
トランヴェル
(これは……一体…)
ベルチカ
「君は今、魔女にしようとしている対象の"断片的な記憶"を受信してるんだ」
「それから対象には"君の記憶"を送信しているんだ」
トランヴェル
(なんだと…!?)
ベルチカ
「この能力は9人目の魔女化に試みる時に発動する新しいツールだ」
「お互いの重要な記憶を見せ合い、お互いの経緯を伝達する手間を省いているんだ」
「こうすることで、今までの経緯をお互い理解し、そして相手をよく知ることができる」
トランヴェル
(つまり……私は今、このカローナとかいう魔女の記憶を見ているということか!?)
(ぐううう!?……頭が……頭が割れそうだ!?)
ベルチカ
「トランヴェル。これは、この旅がそろそろ終盤をむかえている証拠なんだ」
「9人目と共に行動する時間が僅かでしかない。だから発動した能力なんだ」
「そして9人目をつくったら、魔女にできるのは残り1人なんだ」
「つまり、君の役割はそろそろ終わりを迎える」
トランヴェル
(役目……だと!?)
ベルチカ
「そう。君は君が思っている以上に"大きな使命"を背負っている」
「その使命を果たす手前にたどり着いた君は、そろそろ本来の力を使わなければならない」
「そして君が10人目の魔女を手にした時、全ての条件がそろう」
トランヴェル
(……なんだ……それは!?)
ベルチカ
「それはその時にわかる。だから何としてでもここを乗り越えてほしい」
「魔女を乗り越えた先にきっと、"本当の敵"が君に襲い掛かる」
「だからこそ、君と君の魔女には絶対的な信頼が必要なんだトランヴェル」
「君が手に入れようとしている新しい魔女は今までの中でもレアな存在。魔女を魔女にするという暴挙」
「それが吉とでるか凶と出るかは開けてみないとわからない」
ベルチカの声が徐々に遠ざかっていく。
トランヴェル
(おい……また逃げるのかベルチカ!?)
ベルチカ
「大丈夫だよトランヴェル。もうゴールはそこまで来ている」
「皆を救いたいなら、未来を救いたいなら、絶対に負けてはいけない」
「また会おう……トランヴェル」
トランヴェル
(ベルチカあああああああ!!!)
フィイイイイイン!!!
トランヴェルの脳裏にカローナとソフィアの会話が映し出される。
ソフィアは自ら開発した洗脳魔法をカローナに通じるか試そうとしていた。
そしてカローナは自分の意思を失うことに恐れをなして、それを拒んでいた。
トランヴェルの耳元にカローナの心の声が聞こえてくる……。
どうしてソフィア……どうしてダリアも私も殺そうとするの?
信じられない……今まで一緒に……一緒にここまでやってきたのに。
どうして…?なんで…?なんで私たちを洗脳するの?そんな必要があるの……?
騙された……。裏切られた……。やっぱり上級魔女は下級魔女を道具としかみていない。
一緒に世界を覆そうって言ってくれたあの言葉も……下級も上級も関係ないって言ってくれたあの言葉も……。
ダリアも私も立派な魔女だって言ってくれたあの言葉も……!
すべて……嘘……
ああ……
嫌だ……
嫌だ嫌だ嫌だ!!!
こんなところで死にたくない……!
自分が自分で無くなることが怖い……。
誰か……誰か助けて……誰か!
フィイイイイイン
カローナの脳裏にトランヴェルの記憶が映し出されていく。
(これは……何?)
トランヴェルが人間たちに魔女の力を与え、様々なピンチを乗り越えてきたシーンが映し出されていく。
ペルー村の魔物たちの襲撃、魔女協会の魔物との戦闘、王宮でのカローナたち魔女たちとの死闘、そしてラウル研究所での龍との戦い。
様々な困難をトランヴェルたちは乗り越えてきた。
(なんで……?)
(何で人間が……私たちに勝てるの?)
(どうして私たちより弱いはずの人間が…私たちを超えるの?)
フィイイイイイン
カローナの脳内にトランヴェルの言葉が入ってきた。




