カローナの記憶5
アルヴェ
「どう?興味湧いてきた?」
ダリア
「………本当にそんな生き物いるの?」
ダリアとカローナは、アルヴェから一通り人間の話を聞いた。
しかし、ダリアはアルヴェの話が嘘偽りじゃないかと疑っていた。
アルヴェ
「貴様…私がウソをついているのとでも言うのか!?」
ソフィア
「まあ待ってアルヴェ。ダリアたちだって自分の目で確かめなきゃ、本当かどうかだなんてわからないわ」
「だって人間とかいう生き物は誰も知らないのだから」
「だから、今から人間を見に行こうと思うの」
アルヴェ
「なんだって!?」
ソフィア
「私たちアッシュペインが人間を観察しに行くのよ」
アルヴェ
「こんな下級の魔女たちを連れていくというのか…?」
ソフィア
「アルヴェ。下級も何も関係ないわ。ダリアとカローナは私の大切な仲間だもの」
カローナ
「ソフィア……」
アルヴェ
「……ついていけないわソフィア。私は一緒に行くのはごめんだからね」
ソフィア
「そう…。わかったわアルヴェ。また私に協力してくれたら幸いよ」
アルヴェ
「……また魔女会で会いましょう」
「それとくれぐれも人間の存在は外部に漏らさないこと。いい?」
ソフィア
「もちろんわかってるわアルヴェ。人間は私たちとアルヴェだけの秘密」
アルヴェ
「わかってればよろしい。じゃあねソフィア」
アルヴェは転送魔法を使って、その場から立ち去る。
ソフィア
「さてと…」
「じゃあさっそく出かけるわよ。ダリア、カローナ」
ダリア
「出かけるって…人間っていう生き物を見に?」
ソフィア
「そうよダリア。これからのアッシュは人間に深く関わっていくことになるわ」
「私はその人間たちを使って、とある目的を達成させなければならないの」
ダリア
「とある目的…?」
ソフィア
「そう……私には夢があるの」
「二人とも聞いて……私がどうしてこのアッシュを立ち上げたのか、どうして私は大ババの魔女会を去ったのか」
カローナ
「ごくり……」
カローナとダリアは息をのんだ。
ソフィア
「私はね。今の魔女世界があまり好きじゃないの」
「だってそうでしょ?下級やら上級やらで魔女たちを差別しているこんな世界は、面白くないじゃない」
「ダリアだって、カローナだってこんなに優秀な魔女なのに!」
「下級というレッテルを貼られて、損した生き方を強いられている」
カローナ
「……」
ソフィア
「だから私はね……こんな仕組みを作った大ババが許せないの」
「あいつがこの世から消えない限り、ずっと魔女世界は不自由な世界になるわ!」
「そもそも私たち魔女は自由であるはずなのに!魔女会なんて所属しなくても個人で生きていけるのに!」
「それなのにこんな窮屈な魔女会とやらに私たちは縛られる!ありえない…ありえないわ!!」
「誰がそんなルールを決めたと思う?それは最古の魔女大ババよ!」
「あいつが最初に神から生み出されたから、あいつが仕切るような世界になってしまった!」
「ただ先に生まれたという理由だけで、全てこの魔女世界のルールも秩序も決めてしまった!!」
「ありえない……いや…許せない!!」
「あんなババアが決めたクソ下らない世界!!そんなもの……私が壊してやる!!」
ダン!!!
ソフィアは壇上で片足を強く踏み込んだ!
ダリアとカローナはその音にびっくりし、体が硬直する。
ソフィア
「そう……だからね……。私の目的は……」
「大ババの魔女会を潰して新たな魔女世界を築き上げることなのよ!!」
カローナ
「……!」
ソフィア
「だからダリア!カローナ!!私に協力して頂戴!」
「当初あなたたちに告げたように、私たちアッシュペインは今までにない最高の魔女会に仕立て上げるわ!」
「下級も上級も無い、すべて平等で自由な魔女世界をつくるのよ!!」
「ダリアもカローナも嫌でしょ?ずっと下級魔女という烙印を押されるのは!」
ダリア
「!」
ソフィア
「下級も何も関係ない!だって私たちは同じ魔女だもの!!」
「だから力を貸して二人とも!!私はこのアッシュで既存の魔女会を…大ババの世界を破壊するわ!!」
ダリア
「うん…うんうんうん!!そうだよね!!さすがソフィア!!」
カローナ
「ずっと……ソフィアについていく。うん…革命を起こそう!!ソフィアのその夢を実現させよう!!」
ソフィア
「よし決まったわ!!じゃあ二人とも!!さっそく人間世界へ行くわよ!!」
「私たち3人で最高の魔法を作り上げ、人間で実験するの!人間は実験にもってこいの最適なサンプルなのよ!!」
「体の構成、衣食住もほぼ私たちと一緒!こんなサンプルどこ探しても見当たらないわ!!」
カローナ
「なるほど……それで人間に固執していたのか」
ダリア
「人間なら非力って話だから、サンプルとして捕まえるのも簡単そうね!」
ソフィア
「そうね……できれば力づくでは無く、人間を配下に置いて利用したいけどね」
「まあ……人間の取り扱いについては人間世界に行ってからじっくりと考えることにしましょう」
「さあ!!ダリア、カローナ!支度して!!」
「早く人間世界に行きましょう!!」




