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カローナの記憶23

カローナ

「なんだこのバカでかい魔物は……初めて見た」


ソフィア

「これ…ノーズっていうダマの手下だわ」


カローナ

「ノーズって…あのワニみたいな魔物だよね?こんなに大きかったっけ?」


ソフィア

「大量の魔法粒子を含んでいるわ。これで大きくなったのでしょうね」


カローナ

「本当だ……すごい量の魔力を感じるわ。一体何が……」


ソフィア

「ん……?わずかだけど"魔女"粒子を感じるわね」


ダリア

「え……?どこどこ?」


ソフィア

「彼のあらゆるところから感じる。本当にわずかだけど」


カローナ

「うわ…本当だ。よく気づいたねソフィア」


ダリア

「まさか……私たち以外の魔女がここにいるのか!?」


ソフィア

「……どうかしら?魔女粒子は感じるけど、大した量ではないわね」

「魔女がここにいたにしては、魔女粒子が小さすぎる。もしかしたら魔女ではなく魔力の高い人間かもしれない」


カローナ

「人間が魔女粒子を?それは流石に無いんじゃない?」


ダリア

「でもこの魔女粒子の量は本当に少ないわね。魔女ならもっと多いはず」


ソフィア

「不可解なことが多いわね……そうだ。ダマのところに早く行かないと」

「カローナ。ダリア。あなたたちはノーズを復活させといて。何があったのか聞き出すのよ。私はダマのところへ行く」


ダリア

「わかったわ」


ソフィアは転送魔法でダマの元へ急ぐ。そしてダリアとカローナはこの場に残った。


ダリア

「さてと」


ダリアはノーズの死骸に手を当てて、ノーズを蘇らせた!


フィイイイイイン


ノーズの体とは別に、その場で新たに肉体が生成されていく。その肉体は人間の姿をしていた。


ノーズ

「うう…?」


ダリア

「人間の姿に戻ったね」


カローナ

「蘇生だから、魔物の姿ではなく、元の人間の姿に戻ったというわけね」


ノーズ

「ここは……?」

「そうだ!あいつらはどこ行った!?ダマ様は!?」


ダリア

「あいつら?一体貴方たちの身に何があったのかしら?」


ノーズ

「お前たちは……」


ダリア

「ノーズ。あなたはついさっきまで死んでいたわ」

「私が貴方を蘇らせたの」


ノーズ

「蘇らせた?っは!?」


ノーズは自分の姿が魔物ではなく、人にもどっていることに気づいた。


ノーズ

「……私は…死んだのか?」


ノーズは状況が把握できておらず、思考が停止していた。


ダリア

「この有様は何?何があったの?」


ノーズ

「……我々はたった数人の女どもに滅せられた」


ダリア

「女……?もしかして魔女!?」


ノーズ

「わからない…やたらと高い魔力を持っていた」

「奴らとの戦いで私は敗れたのだ」


カローナ

「確かに魔女粒子があるってことは並大抵の人間では無いわね。それともやはり私たち以外の魔女がここにいたのかも」


ノーズ

「そんなことよりダマ様を探さねば!!」


ノーズはいきなり走り出した!


ダリア

「おい!!待て!!」


一方、ソフィアは転送魔法でダマの目の前に転送し、辺りを見渡していた。

そこにはダマの死体以外、誰もいなかった。


ソフィア

(遅かったか……しまったわね。話している場合じゃなかった)


ソフィアはダマの死体に手をかざし、復活魔法を使用する。

ダマの体は溶けだし、そして彼の頭のみ残った。そしてダマは息を吹き返し、目を開ける。


ダマ

「ううう……ここは?」


ソフィア

「ダマ。目を覚ましたわね」


ダマ

「お前…ソフィア!?」

「俺は……お前に殺されたんじゃ……」


ソフィア

「あれ?私が貴方を自害させたことを知っているのね?」


ダマ

「一体どういうことだ!?なぜ私は殺され、なぜ今生きている!?」


ソフィア

「あなたが私の存在を誰かにバラそうとしていたから死んでもらったわ」

「そして貴方からここで何があったか聞き出すために生き返らせたってわけ」


ダマ

「……生き返らせた?お前ら魔女は命を復活させることもできるのか!?」


ソフィア

「見ての通りできるわ」

「さあ今度は私の質問に答えて頂戴ダマ」

「あなたは一体誰と会話をしていたの?」


ダマ

「……それはわからない」


ソフィア

「なんですって?」


ダマ

「俺の心の中に鳥みたいのが入ってきたんだ」

「そいつが俺の記憶を見ていたんだ」


ソフィア

「鳥……?記憶を見ていた?もっと詳しく教えて」


ダマはソフィアに彼の身に起こったことを話した。

彼の話では、騎士団が攻め込んできて魔物が淘汰されたという。

そして騎士団とは別の人間がノーズたちを倒し、そして鳥のようなものがダマの心の中へ話しかけてきたという。


ダマから情報を得たソフィアは一度ダリアとカローナのもとに戻った。

ダマの騎士団が襲ってきたという話から、ソフィアたちは、ノーズに付着していた魔女粒子は人間から発せられた可能性が高いと考えた。

魔女粒子は大量の魔法粒子を凝縮した粒子と同義であり、人間が生み出した可能性が高いと踏んだのだ。

しかし、ダマの言う「心の中に入ってきた鳥」が一体何なのかわからなかった。


ソフィア

「とりあえず今日は退散するとしましょうか」


ダマ

「おい…生き返らせてくれたのはいいが、この首だけの状態では何もできんぞ」


ソフィア

「ごめんね。生き返らすことができても、体が五体満足で復活するとは限らないの」

「ノーズがいるでしょう。彼を手足にして頑張りなさい」

「そういえばノーズは?」


カローナ

「どっか行っちゃった」


ソフィア

「……」

「とりあえず今日はノーズの魔物の死骸をもらっていくわ。魔法粒子をたくさん含んでて何かと使えそうだし」


ソフィアはノーズの魔物の死骸を自分のアジトへ転送する。


ソフィア

「また貴方の元に来るわ。今日はこれで」


ダマ

「待て!!」


ソフィアたちは魔法陣を使って、自分たちのアジトへと帰っていく。


ダマ

「……恐ろしい奴らだ」

「まさか命を復活させることができるとは……奴らの存在は思った以上にとんでもない」

「このまま奴らに接していいものか……いや……」

「いずれ奴らに俺は殺されるだろう」

「奴らの呪縛から逃れるためにはここにいてはダメだ……」


頭のみのノーズはズルズルと前へ進み、魔女信仰協会から出ていった。


ノーズ

(……まずは移動手段を考え…それからミスリルのもとへ行こう)

(奴ならばきっと何か魔女に対抗できるものを作れるはずだ)

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ツイッター:@hukurai_eichi
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