魔女の研究2
ダリア
「ソ…フィア……」
ソフィア
「ダリア……あなたは本当によく働いてくれたわ」
ソフィアはしゃがみ、倒れているダリアに視線を合わせる。
ソフィアは左手をダリアの右頬に添えて、優しく微笑んだ。
ソフィア
「今までありがとうダリア……。あなたが居てくれたからここまで私はこれた」
「あなたには感謝しかないわ」
ダリア
「な……何を……?」
ソフィア
「ダリア……あなたは私に賛同してゲームに参加してくれてた」
「元々あなたは下位の魔女会から脱したくて脱したくて私についてきてくれたのよね?」
「魔女会を脱してまで異端である私についてきてくれたんだもの…本当に感謝しかないわ」
ダリア
「ソフィア……何をするつもりなの?」
ダリアの声は震えていた。
彼女はソフィアが自分に何か良くないことをしてくると直観で感じていたのだ…!
ソフィア
「怖がらないでダリア…。大丈夫"あなたという存在"は消えることは無いわ」
ピシ……
ダリアの頬に触れていたソフィアの左手から魔法粒子が発生する。
ダリア
「嫌だ…離してソフィア。お願いだから」
ソフィア
「怖がることは無いわダリア……。"貴方の夢"は必ず叶えてあげるから」
「そのためにはどうしてもあなたの"思考"、"感情"が邪魔をしているのよ」
ダリア
「やだ!!やだやだやだ!!ソフィア!!悪いことをしようとしているならやめて!!」
ソフィア
「あなたに悪いことはしないよ。私が貴方を最高の魔女に仕立ててあげるから……
下位の魔女たちには絶対負けないし、きっと上位の魔女会に入ることができるわ」
バチバチバチバチバチバチ!!!
ソフィアの左手とダリアの右頬の間で魔法粒子が激しく飛び散っていく!!
ダリア
「いや…いやああああああああ!!?」
ソフィア
「今までありがとう……ダリア」
ソフィアはダリアに魔法をかけながら、目から涙を流す。
ダリア
「ああああああああああ!!?」
バチバチバチバチバチバチ!!!
ダリアの全身から魔女粒子が飛び散っていく!!
アルヴェ
「……!?」
…バチバチバチ……バチ………
徐々にダリアから発生していた魔女粒子が減っていく……。
シュー……
ダリアからモクモクと煙が噴き出し、喚いていたダリアは沈黙した。
ダリア
「…………」
アルヴェ
「どうなったんだ?」
ソフィア
「ダリア」
ダリア
「…………はい」
ソフィア
「お手」
ソフィアはダリアに左手を差し出す。
ダリアは左手をソフィアの左手の上にのせる。
ソフィア
「ちんちん」
ダリアはその場でグルグルと走りまわりだす。
ソフィア
「ダリア。自害して」
ダリアは魔法で剣を生成し、その剣で自分の心臓に突き刺す!!
ダリアは大量の血を吐き出し、その場で倒れ絶命した。
アルヴェ
「これは……」
ソフィア
「フフフ…やった!やったわアルヴェ!!」
ソフィアはあまりの嬉しさにその場でピョンピョン跳ねる!
そしてその勢いでアルヴェに抱きつく!!
ソフィア
「成功よアルヴェ!!念願の洗脳魔法が完成したわ!!」
アルヴェ
「洗脳…魔法……」
ソフィア
「やっと下位の魔女を洗脳することができた!!」
「やった…ああああ!!」
ソフィアはアルヴェをぎゅっと抱きしめ、自分の研究成果に喜びを感じていた。
アルヴェ
「洗脳魔法……なるほど…だからここでずっと人間の洗脳を行っていたのね」
ソフィアはアルヴェから離れ、自害したダリアの前に立つ。
ソフィア
「でもまあ、ダリアの反応を見る限り、人形そのものだったし……本当はレベル2までいってほしかったけど」
「まだまだレベル1の初期段階の洗脳結果。これじゃあ犬以下の存在だわ」
アルヴェ
「レベルとは何?」
ソフィア
「私は洗脳の"質"をレベル分けしているの。今考えているのはレベル3まで。最終的には自立して私のために行動してくれる都合のいい"駒"まで仕上げるつもりよ」
「レベル1はダリアを見ての通り、指示をしないと何も動いてくれないわ。要は人形のようなもの。こっちでいちいち指示しないと動かないのよ」
「レベル2はアルヴェに貸した人間どもの状態を指しているわ。基本、指示通りに自ら動いてくれる。ただ話すことはできないし、機械のように指示に対して処理を行うことしかできないわ」
「レベル3は完全自立型。私を神とあがめて、私のことを第一に考えて動いてくれる駒よ。指示しなくても自ら思考して行動することができるし、もちろん話すこともできる。自分の命を賭してまでも私のために尽くしてくれる。言わば下僕ね」
アルヴェ
「今のダリアの状態はレベル1ってことね」
ソフィア
「そう。人間に対してはレベル2まで持っていくことができたけど、まだ下位の魔女たちにはそこまで洗脳できないみたい」
アルヴェ
「なるほどね~………あっそうだ私もう一つソフィアに謝らなければならないことがあるの」
ソフィア
「何?」
アルヴェ
「こないだソフィアから借りた人間だけど、2体の黒い鎧が破壊されて、洗脳を解かれてしまったの。今手元には私が捕まえた人間1体しかいないわ……」
ソフィア
「へえ………クロノブレイクだけではなく、黒い鎧も破壊されちゃったんだ。それはびっくりね」
「まあでも、実験サンプルだったしね。解かれても仕方ないか」
「やっぱ洗脳道具は壊される恐れがあるから、直接洗脳したほうがいいみたいね」
アルヴェ
「洗脳道具ってあの黒い鎧のこと?」
ソフィア
「そうそう。あれを着けさせれば、いちいち一体一体に洗脳魔法をかける手間が省けるからね」
「ただ今回でわかったのは、人間にすら洗脳道具は壊されてしまうということ。せっかく手に入れた良いサンプルを失ってしまったわね」
アルヴェ
「ごめんねソフィア」
ソフィア
「いいのよ。まだまだサンプルはたくさんあるし。黒い鎧の洗脳はもう少し改良が必要ということがわかったし。問題ないわ」
「ただ、まだまだ研究が必要ね…。やはり人間の洗脳をレベル3の段階へ早めに移行させたいわ」
「黒い鎧無しにレベル3まで人間を洗脳できれば、サンプルを失うことも無くなるだろうし」
「それができたら下位の魔女でも効果があるかどうか、もう一度ダリアを使って実験ね」
「それにまだもう一体下位魔女のサンプルが残っているから、それを使って必ず洗脳魔法を完成させるわ」
アルヴェ
「もう一体ってカローナのことか」
「あなたも相当ひどい奴ね。下位の魔女とはいえ、あなたに協力してきた仲間なのに…可哀そうに」
ソフィア
「仲間………?アハハ!!仲間とは思ったことは一度もないわ」
「可哀想だなんて微塵たりとも思ってないわ…彼女たちをどう扱おうが、私の勝手だし」
「さあダリア。生き返りなさい」
絶命していたダリアは目を覚まし、起き上がった。
ソフィア
「氷の中へ戻りなさい」
ダリアは氷の壁に手を添える。ダリアは徐々に氷の壁の中へと引きずりこまれていった。
ソフィア
「ダリアたちの命は私がうまく使うわ。ありがたくね」
アルヴェ
「フフフ……非道ねソフィア。そんなあなたが大好きよ……」




