不死山2
クエリたちは大穴の中へ入り、奥へ奥へと進んでいく。
辺りは暗く、照明代わりに光魔法を唱え、大穴の中を明るくする。
クエリ
「まだまだ奥はありそうね……」
ガデ
「……ッシ!」
「何か足音が聞こえてきます」
クエリたちは立ち止まり、身をひそめる。
耳をたてて、ガデの言う足音を聞こうと集中する。
トトトトト……
大穴の奥底から何か足音が聞こえてくる。そしてどんどんこちらに近づいてきている。
クエリ
「数は……多いわね」
ドドドドドドドドド!!!
クエリ
「戦闘準備!!」
クエリの合図と共に兵士たちが銃器を取り出す!
フオオオオオオ!!!!
クエリたちの前に大勢の魔物たちが走り込んできた!!
クエリ
「放て!!」
ダダダダダダ!!!
兵士たちは一斉に射撃を行う!!
魔物たちの何匹かは倒れるが、ほとんどの魔物が銃弾を撃たれても怯まず突っ込んでくる!
アイナ
「炎魔法で!!」
アイナは巨大な炎魔法を生成し、それを立ち向かってくる魔物たちへ放つ!!
ドオオオオオオオオオオオオ!!!
魔物たちは一瞬で消し炭となった!
ルージー
「さすがクエリさん!!」
クエリ
「これくらいの魔物ならいける!!」
グオオオオオオオオオ!!!
クエリたちが来た方向から龍の雄たけびが聞こえてきた!
兵士
「りゅ……龍が来ます!!」
クエリ
「総員後方へ転換!各自砲撃用意!!」
クエリが率いる兵士たちは後ろへ振り向き、銃器を構える!
グオオオオオオオオオ!!!
振り向いた方向から龍がこちらへ向かって走ってきている!!
クエリ
「砲撃開始!!」
クエリの合図と共に抗魔女粒子の弾薬を詰めた銃弾を撃っていく!!
ドドドドドドドドド!!!
龍は悲鳴をあげながらも、銃撃に怯むことなくクエリたちへ突っ込んでくる!!
クエリ
「総員後退!!私が前に出る!!」
兵士たちは後方へ下がり、クエリは炎魔法を生成しながら龍へ向かっていく!
クエリ
「たああ!!」
クエリの最大の炎魔法が龍へと放たれていった!!
ドオオオオオオオオオオオオ!!
龍は直撃を受け、大ダメージを負い、足を止める!
クエリ
「一斉射撃!!」
再び後方から兵士たちが銃で攻撃する!!
ドドドドドドドドド!!!
龍の体へ銃弾が撃ち込まれ、龍は血反吐を吐いて、その場に倒れる!!
クエリ
「よし!!止め!!」
クエリが炎魔法を生成しようとしたところに、また別の龍が5体ほどこちらへ向かって突進してきた!!
ガデ
「クエリさん!!」
クエリ
「っく!?総員後退!!走れ!!」
クエリは龍5体が相手では太刀打ちできないと判断し、大穴の奥へ後退することを選択した!
兵士たちは大穴の奥へ奥へと走り、龍から逃げていく!!
そして彼らは広間に出る。
先ほどの大穴の道とは違って、解放された空間であり、天井も高い。
クエリ
「しまった……」
追いかけてきた龍たちもこの広間に入ってきた!
グオオオオオオオオオ!!
龍たちは上空へ飛び、クエリたちを見下ろす。
クエリ
「この広間じゃ龍の方が圧倒的に有利……まずい」
ルージー
「クエリさん!!この先は行き止まりです!!」
クエリ
「ッ……やるしかない」
「総員背中合わせに陣形を整えろ!!龍が上から襲い掛かってくるぞ!!」
兵士たちはお互いの背中を合わせ、銃口を上空へと向ける!
クエリはバリアを兵士たちがいる全域に貼り、龍の攻撃に備える!
グオオオオオオオオオ!
5体の龍が一斉に爆裂弾を口から放出する!!
ドドドドドドドドド!!!
クエリのバリアは崩壊し、爆裂弾が炸裂する!!
煙が立ちこみ、クエリたちの姿が見えなくなった。
龍たちはクエリたちの状況を確認するために下へと降下していく。
クエリ
「反撃開始!!」
煙の中から多数の銃弾が龍たちに向かって放たれる!!
龍たちは銃弾を翼で防ぎ、再び口に爆裂弾を生成していく!
クエリ
(銃弾が効いていない!?まずい……!?)
クエリはバリアをもう一度展開するが、その前に龍たちの爆裂弾が落ちてきた!!
「うわあああああああああ!?」
兵士たちは爆裂弾をもろに喰らい、爆発に巻き込まれて吹き飛ばされてしまう!!
クエリ
「ぐッ……」
クエリは倒れ、起き上がろうとするが、力が入らない。
クエリが顔をあげると、龍たちが再び爆裂弾を放つ準備をしていたのが見えた。
クエリ
(ここまでか!?)
ドドドドドドドドド!!!
突然、龍たちの体が爆発してく!!
クエリ
「……え?」
???
「情けないなお前ら。お前たちフンボルト軍だろ?」
広間の入り口にマシンガンを持つ男と剣を握っている女が2人立っていた。
ルージー
「あ……あなた…は」
瀕死状態のルージーがマシンガンを持っている男を見て呟く……。
ガデ
「あの人は……なぜここに?」
突如現れた二人は、龍たちへ向かっていき、それぞれ銃と剣で攻撃を仕掛けていった!
マシンガンで一体の龍がハチの巣にされ、さらに二体の龍が剣で首を落とされた!
グオオオオオオオオオ!
残りの二体の龍がクエリたちへ突進してくる!!
クエリ
「っく!?」
ズバアアアアアア!!!
クエリの目の前で龍の首が飛ぶ!
クエリ
「!?」
二体の龍は一瞬にして首を落とされ絶命し、その場で倒れた!
???
「大丈夫かクエリ」
クエリ
「……え?」
クエリは龍の首を落とした剣士の顔を見て、驚愕している。
クエリ
「もしかして……イト?」
イト
「そうだ。俺だ」
クエリ
「どうして…ここに?」
イト
「話は後だ。ここを脱出するぞ」
イトはクエリに手を差し伸べる。
クエリはイトの手を取り、起き上がると、もう一人見覚えのある男がそこに立っていた。
クエリ
「ノーズ……」
ノーズ
「元気そうだなクエリ」
クエリ
「あんた……何で」
ノーズ
「おっと!話したいことはあるだろうが、一先ず兵士たちを連れてここから脱出するぞ」
クエリたちは生存している兵士たちを治療し、この大穴から一度外に出ることにした。
クエリ
(どうしてイトとノーズがここに……それにノーズは魔女に操られていたのではなかったの?)
(ノーズは魔女の洗脳から解放されたのか、もしくはラウル研究所で戦った黒い鎧はノーズではなかったのか……?)
クエリはわからないことだらけで混乱していたが、一先ずは兵士たちを連れて脱出することに決めた。




