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慈悲なる無慈悲な告発4

(あの凍てついた冷たい眼差し…)


(絶対忘れない…)


(あの魔女を…倒す…いや…)


(全ての魔女を……この世から消し去ってやる……!)


(だから……この少女に化けたこの魔女も……必ず倒す…!)


ゴオオオ……


カリアは目を覚ます。

外から何か爆発した音が聞こえてきたのだ……。

部屋の窓から外を覗く……。


カリアの目に入ったものは、暗闇の中にそびえ立つ禍々しい炎だった……。

彼女は嫌な予感がしていた……。


カリア

(お父さん……ララ……!?)


カリアはすぐさま部屋から出てペルー村へ向かっていった……。


カリアの向かう先のペルー村の御神体は身体に穴が空いており、顔も崩れていた……。

御神体の悲惨な状態はまるで村の惨状を表すかのようだ……。


バチッ…バチッ…。

地面の所々から稲光が走る…。

一人の女性が立ち尽くす…。

そして回りには多くの人間がひれ伏していた…。


ドラフ

「うぅ…」


「これは……何てことだ……」


回りの兵士たちは皆その場で倒れていた…。

そして魔女の周辺には魔女狩隊が膝をついていた…。


ナハンジ

「大丈夫か…?」


ミハエル

「……なんとか」


魔女狩部隊の何人かは意識があったが……サカとイトは倒れたままだった……。


ナハンジ

「体制を……立て直せ!」


バギィッッ!


稲妻がナハンジを襲う!


ナハンジ

「……!!」


稲妻の魔女

「まだわからないの?」

「貴方たちが束でかかってこようが……私の敵じゃないの」


ガゼル

「うぐ……ララ……」


コッホ

「……ば……化け物め……やはり……あれは演技だったのか…不覚……」


トランヴェル

(まずい……ララはもう完全に魔女となっている……)

(これではもう……人間としては生きていけない……)


ドラフ

「……やはり魔女狩隊では力不足か…」


ドラフは立ち上がり、右手と左手を上空にかざした。

そして魔方陣を呼び起こす…!


リリィ

(ドラフさん…まさか)


魔方陣から大きな機材が出現した…!

その機材はドラフの両腕に取り付き、彼の腰に装置された…!


ナハンジ

「ド…ドラフ…さん」


ナハンジは虫の息だ。


ドラフ

「もうこうなってしまっては仕方がない……一か八かだ……」


「まだ実験段階だが…やるしかあるまい…」


「私はあの時誓った…必ず魔女を殲滅させると…!」


ドラフは機材を作動させ、魔女に向かって右手をかざした!


稲妻の魔女

「まだ抵抗するの?こんなにも圧倒的な差があるのに」


「なら…これで終わらせてあげる……」


稲妻の魔女は片手を天にかざして、雷を集める!


トランヴェル

(ララ!やめろ!死んでしまうぞ!!)


稲妻の魔女は解き放つ!巨大な雷を!!


ズオオオオオオ!!!


稲妻は地面を消し炭にしながらドラフへ向かっていく!


リリィ

「ドラフさん!」


ガゼル

「ドラフ!!」


ドラフ

「貴様たち忌々しき魔女どもに消されてたまるか!!」


ドラフの纏う機材から起動する音が聞こえてくる!


ドオオオオオオ!


雷がドラフに命中する!


ガガガ…!


稲妻の魔女

「……!」


コッホ

「……なんと」


雷はドラフの右手によって差し押さえられた!

そして雷は抑えられるだけではなく、細かい粒子に分解されていった!


ドラフ

「ぐぐ……もてよ!!」


ドラフの右腕の機材が大きく揺れる!今にも壊れそうだ……。


ガガガ…!


雷が徐々に小さくなっていく……!


リリィ

「成功だ……やった!」


ドラフが身に付けている機材は魔女対抗具である。

ドラフが所属する研究所が長年かけて魔女討伐のために研究を重ねた結果である……!

これは血と汗と涙の結晶に他ならない……!


ガゼル

「魔法粒子分解……」


ガゼルは思い出す…研究所に所属していた頃を…。

当時ガゼルが魔法障壁装置の開発に勤しんでいたころを…。

ドラフはガゼルの研究所に所属しており、彼は魔女討伐のために魔法粒子の研究を進めていたのだ…。


ガゼル

「ついに…科学が魔法を解析することができたのか…」

「科学はまだ死んでいなかった……!」


ドドドドドォ!!


ドラフは片手では全ての雷を分解しきれないと判断し、

もう片方の腕で分解作業を強化した!


ドラフ

「まだ懸念事項はあったが……いける!」


稲妻の魔女

「ふうん面白いね……でも何発耐えられるかなー?」


稲妻の魔女は上空に無数の雷を作り出した!


コッホ

「な……嘘だろ!?」


ナハンジ

「いくらなんでも……あの数では……」


トランヴェル

(やめろ!ララ!!正気に戻れ!!)

(お前は皆を助けるためにその力を手にいれたんだろ!?)

(人を殺すためじゃないはずだ!!)


稲妻の魔女

「ぐ……」


稲妻の魔女の動きが一瞬止まる……!


ドラフ

「こいつを喰らえ!!」


ドラフは背中から銃器を取り出す!


パァンッ!


銃器から放たれた一発の弾は……

見事ララの肩に命中する!


バチバチッ!


稲妻の魔女

「……!?」


稲妻の魔女の両腕が下がる……。

そして無数の雷がどんどん小さくなっていく……。


ドラフ

「やった……」


「ついにやったぞ!」


リリィ

「これが……我々の力……!我々の成果!!」


ドラフの放った弾には魔女粒子の無効薬が含まれていた……。

過去に魔女との戦いから摂取した魔女粒子を研究し、

見事無効薬の開発へたどり着けた……。

正直効果の有無は不明だった……。しかし一か八か放った弾は魔女の魔力源である魔女粒子を抑えたのだ!


ドラフ

「魔女狩隊……!まだたてるか!!」


ミハエル

「まだまだ行けます!」


ミハエルを含め3人の兵士が立ち上がった!


ドラフ

「魔女に打ち込んだ無効薬はいつ切れるかわからん……!」

「倒すなら今しかない!」

「これで魔女を討伐すれば世界に希望をもたらすことになる!」


「魔女に屈しない!魔女に怯えない!そんな日々を迎えるために!」


「今こそ倒せええええええ!!!」


ドラフの咆哮と共にミハエルら魔女狩隊は魔女に立ち向かっていく!


魔女狩隊の一人マダランダが魔女へ槍を入れる!


ドス!!


見事魔女の身体に差し込む!

サカたちの時は剣先が雷により通らなかったが、

魔女の回りに纏っていた雷は消えており、完全に魔女の身体に差し込んでいた!


続いて魔女狩隊のヤゴオとミハエルも槍を入れる!


ドスドス!!


トランヴェル

(ララ!)


魔女は口から青い血を吹き出す!


トランヴェル

(やめてくれ……ララは……ララは何も悪くない!!)

(やめろおおおお!!)


稲妻の魔女は地面に膝をつく……。


ナハンジ

「止め!」


ナハンジは鎖を投げつける……!

その鎖にはハンマーがついていた…。


重々しい鈍器は……

罪のない村の少女の頭へ……


グシャッ







カリア

「……ララ?」


「ララあああああ」


そこには病室から駆けつけてきたカリアの姿があった……。


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