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不死山10

ダリア

「あははははははは!!」


ダリアが周囲を吹き飛ばして高笑いする様をソフィアとカローナは水晶越しで見ていた。


ソフィア

「ふーん。ダリアにも潜在能力はあったのね。コントロールするとあれほどの魔力を出せるんだ」


カローナ

「何…あの威力……ダリアがあんな魔法を……」


ソフィア

「フフフ…びっくりした?あの子、強くなったでしょ?」


カローナ

「ダリアに一体何をしたの!?」


ソフィア

「あの子の心の無駄を無くしてあげたの」


カローナ

「心の……無駄?」


ソフィア

「そう。心の無駄。あの子が持つ元々の意思では、自分の力を十分に発揮できていなかったってことよ」

「あの子の性格上、慎重さや丁寧さがありすぎて、本来の力の半分も出せていなかった」

「そこで私はあの子の甘い意志を取り払ってあげたの。私の指示を第一として最善を尽くすように心を入れ替えてあげたの」

「そしたら見ての通り、あの子は自分の力を100%、いや、120%の力を引き出すことができたわ」


カローナ

「それは……どういうこと?」


ソフィア

「抽象的すぎてわからなかったのかな?もう少しわかりやすく説明しないとあなたの頭ではわからないか」

「要はね…。彼女の心と私が作った心と入れ替えてあげたの」


カローナ

「え……」


ソフィア

「私が新たに開発した魔法「アルファ」であの子の心を入れ替えてあげたのよ」


カローナ

「ダリアを洗脳したってこと!?」


ソフィア

「洗脳だなんてそんな……。だって見てよダリアを」

「あの子が洗脳されているように見える?ねえ?ほら?」


ソフィアは水晶をカローナの顔に押し当てる。


ソフィア

「彼女はこんなにも楽しそうで幸せそうなのに…洗脳だなんて……」

「私は彼女の願いを叶えてあげただけだよー…?」


カローナ

「……」


ソフィア

「それからどうやらあの子たちも私の意思通り働いてくれるみたいね……」


ソフィアは再び水晶を見つめる……。


オオオオオオオオオ……


ダリアの魔法で地面に大きな穴が開いた。

周囲には吹き飛ばされた魔物や兵士たちがぐったりと倒れている。


ダリアの魔法を避けたイトは、クエリを抱えて遠くへ避難していた。


クエリ

「……ッ」


イト

「あのバカ……これで全滅したらどうするつもりだ」


クエリ

「……え?」


イト

「クエリ。大丈夫だったか」


クエリ

「う…うん」


抱えたクエリをゆっくり降ろす。


クエリ

「ありがとうイト…。また助けられたね」


イト

「ああ……しかしこのままじゃ魔女にやられてしまうな」


クエリ

「あの魔法の威力……ヤバすぎる。早く何とかしてあいつを倒さないと……」


爆風で倒れた魔物の何体かが起き上がる。

そして魔物たちは倒れている兵士たちを襲い始めた!


クエリ

「まずい!皆やられてしまう!?イト行こう!!」


イト

「……」


クエリは駆けだそうとするが、イトは立ち止まったままだった。


クエリ

「イト……?」


ダダダダダダッ!!


ガマとルージーは、襲ってくる魔物たちを打ち倒していく!


ガマ

「くそッ……」


ルージー

「このままじゃ全滅してしまう……」


ノーズ

「さすがだな二人とも」


ガマとルージーの背後からノーズが近づいてくる。


ガマ

「ノーズさん!ご無事で!」


ルージー

「わが軍は劣勢です…応戦をお願いします!」


ノーズ

「そうだな……確かにフンボルト軍は劣勢だ」

「しかしな。この程度の魔物にやられるようじゃあ、フンボルトの名が泣く」

「やはりフンボルトをもう少し強化しなければならない」


ガッ!!!


ノーズがいきなりルージーの後頭部を銃で殴り倒す!


ガマ

「……な!?」


そしてノーズはガマに腹パンをお見舞いする!


ガマ

「…な……なん…で」


ガマは気を失い、倒れてしまう。


クエリ

「ノーズ!?」


クエリはノーズがガマたちを襲っているところを目撃する!


クエリ

「ノーズ…あいつまさか!?」


ドスッ!!


クエリ

「あぐッ!?」


クエリの体に剣が差し込まれた。


クエリは恐る恐る振り返る。

彼女の目には自分の背中に剣を突き刺しているイトの姿が映っていた。


クエリ

「なん…で……」


イト

「……大丈夫だ安心しろクエリ。急所は外してある」


イトはクエリから剣を抜きとる!

そしてクエリはその場で倒れてしまう……。


ソフィア

「フフフ…フフフフフフフフ!!」


ソフィアは水晶を見つめながら、怪しく微笑んでいる。


ソフィア

「成功よ…!成功よカローナ!!」

「あの人間ども、私の指示通りに全て動いてくれたわ!!」

「しかも自立して!私の意図を組んで行動した!!あはははははははッ!!!」


ソフィアは洗脳魔法の実験の成功に高笑いする!


ソフィア

「人間たちを私たちの近くまで誘導して、それから裏切って捕獲する」

「その命令通りに自ら考えて動いてくれたわ!!きゃっはー!!」

「それからダリアも私の指示通りに働いてくれたし…これはもう完成よ!!完成したんだわ!!私の洗脳魔法アルファが!!」


カローナ

「……」


ソフィアは歓喜に溢れ、それに反してカローナは怖気づいていく。


ソフィア

「大丈夫よカローナ。あなたもダリアのように強くしてあげるから」


カローナ

「!?」


ソフィアの一言でカローナの顔がさらに青くなった…!


ソフィア

「私たちは、このゲームを協力して勝つことを誓った仲だよね…?」

「ダリアもカローナも私の大切な大切な大切な友達だよね?」

「それにダリアもカローナも下級の魔女会が嫌で嫌で私に協力してくれたんだよね?」

「だから私はあなたたち親友の夢を叶えてあげるの!」

「あなたたちが私やアルヴェと同じ土俵に立てれば、このゲームもより楽に進めることができるはず!」

「さあ…カローナ……」


ソフィアはカローナの顔に近づき、そしてカローナの顎を右手でゆっくりとさすっていく。

カローナは仰々しく、青ざめた顔でソフィアを見る。


ソフィア

「あなたも強くなって私の夢を叶えて頂戴」

「あなたの本当の力でこのゲームを勝たせて頂戴!!」


カローナ

「嫌…嫌ああああああああ!」


カローナは喚き、泣き散らかす!


ソフィア

「あははははははは!!」


フィイイイイイン


ソフィアの水晶が突然光りだす!


ソフィア

「あら……」


ソフィアはカローナから離れ、水晶をのぞき込む。


ソフィア

「どうやらもう1体のサンプルもこの近くまで人間たちをおびき寄せたようね……」


水晶にはミランダとルイ、そしてカリアの姿が映っていた……。

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