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不死山13

フィイイイイイン!!!


トランヴェルの記憶が徐々にカリアの脳内に入りこむ…!


カリア

「ああああ!?」


カリアは突然苦しみだした!


ソフィア

「なんだ!?どうした!?」


カリアの脳裏に初めてトランヴェルと出会った日のことが映し出される。

そしてマベルに助けられ、ペルー村へ向かい、ララと出会う。

さらにご神体でララが魔女狩隊に襲われているシーンが映し出され、

そして背後に1羽のフクロウがやってきた。

そのフクロウは黄金に輝いており、こうつぶやいた。


「頼む……ララを救ってくれ!!」


フィイイイイイン!!!


カリアは魔女となり、魔女狩隊からララを救う。


カリア

「何……この記憶?」


トランヴェル

(これが本当の過去の記憶だカリア)


カリア

「嘘…こんなの嘘の記憶よ!」


トランヴェル

(嘘じゃない。私とカリアはここで出会い、そして私の力で魔女になったんだ)

(ララを助けるために!)


カリア

「違う!私はあんたの力で魔女になったんじゃない!ソフィアの力で魔女になったんだ!!」

「あのペルー村の皆を皆殺しにした人間どもからララを助けるために!!」


トランヴェル

(違うんだカリア!!)

(ここにいる人間たちはペルー村の皆を皆殺しになんかしていない!!)


カリア

「嘘よ!!私たちを騙して魔法障壁を解除させて、魔物をペルー村に襲わせた!!そしてララに濡れ衣を着させてララを処分しようとした!!」


トランヴェル

(違うんだカリア!!)


フィイイイイイン!!!


カリアの脳裏にペルー村を襲っている魔物を駆逐するララの姿が映し出された!


カリア

「何…?」


トランヴェル

(ペルー村の魔物を退治したのは騎士団じゃない…ララだ!)

(私が瀕死のララを魔女にして魔物を退治してもらったんだ!!)


カリアに映し出されるシーンが切り替わる。

魔女マベルがカリアを噛んだ魔物を倒し、そしてカリアの傷を癒しているシーンが映し出される。


トランヴェル

(この魔女だって本物だ!国の騎士団が偽の魔女を用意したなんて嘘なんだ!!)

(騎士団がこんな魔女用意できるはずが無い!!カリアだって見ただろ?一瞬で魔物を倒して、一瞬でカリアの傷を治した!)

(騎士団が仕組んだなんて、そんなのは嘘なんだ!!)


カリア

「違う!!魔物だって、私の毒だって、高度な魔法が使える人ならできるもの!!」

「国の騎士団なら有能な魔法使いだって用意できる!そうでしょ!?」


トランヴェル

(じゃあペルー村の魔物を退治したのは誰だ!?騎士団か!?違う!ララなんだよ!!)

(ララが魔女化してペルー村を救ってくれたんだ!!)


カリア

「それは……あなたが勝手に作り上げた偽の記憶でしょ!?」

「違うの!!だって魔物がペルー村を襲うタイミングだって、ララが騎士団に襲われる理由だって仕組まれたに違いないじゃない!!」


フィイイイイイン!!!


トランヴェルはさらに自分の記憶をカリアに見せていく!

ララが魔女と疑われ、そしてララが騎士団と戦っている様をカリアに見せる!


トランヴェル

(カリア思い出してくれ!!ララは騎士団からは魔女じゃないかって疑われていた。だからご神体で襲われたんだ!!)

(そして君自身がララを救い、ララも魔女の力を使って魔女狩隊と戦ったんだ!!)


カリア

「う…!?」


トランヴェルが見せた記憶とは別に、カリア自身の脳裏にララを助けるべく、必死に戦った記憶が呼び起こされていた。

カリアに埋め込まれた偽の記憶と、トランヴェルが見せる真実の記憶の間に挟まれ、カリアは頭が痛くなっていく…!



カリア

「違う…違う違う違う!!!」

「お前の言っていることは全部違う!!」

「これは仕組まれたことなんだ全部!私は騙されたんだ人間に!!だから私は人間と戦ってきたんだ!!」


トランヴェル

(カリア!!都合のいい記憶に惑わされないで!!)

(君が魔物に襲われたのも、それからペルー村が魔物に襲われたのも、全部偶然に起こったことなんだ!!)


カリア

「そんなバカなことあるわけない!!」


トランヴェル

(逃げないでカリア!!よく思い出して!!)

(魔女ソフィアが見せた記憶には私たち仲間たちと一緒に戦ってきた記憶が無くなっているんだ!)

(カリアなら思い出せるはず!!一緒に戦ってきたあの記憶を!!)


カリアの脳裏に今まで魔物と魔女と戦ってきた記憶が映し出される!!

魔女協会の魔物と戦い、そして魔女たちと戦い、そして魔氷に飲み込まれていった!


カリア

「……!」


カリアの奥底眠る記憶が蘇ってくる……。

魔物がツクヨミ国の人々を襲い、犠牲になっていく様を。

そして思い出す。魔女ソフィアが人間をコントロール下に置いて支配しようとしていることを。

それから魔女ソフィアと戦った記憶が呼び起される……!


カリア

「嘘……嘘よ…」


次々とカリアの心から記憶が溢れていく…。そしてその記憶は徐々に遡っていく……。

ミランダたちと共にノーズと戦った記憶。ララと共に騎士団と戦った記憶…。

そして父ガゼルが自分たちを逃がすために犠牲になった記憶…。


「行け!お前たちはお前たちの未来を生きろ!!」


それがガゼルの最期の言葉だった。


カリア

「お父…さん」


フィイイイイイン……


カリアの体を覆っていた黒いものが徐々に剥がれていく…。


ソフィア

「何!?何をした!?」


カリア

「トランヴェル…」


トランヴェル

(カリア!!)


カリア

「私……思い出したよ…全部」


トランヴェル

(カリア……!)


パリ…パリッ……


カリアの体が露になり、彼女の目に光が戻った…!


ソフィア

「なぜだ!?どうやって解いた!?」


カリアは隣にいるソフィアを蹴り飛ばす!!


ソフィア

「ぐう!?」


カリア

「よくも…よくも騙してくれたな!!」


ソフィア

「バカな……こんな」


カリア

「ここからいなくなれ!!!」


カリアは氷魔法を放ち、ソフィアを吹き飛ばした!!


ソフィア

「バカなああああああ!!?」


カリアの心の中にいたソフィアは消滅した!!


カリア

「トランヴェル…ありがとう」


トランヴェル

(カリア…よく戻ってきてくれた!)


カリア

「トランヴェル。私も戦うよ。外にいる魔女と!」


カリアはそう告げると、姿を消した。


ゴゴゴゴゴゴゴ…


トランヴェルの背後に大きな津波が押し寄せてきた。


トランヴェル

(げッ!?なんだ!?)


ベルチカ

「正常な心に戻った彼女の記憶が君を追い出そうとしているんだよ」


トランヴェル

(べ…ベルチカ!?)


ベルチカ

「やあトランヴェル。よくぞ魔女の魔法を打ち破ったね!」


トランヴェル

(こんな時に何の用だ!?)


ベルチカ

「さっきからずっと見ていたんだけどね。ほら津波が来たよ?」


トランヴェル

(なッ!?)


トランヴェルは津波に飲まれ、出口へと運ばれていく!


トランヴェル

(ゴポポポポポ!!?)


そしてカリアの心から外に出され、フクロウの体へと精神が戻っていった。

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