カローナの記憶12
ドドドドドドドドド……
ティコ国の兵士がルナ街へ行進していく。
ツクヨミ国の領土であるルナ街を攻め落とすためだ。
ティコ国兵士A
「ここを攻め落とせば、我々が有利になるに違いない」
ティコ国兵士B
「ここで生き残って必ず故郷へ帰ってやる……」
ティコ国兵士C
「大丈夫だ。我々にはフンボルトの最新兵器がある。これなら敵に近づかなくても戦える」
ティコ国兵士A
「つまり、接近しない以上、俺たちは血を流さずに戦えるってことだ」
ティコ国兵士C
「それにだ。仮に敵がここまで来たとしても、我々には援軍がいる」
ティコ国兵士B
「そうだな…以前よりかはマシになっている…全員無事に帰れるはずだ」
ティコ国兵士たちは総勢100名規模。ルナ街の裏にある山で待機し、
そして兵士たちは最新兵器であるバズーカ砲を準備する。
ティコ国兵士A
「これならあの街ごと一撃で吹っ飛ばせるはずだ!」
ティコ国兵士B
「敵がもし逃げ出したら、銃撃。忘れるなよ?」
ティコ国兵士C
「わかってるよ!一人残らずあの悪魔どもを皆殺しにしてやる!!」
ティコ国兵士たちはバズーカ砲の標準をルナ街の中心に定め、
そして指揮官の合図と共にバズーカ砲を放った!!
爆撃弾がルナ街に向かって飛んでいく!!
ティコ国兵士A
「こいつでお終いだ!!」
ドオオオオオオオオオ!!!
爆撃弾が爆発し、ルナ街全体が爆発に巻き込まれていく!!
ティコ国兵士B
「やった!やったぞ!!すごい威力だ!!」
バチバチバチ……
ティコ国兵士C
「なんだ……様子がおかしいぞ」
爆発が収まり、そして立ち込めていた煙が消えていく。
そして煙の中から姿を現したのは、全く爆発の被害を受けていないルナ街であった!
ティコ国兵士A
「な…!?」
バチバチバチバチバチバチ!!!
ルナ街の周囲にバリアが貼られていた!
そのバリアにより、爆撃弾が防がれたのだ!
ティコ国兵士A
「ルナ街に被害なし!!」
ティコ国兵士C
「どうなってるんだ…!?」
ドドドドドドドドドッ!!!
ルナ街の住宅地から炎魔法がティコ国兵士たちがいる山に向かって放たれていった!!
ティコ国兵士A
「何か飛んでくるぞ!?」
ドオオオオオオオオオ!!!
ティコ国兵士C
「うわああああああ!?」
ティコ国兵士たちは次々と炎魔法に被弾し、一瞬で体が蒸発してしまった!
ケプラー国王
「……これが魔法…!」
ソフィア
「そうです。ケプラー国王。これが…魔法です!」
ソフィアたち魔女と出会った日、ケプラー国王は結局魔女たちと契約を交わした。
ソフィアたちはツクヨミ国に加担し、ティコ国、カグヤ国と戦争をしていた。
カローナ
「大した攻撃じゃなかったね。さっきの」
ティコ国兵士たちの攻撃を防ぎ、さらに炎魔法を放ったのはカローナだった。
ティコ国兵士B
「な……何が起こったんだ!?」
ティコ国兵士たちは想定外の出来事にパニックに陥っていた。
ソフィア
「今がチャンスですね……それでは魔法部隊を出陣させましょう」
ケプラー国王
「……ああ。頼む」
ダリア
「さあ、お前たち!日頃の成果を見せてみろ!!」
ツクヨミ国兵士
「うおおおおお!!!」
ルナ街からアポロの兵士たちが次々と弓矢を放っていく!!
彼らは魔力を腕に込めて、通常の3倍以上の力で弓矢を放っていく!
そしてその弓がティコ国兵士たちへ突き刺さっていく!!
ティコ国兵士B
「バカな…こんな距離で…矢を当ててくるだと!?」
ドドドドドドドドド!!
ティコ国がいる位置とは別のところから、カグヤ国の兵士たちがルナ街に向かって特攻していく!
ティコ国兵士B
「来たか……!援軍だ!!」
カローナ
「あれ…?あれはカグヤ国の兵隊だ」
ケプラー国王
「奴ら……まさか」
ソフィア
「ケプラー国王。もしかしたらカグヤ国とティコ国は裏で同盟を組んでるかもしれませんね」
「あまりにもタイミングが良すぎる。元々援軍として来るように計画されていたに違いありません」
「しかし心配はご無用です国王。我々には魔法部隊がいます」
「魔法部隊がすべての敵を倒してくれるでしょう」
ツクヨミ国の魔法部隊は襲い掛かってくるカグヤ国の兵士たちに向かって矢を放つ!
矢は全てカグヤ国の兵士たちの顔面にヒットする!!
ダリア
「よし!最後の仕上げだ!全員炎魔法の生成!!および前面の敵へ一斉に放て!!」
ダリアの合図と共にツクヨミ国の兵士たちは小さな炎魔法を生成し、それをカグヤ国の兵士たちに放つ!
カグヤ国の兵士たちは炎魔法に直撃し、次々と爆散していった!
ティコ国兵士B
「バカな……」
ティコ国兵士100名とカグヤ国兵士90名がわずか数分で全滅した。
そして対するツクヨミ国の兵士は無傷であった。
ソフィア
「我々の勝利です国王!」
ツクヨミ国の兵士
「うおおおおおおお!!!」
兵士たちは勝利の雄たけびを上げる!!
ルナ街にいる国民全員が歓喜する!!
ソフィア
「いかがですか国王?魔法部隊は?」
ケプラー国王
「……見事だ」
この日、人類が初めて魔法で戦闘に勝利した。
この日を境に戦況がガラリと変わり、瀕死状態であったツクヨミ国は打って変わって勝利を積み重ねていった。
カグヤ国とティコ国は同盟を組んだものの、ツクヨミ国に大敗し、敗戦する結果となった。
ソフィアたちが国にもたらした魔法は恩恵が大きく、そして彼女たちが言うようにツクヨミ国は魔法の大国となった。
以後、ツクヨミ国はカグヤ国とティコ国を吸収し、ツクヨミ国を再建することに成功した。




