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魔女攻防

トランヴェル

(ララ!!)


ララの頭に大槌があたり、彼女はその場で倒れた……。


トランヴェル

(ララあああああ!!)


<キィィィィン>


トランヴェル

(ぐ……)


いきなり頭痛がトランヴェルを襲う……!

(この痛み……以前にも……)


<キィィィィン!>


痛みが更に増していく!!


(割れる……!?頭が……割れる!!)


トランヴェルの視界が暗くなる……。


???

「やあトランヴェル」


トランヴェル

(!……この声……どこかで聞いたことのある……)

(この幼い子供のような声……あの時の)

(確か……ベルチカとかいう奴の声……)


ベルチカ

「トランヴェル……面白いことになってるネ!」

「魔女を倒すどころか、自分の魔女が死にそうになってるとか笑えるねえ」

「まだまだ魔女を倒すには程遠いなあ」


トランヴェル

(ッ………)


ベルチカ

「そんな怖そうな顔しないでよ~!新しい知識と技量を与えてやるから許して!」


トランヴェル

(……新しい知識と技量だと…?)


ベルチカ

「そうそう!君がもっとこの世界で頑張れるように次のステップへ導いてあげるよ」


<ガガガガガガガガガッ!!!!>


トランヴェル

(がああ………頭が………!?)


トランヴェルの脳裏に複数の数列が浮かび上がる…!


トランヴェル

(これは……!?)


<ガガガ!!!>


ベルチカ

「はてさて…この能力を君はうまく使えるかな?」


トランヴェル

(……!)


トランヴェルの頭に新たな能力が追加された……。


(記憶を埋め込む能力……)


ベルチカ

「そう……トランヴェルがこれまで見てきた<記憶>を第3者の脳裏に再生させる能力」


「ぜひぜひ人間を魔女化させる時に活用していただきたい」


トランヴェル

(……!?)


ベルチカ

「まだまだ魔女を倒すには時間がかかるだろうけど、頑張ってよ」


トランヴェル

(お前は…なぜ俺に力を与える?そもそもお前は何者なんだ?)


ベルチカ

「僕の正体?フフフ~それは内緒だって」


「ただ一つ言えるとしたら僕は君の味方だよ!」


トランヴェル

(……教えてくれ……俺は何者なんだ?)


ベルチカ

「君は単なる駒だよ?」


トランヴェル

(駒だと…?)


ベルチカ

「そう君はこのゲームの駒」

「単なる駒だけど、重要な役割を担っている。将来化けるかもしれないね」

「だからせいぜい楽しむといいよ!このゲームをさ!」


トランヴェル

(貴様……どういう意味だ!?ちゃんと説明しろ!?)


ベルチカ

「大丈夫!君がこの世界を生き続ければいずれ真実にたどり着けると思うから!」

「旅路を楽しんでねトランヴェル」


「そして死んではだめだよ!駒とはいえ、重要な役割を担っているんだなら。死んだら終わりだからね!」

「このゲームはさ……コンテニューできないんだ」

「大丈夫!僕は君をアシストするし、君が次ステップを踏めれば、また新しい能力を与えることができる!」


「さあ行きなよトランヴェル!君の魔女を生かすのも殺すのも君次第だ!」


<キイイイイイイイイイン!!!>


また強烈な頭痛がトランヴェルを襲う!


トランヴェル

(待て…待ってくれベルチカ!俺にはまだ聞きたいことが!)


ベルチカ

(また会えるさトランヴェル!君は優秀な…)


<ガガガガガガ!>

ベルチカの声が途中で途切れる…。

そしてトランヴェルの意識は現実に帰る。

目の前には頭が潰れた少女が倒れていた。



トランヴェル

(……何なんだこの世界は…私はどうしたらいいんだ……)

(どうしたらこの少女を救えたんだ……)


カリア

「いやあああああああああああああッ!」


ガゼル

「カリア……!」


そこには一人の少女は立ちすくんでいた……。

友人が目の前で殺されたのだ……。

あまりの惨状に言葉を失う……。


ガゼル

(最悪だ……)

(何故ここにカリアが…どうしてこのタイミングでカリアが…)


ドラフ

「まだ生きてるかもしれん……止めをさせ」


マダランダがドラフの命令に従おうと槍を構える…。


カリア

「辞めて!」


カリアは倒れているララをかばう…。


「どうして…どうしてこんなことに…」


ララの頭は右半分つぶれており、また全身血だらけだった。


マダランダ

「どけ!」


マダランダはララにしがみついたカリアを無理矢理引き離そうとする。


ガゼル

「カリア……!」


カリア

「お父さんどうして!?」

「どうしてララが死ななきゃ行けないの!?」


ガゼル

「ッ……」


ドラフ

「無理やりでも引き離せ」


カリア

「嫌だ……嫌だ!!」


カリアがララから引き離されそうになったとき、

彼女の耳元に声が鮮明に聞こえる……。


トランヴェル

(頼む……ララを救ってくれ)


カリア

「…!?」


トランヴェル

(ララに罪はない……)


カリア

「誰!?……あっ」


カリアはマダランダに無理矢理ララから引き離された!


ララ

「カリア……」


カリア

「ララ!」


ドラフ

「まだ生きてるぞ!!止めを!」


カリア

「ダメ!」


トランヴェル

(頼む……魔女になってララを助けてくれ!)


カリア

「!?」

カリアの耳元にまた鮮明な声が聞こえる!


カリア

「……魔女」


トランヴェル

(ララを救えるのは……君しかいない)


トランヴェルは一か八かカリアへ説得を試みた……。

この状況を打破するにはもうカリアに助けてもらう他はない……。


トランヴェル

(ララはこの村を救った……魔物から村を救うために私が彼女に魔女の力を与えたんだ……)


カリアの脳裏に映像が浮かぶ……

ララが魔物に襲われ、重傷を負い、さらに金色のフクロウの言われるがまま魔女となっていく様を…。

そして彼女が魔物を焼き払い、村を救ったことを…。


カリア

(何…これ……)


トランヴェル

(これは昨日の村の出来事だ…私の記憶を君に見せている)

(彼女は魔女となって村を救った…それは間違いのない事実)

(国や村の人間は彼女を魔女であることをつき止めた…そして奴らは彼女が魔女であるがゆえに殺そうとしている)


カリア

(そんな…)


トランヴェル

(ララは魔女だが人間の味方だ…だって彼女は村を救うために魔女になったのだから)

(彼女に罪はない……だから彼女を救いたい)


(頼む……彼女を救うためには魔女の力が必要なんだ)

(頼む…魔女となってララを助けてやってほしい!)

(ララを救えるのは……君だけなんだ!!)


カリア

(……)


ミハエルは再び槍を構える…!


トランヴェル

(頼む!ララを助けてくれ‼)


ミハエルの槍がララの心臓に向かって放たれる!


バキイイ!!!!


ララへ放たれた槍が真っ二つに折られた!


ミハエル

「!?」


ララの腹部に薄いバリアが張られている……!


ナハンジ

「どけ!ミハエル!!」


ミハエルは瞬時にその場を離れた!

そしてナハンジから強烈な炎が放たれる!


バシュウウウウウ!!!


ナハンジ

「何!?」


ナハンジの炎がバリアにかき消される…。


ドラフ

「ぐ……もう効果が切れたのか!?」


ドラフはもう一度銃器をララへ向け、魔法無効薬を放つ!


パアアアアン


ドラフ

「!?」


ガンッ!

カラン…カラン…


無効薬が入った弾が地面に転がっていく…。


ドラフ

「なんだと…」


ララの前にはカリアが立ち尽くしていた。

彼女はドラフの放った弾をはじいたのだ…。


ブワッ


カリアとララの周りに大きな魔法障壁が張られる…!


カリア

「もうこれ以上ララをいじめないで……」

「これ以上…ララには指一本触れさせない……誰であろうと」


カリアはララを抱える…。


「さあ…ここから出よう…ララ」



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