不死山6
不死山にトランヴェルたちが到着してから約1時間。
イヴ、アイナ、サラは龍の発生ポイントに向かっているところだった。
龍の発生ポイントは航空機から降下する前にイヴが確認した座標だ。
不死山の頂上から下山して7~8合目あたりにある。イヴたちはそこに向かって下山を始めていた。
アイナ
「ミランダたち大丈夫かな……?」
イヴ
「きっと彼女たちなら大丈夫でしょう。トランヴェルもそっちに行ったようだし」
(ただ…さっき一瞬トランヴェルからの連絡があったのが気になる)
(折り返して連絡を取りたいところだが、この山に来てから全く通信が繋がらない……恐らく魔女が通信できないように妨害しているのだろう)
(トランヴェルたちの身に何かあったのだろうか?無事だといいが)
サラ
「!」
先頭を歩いていたサラはいきなり足を止める。何か気配を察知したのか、その場で立ち止まったのだ。
イヴ
「どうしたサラ?」
サラ
「何か…クル!」
オオオオオオオオオ……
イヴとアイナも前方から何か気配を感じ取った。
3人はお互いの背中を預け、一か所にまとまる。
イヴ
「この気配…まさか」
ゴオオオオオオオ!!!
突然イヴたちの周りから炎魔法が複数飛んできた!
イヴは全員を覆えるほどの魔法障壁を展開し、炎魔法を防いでいく!
次々と炎魔法や氷魔法がイヴたちに向かって飛んでくる!
アイナもサラも魔法障壁を展開し、敵の攻撃を防いでいく!
ギュオオオオオオオ!!
炎魔法と氷魔法とは別に、強力な紅色の攻撃魔法が飛んできた!
イヴ
「ッ!!?」
イヴはその魔法を手に取り、何とかはじき返す!
ギュオオオオオオオ!!!
また何発か紅色の魔法がイヴたちへ飛んでいった!
イヴ
「アイナ!サラ!この魔法は防げないわ!避けて!!」
イヴたちは紅色の魔法を避けるために上空へ飛びあがる!
紅色の魔法が地面に衝突し、大爆発を起こす!
その爆風でイヴたち3人は吹き飛ばされ、3人とも散り散りなった。
アルヴェ
「今がチャンス!戦士たちよ突撃!!」
森林の奥からアルヴェが姿を現す!
そして森林に潜んでいた青い鎧の兵士たちがイヴたちへ攻撃を仕掛けていく!
イヴ
「紅の魔女!!」
イヴのところに4、5人の青い鎧が剣を持って特攻してきた!
青い鎧
「やあああああああ!!」
イヴ
「ック」
イヴは青い鎧の攻撃を避け、後方へと下がっていく!
サラのところにも青い鎧の兵士たちが斬りかかってきていた!
しかし、サラのスピードは速く、青い鎧たちは追い付くことができない。
サラは木の上によじ登り、兵士たちの接近戦を許さない。
青い鎧
「卑怯だぞ!!降りてこい!!」
青い鎧たちは剣をしまい、両手から炎魔法を生成する!
サラは魔法を撃たれる前に別の木へ飛び跳ねる!
そして次々と森林の中を移動し、敵をかく乱する!
アルヴェ
「あの犬みたいな奴。こないだ逃してしまったサンプルか」
アルヴェは両手に紅の魔力をため込みながら、サラの方へ飛んでいく!
サラが木から木へ移動している最中にアルヴェが両手でため込んでいた魔法を放ってきた!
サラは大きくジャンプし、その魔法を避ける!
アルヴェの魔法が森林の中で炸裂し、大爆発を起こす!
上空へ逃げたサラの目の前にアルヴェが追い付く!
アルヴェ
「さあ…大人しくしなさい」
アルヴェがサラに手をかけようとしたその時、後方から炎魔法が飛んできた!
アルヴェは炎魔法を片手で受け止めて、はじき返す!
アイナ
「やああああ!!」
炎魔法を放ったのはアイナであった。アイナはアルヴェに向かって炎魔法を次々と放っていく!
アルヴェ
「またあの子か…鬱陶しいね」
アルヴェは炎魔法を避けていき、さらに逃げ出したサラを追いかけていく!
アイナ
「当たらない!?っは!?」
アイナに向かって複数の魔法が飛び交ってきた!
アイナはそれを避けて森林に向かって下降していく!
ミンカ
「アイナあああああ!!」
アイナ
「ミンカ!?」
アイナに攻撃を仕掛けてきたのはミンカとナタリーだった!
アイナは森林の中へ潜り、ミンカたちの攻撃から逃げていく!
ナタリー
「待ちなさいアイナ!!」
ミンカとナタリーも森林の中へ入り、アイナを追いかけていく!
アイナ
「やめてミンカ、ナタリー!戦いたくないよ!!」
ミンカ
「今更何を言っているの!?」
ミンカとナタリーは炎魔法をアイナ目掛けて放っていく!!
アイナは避けに避けていくが、戦闘の意思は無く、ただひたすらミンカたちから逃げていく……。
一方、アルヴェはサラを追いかけ、目と鼻の先まで彼女を追い詰めた!
アルヴェ
「さあ!!抵抗はやめなさい!!」
サラ
「!!」
サラは緑色の魔法を生成し、アルヴェに放っていく!
アルヴェはそれをすべて避けて、紅色の魔法で反撃する!
サラは数発被弾し、地面へと落ちていく!
アルヴェ
「チェックメイトだ!!」
アルヴェが強力な紅色の魔法を放とうとしたところに、
イヴがアルヴェに向かって斬りこんできた!
イヴの両手には魔力で生成したソードがついていた。
それを振り回してアルヴェへ襲い掛かる!
アルヴェ
「また邪魔が入ったか!!」
アルヴェはイヴの攻撃を避けていき、紅の魔法で対抗していく!




