表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
236/374

研究成果

ラウル研究所での戦いから約3か月。魔氷は徐々にデービー大陸やブリジット大陸へ進行していた。

元々全世界には92か国存在していたが、魔氷により現在は62か国しか残っていない。

ここ最近龍や魔女の被害が無いものの、魔氷が着々と進行していたのだ。

そんな世界が絶望する中、とある航空機10機がユーリ大陸の近くにある孤島に近づいていた。


「目標まであと数キロ。周囲に敵の反応なし」


航空機は孤島の上に到着し、上空で待機した。


「目標地点到着。今からフェーズ2に移行する」

<フェーズ2了解。各機投下準備にかかれ。完了次第報告しろ>


航空機のパイロットの耳元には小さな魔法陣が設けられており、

その魔法陣から指示が伝達されているようだ。


それぞれの航空機の腹部のハッチが開いていく。

腹部には魔法障壁装置がセットされていた。


「こちらナンバー3。準備完了」

「こちらナンバー5.準備完了」


パイロットたちは魔法障壁装置の投下準備の完了報告をしていく。


<全機準備完了確認。今から指揮官へ音声をまわす>


ザザザザザ……


<あーあー。聞こえるか諸君。こちらは本作戦の指揮官ドラフだ>

<これより、魔法障壁装置投下テストを開始する>

<いいか。カウントダウンに合わせ、一斉に投下を開始すること>

<カウントは訓練通り321投下だ。くれぐれも早まるなよ?>

<投下前の最後の確認を行う。心得たものは返答したまえ>


「ナンバー3了解」

「ナンバー2了解」


それぞれのパイロットが承知したことを返答していく。


<よし。投下合図は私が行う!今から5秒後にカウントダウン開始だ>


ドラフは5秒後にカウントを開始した。


ドラフ

「3…2…1…投下開始!!」


航空機から魔法障壁装置が一斉に投下される!!

投下した魔法障壁装置は魔氷に突き刺さり、そして魔法障壁装置から魔法障壁が自動で展開する!


ガリガリガリガリ!!


孤島を覆っていた魔氷が次々と魔法障壁に触れて粉々に砕けていく!!

そして氷の中から孤島とその周囲の海が浮き彫りになった!


魔法障壁は拡大が止まったものの、投下したポイント全域の魔氷を全て溶かすことに成功した!!


ドラフ

「よし!!成功だ!!」


おおおおおおおお!!!


ドラフの周りにいた軍人や研究者たちが一斉に歓喜をあげる!!


ドラフ

「テストは成功。これは人類にとって大きな一歩だ!!」


ドラフたちは魔法障壁装置投下作戦のテストを成功させた。

このテストはドラフが提案した「ユーリ大陸奪還作戦」の一環だ。

ユーリ大陸奪還作戦とは、ミスリルたちが開発した魔法障壁装置を使用して、ユーリ大陸の魔氷を溶かすというものだ。

ユーリ大陸はトランヴェルたちが始めにいたツクヨミ国などがある大きな大陸だ。この作戦は名前の通り、大陸全域を覆った魔氷を溶かして、ユーリ大陸を取り戻すというものだ。


作戦の内容としては、魔法障壁装置を上空からいくつか投下し、一斉に魔法障壁を展開することで魔氷を瞬時に溶かすといったもの。魔氷の性質として溶かしても少しでも残っていれば、また拡大して元に戻ってしまう。中途半端に溶かしても魔氷は元通りになってしまうということだ。

そこで一斉に魔法障壁装置を上空から投下し、展開することで魔氷一帯を全て溶かしてしまおうという方法をドラフたちは考案した。

魔法障壁の展開幅は約3km。3kmの間隔で、とぐろを巻くように上空から魔法障壁装置を投下していく。一斉に魔法障壁を展開することにより、魔氷一帯を溶かす。

非常にシンプルで大胆な作戦であったが、見事テストでは成功を収めた。


テストは成功したが、やはり懸念されるのは一斉に溶かすために多くの魔法障壁装置を開発しなければならないということ。62か国の内、現在、魔法障壁装置の開発に賛同する国が48か国。反対する国が14か国であった。賛同する国にミスリルが製造した複製機を送り、各国で魔法障壁装置の開発を進めていた。

思った以上に賛同国は多かったが、魔法障壁装置の製造が事足りるかどうか不透明なところもあり、できればもっと賛同国を増やしたいとドラフたちは考えていた。

ドラフとガタラフは定期的にサミットに参加し、罵声を浴びながらも魔法障壁装置の開発に賛同するように説得していった。


ガタラフ

「現在、48か国で製造実施。そのうちアルキメデス、プラトン、フンボルトが約800台の開発に成功。

このままいけば、半年後にはユーリ大陸への投下量に達しますね」


ドラフ

「そうだな…。今のところは順調だが、このまま龍や魔女が何かしてこなければいいのだが」


ガタラフ

「ラウル研究所での戦い以降、龍や魔女の軍隊は現れないですね……」

「あんなに頻繁に襲撃があったのに不気味です」


ドラフ

「なんにせよ今がチャンスだ。今のうちに全人類で龍と魔氷の対策を万全に進められる」


ドラフとガタラフはこの後も何度かテストを行い、着々とユーリ大陸奪還作戦を遂行していた。

一方リリィたちは類似した魔法障壁装置の開発に成功。

ミスリルの複製機を参考に類似のものを作り出したのだ。

本家の魔法障壁装置に比べると魔法障壁の質や展開幅が劣るものの、魔氷を溶かすことは可能だ。

今まではミスリル一人で魔法障壁装置の複製機をつくり、少しずつ生産を行っていたが、

類似品の開発によって、複製が容易になった。

素材や作り方が明確になっているため、誰でも複製が可能なのだ。

さっそく賛同国へ類似品の生産を促進させ、どんどん魔法障壁装置の在庫を増やしていった。


また、イヴもミランダの魔法と類似している魔法を生み出すことに成功した。

ミランダの魔法そのものを編み出すことはできなかったが、見よう見まねで似たようなものを生み出したのだ。

この魔法もミランダの魔法には劣るものの、魔氷を溶かす性質を持っており、龍や魔女に対抗できるものと期待される。イヴはこの魔法をアイナとクエリに伝授し、魔女と対抗できるように準備を進めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツイッター:@hukurai_eichi
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ