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カローナの記憶19

国民

「ピレネー国王!!」


周りは歓声で満ちあふれていた。

ツクヨ死後、ツクヨミ国では新たな王が即位することになった。

ピレネー国王。22歳わずかという最年少の国王がここに誕生したのだ。

ツクヨの継承者はピレネー以外にも候補がいたものの、

ピレネーがツクヨミ一族であることに加え、国民からの信頼が厚いことから彼が王として継承することになった。


ダリア

「まさかこうも早く彼が王になるとは……」

「ソフィア…もしかしてあんたなんかした?」


ソフィア

「いいえ。私は何もしていないわ」

「ただ自然に。事の成り行きで、彼は王となったのよ」

「私たちが手を下すまでもない。だって彼は……」

「魔法のことが大好きなのだから」


カローナ

「……」

「まさか…ピレネーがツクヨをはめったってことはないだろうね?」


ソフィア

「さあ?本人に聞いてみたら?」


ピレネーが即位してから、すぐにソフィアたちはアポロへ戻ることになった。


ソフィア

「ピレネー国王…。ご無沙汰しております」


ピレネー

「ソフィア!よく帰ってきてくれた!」


ピレネーはうれしそうな顔で、両手でソフィアの手を握る。


ピレネー

「3人には本当に悪いことをしたと思っている…」

「でももう大丈夫。今からもう一度魔法を全世界に布教させる」


ソフィア

「ありがとうございますピレネー国王。我々もまたここに戻れるとは感激です」


ピレネー

「これからはこの王宮で住んでほしい。そしてまたケプラー国王の時のように君たちにたくさん権利を与えるよ」

「それから……君たちに側近を置くことにした」


ダリア

「側近?」


ピレネー

「ミドラス!ガラウ!」


ミドラス

「はッ!」


ソフィアたちの前に二人の男がやってきた。


ガラウ

「私はガラウと申します。何卒宜しくお願い致します」


ミドラス

「私はミドラスです。偉大なる魔女よ。お会いできて光栄です」


二人の指導者はソフィアたちに頭を下げる。


ソフィア

「この二人は?」


ピレネー

「彼らは指導者だ。是非彼らをうまく使ってやってほしい」

「彼らは国の中枢の一つだ。彼らの権力があれば何でもできよう」


ソフィア

「……!」

「ご配慮いただきありがとうございます」

「二人ともよろしく」


ミドラス

「ははッ」


ソフィアたちはピレネーの意向で指導者の上に立つことが許された。

ピレネーはソフィアたちを特別扱いし、魔法文化を広める計画を立てていたのだ。

そして、ツクヨ時代では魔法の訓練や教育が禁止されていたが、

ピレネーの時代から、再開することになった。

一度魔法の展開は妨げられたものの、再び息を吹き返し、瞬く間に広まっていった。

アポロ国営研究所は宇宙開発だけでなく、魔法の研究もメインで行う方針へと変更された。

パール所長は退所し、そして新たにガゼルという男が所長として配属することになった。


ピレネーが王となってから約20年が過ぎた。

魔法は世界でも普遍的なものになりつつあり、そしてツクヨミ国は魔法文化の先進国として君臨していた。


ソフィアたちはこの時、魔法を開発することに勤しんでいた。

彼女たちが開発している魔法は時間停止魔法と氷魔法を組み合わせたものだ。

瞬間的に相手を凍らせ、そして心身共に時間を停止させることができる。

ソフィアはその魔法を実験したいと考え、アポロ国営研究所の外れにある山で試すことにした。


ソフィア

「さあ…どのくらいの規模になるかしら?」


ソフィアは思い切って氷と時間停止の混合魔法を生成する!

あたりは冷えだし、そして突然吹雪が吹き荒れる!


ゴオオオオオオオ!!!


その吹雪は周りにあった草木を凍らしていく。


騎士

「な…なんだ!?」


たまたま近くに国営の騎士団がいた。

騎士団たちはその魔法の実験範囲に入ってしまったのだ。


ソフィア

「あら?人間が何人か入ってしまったようね」


騎士団たちは次々と一瞬で氷漬けにされていく!


ソフィア

「どうやら人間にもちゃんと効果が出るみたい」

「まずまずの成果ね」


ソフィアは騎士団たちが凍っていく様を見届ける。


ソフィア

「彼らは騎士団か……。ここ数年間、彼らの魔力を強化してあげたのに…この程度の魔法で凍っちゃうのね」

「やっぱり人間は弱い」


ジャキッ!!


ソフィアの目の前に一人の騎士が剣を構えて立っていた。


ソフィア

「ほう…まだ一匹生き残っていたか」


騎士

「はあ…はあ……貴様…何者だ?」


ソフィア

「フフフ……私は魔女♪」

「やっぱ人間って思った以上に脆いんだね」


騎士

「魔女だと……」

「おのれ!!」


その騎士はソフィアに向かって斬りかかる!


ガキイイイン!!!


ソフィアに触れた剣は一瞬にして凍ってしまった。

そして斬りかかってきた騎士も全身が凍り、動かなくなった。


ソフィア

「脆い」

(いまだに人間がこんなレベルの強さじゃ…大ババたちと戦うのは夢のまた夢ね)

(人間を強化するには何か特別な手段が必要ね)


ソフィアは魔法の効果を確認しては、すぐその場から消えた。


ガラッ………


氷漬けにされた人間たちの中から一人。ソフィアの実験魔法を受けたものの、運良く生き残っていたものがいた。


ドラフ

(……恐ろしい)

(……ここで俺は死ぬのか…?)


(いや…まだ死ねない)


その男は踏ん張って立ち上がり、少しずつ前へ前へと進んでいった……。

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