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カローナの記憶6

ソフィア、カローナ、ダリアはアルヴェが海辺で見つけた「歪み」から人間世界へと入っていく。


カローナ

「ここが……人間の世界……」


ダリア

「私たちのいる世界と何ら変わりはなさそうね」


ソフィア

「まず人間を探しに行きましょう。あそこに町があるからあそこに行きましょう!きっと人間がいるわ!」


ソフィアたちは浮遊し、上空から人間の住む町を見下ろす。

そこにはソフィアたち魔女に似た人間が何人か歩ていた。


ダリア

「あれが……人間」


ソフィア

「そうあれが人間。人間は私たちと違って性別があるの。ほらあそこを見て」


ソフィアが指さしたところに人間の男女が手を繋いで歩ていた。


ソフィア

「短髪で筋肉質な方がオス、そして髪の長い方がメスよ」


ダリア

「性別がある点は動物と一緒だね」


ソフィア

「あと人間の特徴は………あっあそこ見て!」


ソフィアは指をさす。ダリアとカローナはソフィアの指さす方へ顔を向ける。

そこでは二人の男が殴り合いの喧嘩をしていた。


カローナ

「手で戦ってる……?」


ソフィア

「そう。人間たちはああやって手を握って"こぶし"をつくって、叩き合うの」

「普段の生活では殴り合いが多いけど、戦争の時は道具を使って敵を倒そうとするわ」


ダリア

「戦争なんてしてんの?戦争って本の中の世界だけだと思ってた」


ソフィア

「実際に人間たちは本の世界のように戦争をしているわ」

「土地や食物の奪い合いや、己の属する集団の優位性を示すために戦争が起きているみたいよ」


カローナ

「土地や食物って…そんなちっぽけな理由で命の取り合いをしているのか……やはり動物的だな」


ダリア

「私たち魔女は魔法を競い合うことはあるけれど、人間のように資源の奪い合いをすることは無いもんね」

「そういった意味では人間と魔女って見た目は似ているけど、中身は全然違うのね」


ダリア

「人間の集団は私たちの魔女会と似たようなものなのかしら?」


ソフィア

「そうかもしれないね。でも私たちはお互いの利益のために魔女会に属すわけでしょう?」

「私たちは別に集団に属さなくても生きていける。でも人間たちは集団に属さないと生きていけない弱い生き物なのよ」

「人間は戦闘能力が低いから群がるのが習性みたいよ」


カローナ

「フーン……人間って大変だな」


ソフィア

「人間は生き返れないし、魔法も使えない。だからできるだけ仲間を手元に置いて、お互い支え合って生きていくのがスタンスみたい」


ダリア

「人間ってのがどんなものなのか、なんとなくわかってきたけど、こんな弱小生物を見てどうするつもり?」


ソフィア

「そうね……。私たちが人間を見ることの目的、そしてこれからの目的のことを話すわ」

「あの山の頂上で話し合いをしましょう」


ソフィアたちはそのまま人間の町を抜け、山の頂上へと向かっていく。

それからソフィアたちは山の頂上にたどり着き、それぞれ地面へ降り立つ。


ソフィア

「じゃあ……今から私がプランしている内容を話すわ」

「いい二人とも?前にも言ったけど、私たちアッシュペインの目的はあの魔女世界を覆すことを目的としているわ」

「魔女世界に変革をもたらす。これが私たち魔女会の目的よ」

「言い換えれば……あの既得権益の大ババを倒すことよ!」


カローナ

「うん。それはわかってる」


ソフィア

「それじゃあ、どうやってあの大ババを倒すか」

「大ババの権力は最高位であって、ほとんどの上級魔女が大ババの味方よ」

「いや……味方というより大ババの管理下にあるのよ。つまり大ババと戦うということは大勢の上級魔女を相手にしなくてはならないの」


ダリア

「……」


ソフィア

「ダリア。あなたがそんな怯えた顔になるのも無理もないわ」


ダリア

「お……怯えているだなんて……そんなことは……」


ソフィア

「いいえダリア。それが普通の反応よ。大ババに歯向かうということは死を意味しているからね」

「他殺では死ねない私たち魔女が、あの大ババ相手では殺されてしまうということなのだから」


カローナ

「……どうやってあの化け物を倒せばいいんだ…」


ソフィア

「大ババや上級の魔女たちを相手にするには、それに対抗できるほどの集団をつくらなくてはならない」

「シンプルに考えて、大ババを倒す方法は2つ」

「大ババを囲う上級魔女たちを抑えられるほどの集団を作り上げること」

「それから、あの化け物である大ババを倒せるほどの次元を超えた魔法を生み出すこと」

「この2点……この2点をクリアさえすれば、私たちはあの大ババを倒せる」


カローナ

「……しかし……どうやって……」


ソフィア

「そこでこの人間世界を利用するのよ」


カローナ

「人間の世界を利用?」


ソフィア

「そう。この人間世界を利用して、私たちアッシュペインは大ババの魔女会を超える強力な集団を作り上げるの」

「今から人間世界の利用手段を話すわ」

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