紅の魔女戦16
銀龍の体から大量の魔氷が溢れだす!!
アルヴェ
「くそッ!!」
アルヴェは上空へと避難し、魔氷を避ける!!
リリィ
「ああ!!?」
アマミ
「魔氷が!?おい!!展開はまだか!?」
大量の魔氷が上空から降り注いでくる!!
ミランダ
「私の…バリアで…」
ミランダは上空に手をかざし、魔氷を防ごうとバリアを展開する!!
しかし、彼女はもう瀕死状態。十分にバリアを貼ることができない!
ミスリル
「ここまでか……」
バチイイイイイイイ!!!
リリィ
「!!」
施設の中から魔法障壁がどんどん拡大していく!
そしてミスリルたちが魔氷に触れる前に魔法障壁が展開され、魔氷を防いでいく!!
ミスリル
「間に合った…!!」
バチイイイイイイイ!!!
ガリガリガリガリ!!!!
リリィ
「魔法障壁が…魔氷を防いでる!!」
アマミ
「防いでるどころか…削ってねえか!?」
魔法障壁に触れた魔氷はどんどん規模が小さくなり、一滴たりとも地面に落ちることは無かった。
アマミ
「こいつはすげえや!!」
銀龍から溢れた魔氷は全て魔法障壁で防がれ、消滅した!!
アルヴェ
「バカな……クロノ・ブレイクが……」
トランヴェル
(すごい!!これがミスリルたちの研究の成果か!!)
赤龍
「こんな簡単に龍とやらの生命体がやられてしまうとは…あの魔女とかいう奴は危険だ」
「ここは引き上げるぞ!!」
金龍は赤龍の後を追い、上空へと上がった。
2匹は全力でこの戦場から去っていった。
アルヴェ
「逃がすものか…!」
ドドドドドドドドド!!
アルヴェが赤龍たちを追おうとした矢先、彼女の背後に多数の弾丸が撃ち込まれた!!
アルヴェ
「何!?」
アルヴェが振り返るとそこにはガタリアたち軍人たちが屋上から発砲していた!
ガタリア
「上にいた魔女の手下どもは大方片付けた!!あとはあの魔女を倒すだけだ!!」
屋上から次々と軍人たちが銃を構えて、アルヴェへ目掛けて発砲していく!!
アルヴェ
「あの人形たち…人間どもにやられたのか」
アルヴェは銃弾を避けながら上空へと急上昇する!
アルヴェ
(分が悪いな……ここは一旦退却だ)
フィイイイイイイン
アルヴェは今生き残っている青い鎧たちに通達を送った。
アルヴェ
(勇敢なる戦士たちよ…ここは一旦退却する)
(各自、転送魔法を使用し、ただちに撤退せよ)
ミンカ
「なんだって!?どうしてアルヴェ!?」
ナタリー
「私たちはまだ戦えるよ!!」
アルヴェ
(予想外のことが起きた。一度態勢を整えたほうが得策よ)
(大丈夫。まだミスリルを捕まえるチャンスはある。ここは一旦引きなさい)
ミンカ
(……わかったわ)
ミンカとナタリーは攻撃を止め、転送魔法を生成し始める。
アイナ
「ミンカ!!ナタリー!!」
ミンカ
「アイナ!!必ず私たちが魔女を倒してあなたを解放するわ!!」
ミンカはそう言い残し、ナタリーと共に姿を消した。
アイナ
「ミンカ!!」
ドドドドドドドドド!!
一方ドラフは黒い鎧と戦闘を続けていた。
徐々に銃弾で黒い鎧に傷をつけていき、黒い鎧も綻びかけていた。
ドラフ
(もう少しだ…もう少しで壊せるはずだ!)
ドラフは黒い鎧の魔法を避けながらも、懸命に抗魔女粒子の弾丸を撃ち込んでいく!!
フィイイイイイイン
突然、黒い鎧の動きが止まった。
ドラフ
「なんだ!?」
黒い鎧は足元に転送魔法を生成していく!
ドラフ
「逃げるつもりか!!」
ドラフは2丁の銃で黒い鎧を発砲していく!!
ドドドドドドドドド!!
黒い鎧は立ち止まっていたため、銃弾をもろに喰らっていく!!
ドラフ
「壊れろおおおお!!!」
バリイイイイイイイイン!!!
黒い鎧が転送しかけたところで、ドラフの銃撃により鎧が破壊された!!
そして、鎧の中から黒髪の女性が出てきた。
転送魔法は消滅し、転送し損なった女性はそのまま意識を失うかのようにその場で倒れてしまった。
ドラフはその女性のもとへ近づいた!
ドラフ
「やはり……ルイだ」
ドラフは女性の顔を見てルイであることを確信した。
クエリ
「ドラフさん!」
ドラフのもとにクエリが駆け寄ってきた。
クエリ
「その人は…?」
ドラフ
「私の仲間だ。やはり黒い鎧で洗脳されていたようだ」
「黒い鎧は破壊したが、果たしてこいつが目を覚ました時、洗脳が解けているかどうか…」
クエリ
「黒い鎧はやはり操られた人間だったんですね…」
「私も先ほどまでノーズと思われる黒い鎧と戦っていました」
「でも突然転送魔法を使用して姿を消してしまい、逃してしまいました……」
ドラフ
「ああ…どうやら敵は撤退したようだ」
ドラフとクエリは周りを見渡す。
先ほどまで多くの青い鎧たちがこの地下シェルターにいたが、今はどこにもいない。
奥に一人アイナが取り残されているだけだった。
クエリ
「アイナ!無事?」
アイナ
「……うん」
クエリ
「どうしたの?大丈夫?ケガとかない?」
アイナ
「……うん大丈夫」
アイナはうつむいたまま、じっとその場で立ち尽くしていた。




