カローナの記憶15
翌日、ピレネーはソフィアのもとで魔法訓練を受けていた。
バチバチバチ!!
ピレネーは手のひらから電気を生み出していた。
ピレネー
「見てソフィア!ほら!!バチバチを生み出したよ!」
ソフィア
「見事ですわピレネー様。やはり飲み込みが早いですね」
ピレネーはソフィアたちの訓練により、魔法を使えるようになっていた。
ピレネー
「魔法ってすごいや……これがあればできないことなんて何もない」
ソフィア
「そうですねピレネー様。魔法があればこの世の道具や機械はほとんど不要となります」
「魔法によって人類はさらに新たな文明を築き上げることができるでしょう」
ピレネー
「そうだよね。魔法があれば何だってできる」
「こんなに素晴らしいのに、どうしてお父様は魔法を嫌うんだろう」
ソフィア
「……ツクヨ王子はやはり魔法にご興味が無いのでしょうか」
ピレネー
「うん。お父様はソフィアが僕に魔法を教えることをすっごい反対していたんだ」
「なんであそこまで嫌がるのか、僕も国王もわからないんだ」
ソフィア
「そうですか……」
「しかし、ピレネー様。ピレネー様がおっしゃる通り魔法は今後、人間の文化の大本となります」
「ピレネー様がこの国をお納めの際は、この素晴らしい魔法文化を広めて、全世界へ展開を図るのです」
「そうすればツクヨミ国は他国より先進することができ、そして世界の主導権を握ることができるでしょう」
ピレネー
「うん…そうだね!僕、頑張って魔法を体得して、この魔法を世界に広めたい!」
「そしてツクヨミ国を世界の中心として人類に大きな恩恵をもたらすんだ!」
ソフィア
「そうです。その意気です」
「さあ!そろそろ魔法の訓練を再開しましょうか」
ピレネー
「うん!よろしくお願いします!」
それから数年経過し、ピレネーは魔法を体得した。そして彼が国王として君臨した際には、魔法文化を世界中に広めることを有言実行した。
機械中心の世界から一気に魔法主流の世界へと早変わりしたのだ。
まだ全人類が魔法を使えるわけではないが、徐々に魔法文化が比重を占めていき、やがて機械は過去の文明として扱われるようになった。
ツクヨミ国は魔法文化の先進国として躍進し、それに対して機械文明を謳歌していたフンボルト国が衰退していったのであった…。




