紅の魔女戦12
アルヴェ
「何かしら?」
アイナ
「ミンカたちを騙して許さない!!」
ミンカ
「アイナ!違うよ!!アルヴェは敵じゃない!!」
アルヴェはニヤッと笑みを浮かべ、アイナを見つめる。
アルヴェ
「あなた………ミンカのお友達?」
「大丈夫…あなたも魔女の呪いから解放してあげるわ」
アルヴェはアイナの手前で手をかざし、呪文を唱える……!
アイナ
「……!?」
アイナはアルヴェに手をかざされた瞬間、意識が遠のいてく…!
ミランダ
「アイナ逃げて!!」
アイナの脳裏にアルヴェの言葉が綴られていく!
アルヴェ
「あなたの敵は私たちではない」
「私たちは人類を救うために立ち上がった魔女を倒すもの」
「魔女の手下は倒さなければならない」
「人々の住処を氷漬けにし、大切な家族や親友を奪った」
アルヴェはどんどんアイナの脳内に語り掛け、
アイナを洗脳しようと魔法をかけていく……!
アルヴェ
「あなたの敵はあなたの周りにいるもの」
「そいつらが魔女の手下」
アイナ
「違う」
アルヴェ
「!?」
アイナ
「嘘をつくな!!」
バチイイイイイイイ!!!
アルヴェの手に電撃が通り、彼女の手を弾く!!
アイナ
「嘘を……つくなあああああああ!!!」
アイナはアルヴェとの間に炎の柱を錬成する!!
ドオオオオオオオオオオ!!
アルヴェ
「何ッ!?」
アイナの炎の柱は、アルヴェへ徐々に近づいていく!!
アルヴェ
「こんな小さい子がこんな魔力を!?」
「まさかこいつも…フクロウに改良された人間!?」
アイナ
「お前は絶対許さい!!」
ドオオオオオオオオオオ!!
アイナの炎の柱が勢いを増していく!!
アルヴェ
「グッ!!」
ドンッ!!
アルヴェは炎の柱を手づかみし、紅の魔法で破壊する!!
ミランダ
(アイナの魔法が簡単に破られた!?)
アルヴェ
「皆!この子は魔女に魅入られた悪い手下だわ!気をつけて!」
ナタリー
「アイナは操られているの!?」
アルヴェ
「ナタリー……もうあの子はすでにもう手遅れよ!倒すしかないわ!」
ナタリー
「そんな!?」
ミンカ
「なんとか………なんとかならないのアルヴェ!?」
アルヴェ
「ミンカ!あなたが戦わないと皆が死ぬわ!」
「お友達と戦うのは辛いだろうけど、これも人類のためよ!」
ミンカ
「うう………」
アイナ
「違うよミンカ!私は操られてなんていない!」
「そこにいるアルヴェって奴が本当の魔女なの!!信じて!!」
ミンカ
「……」
アルヴェ
「ミンカ!騙されないで!!」
ミンカはアイナとアルヴェの言葉に惑わされる……。
しかし、彼女は今まで一緒に戦ってきたアルヴェを信じることにした。
ミンカたちは魔氷に飲まれた後、アルヴェに助けられたのだ。
彼女がいなければ、死んでいたし、それに彼女が魔女ならこんなことはしないと思っていた。
ミンカ
「魔女が…魔女がアイナをあんな風に仕立てたんだ…許さない!」
アイナ
「ミンカ!?」
アルヴェ
「さあ!!皆!!戦いの時!!剣を抜いて!!」
アルヴェの掛け声と共に青い鎧たちは剣を構える!!
アルヴェ
「突撃!!」
一斉に青い鎧たちがアイナに襲い掛かっていく!!
アイナ
「ミンカ!ナタリー!やめて!!」
アイナは立ち尽くしたままだ。戦う意思が見られない。
ミランダ
「アイナ!!」
ミランダは急いでアイナのもとへ駆け寄る!!
しかし、青い鎧たちの剣が既にアイナへ斬りかかっていた!!
シュッ!!
何者かが横からアイナをさらっていく!!
カンッ!!!
青い鎧たちはアイナへ斬りかかったが、
剣はアイナに触れることなく、地面へと叩きつけられた!
青い鎧A
「どこにいった!?」
青い鎧B
「皆!後ろだ!!」
青い鎧たちが振り向くと、そこには四つん這いの黒い鎧の姿があった。
黒い鎧は口でアイナの袖を噛んで、アイナを持ち上げていた。
黒い鎧
「……」
アイナ
「……!?」
トランヴェル
(サラ!!)
黒い鎧から精神状態のトランヴェルが姿を現す!
黒い鎧、もといサラの精神世界から抜け出して来たのだ。
黒い鎧はアイナを下ろし、アイナから一歩前に出る。
ミンカ
「なんで!?あの黒い人は私たちの味方じゃなかったの!?」
黒い鎧
「ト……トラン…ヴェル」
トランヴェル
(サラ!?)
黒い鎧
「ワ……ワタシ…」
「ドウシテ…ココに……」
アルヴェ
「!?」
(バカな……)
(ソフィアの洗脳が溶け始めている……なぜ!?)
トランヴェル
(サラ!!目が覚めたか!?)
サラ
「ワタシは……イッタイ…ナニヲ……」
トランヴェル
(体は大丈夫なのか!?)
サラ
「ダイジョウ…ブ」
アルヴェ
(なんだ?誰かと話しているのか?)
アルヴェは紅の魔法を生成し、サラに向かって放っていく!!
トランヴェル
(サラ!アイナ!敵の攻撃が来たぞ!!)
ドオオオオオオオオオオ!!
サラはアイナを抱えてジャンプし、紅の魔法を避ける!!
そしてアイナを地面に降ろした後、彼女の両手から緑色の魔法を生成し、それをアルヴェに放つ!!
アルヴェ
「!?」
アルヴェはサラの魔法を避けて、紅の魔法を次々と放っていく!!
サラは避けに避けていくが、最後に放たれた一撃が避けきれない!
ドオオオオオオオオオオ!!
サラの前にミランダが割り込み、バリアで攻撃を防いだ!
ミランダ
「くうううッ!!」
アルヴェ
「なかなかやるじゃない………小娘ども」
ミランダ
「ダメだ………力の差がありすぎる」
アルヴェと青い鎧たちが次々とトランヴェルの魔女たちを襲っていく!
ミランダたち3人は敵の攻撃を防ぐだけで精一杯だ。
トランヴェル
(くそ……3人だけじゃこの数を相手しきれない……)
(イヴ…応答してくれ…イヴ……!)
トランヴェルはイヴへテレパシーを送る。
しかし、一向にイヴから返答が来ない。
トランヴェル
(どうする………どうしたらいい!?)
トランヴェルたちとアルヴェたちの戦闘が繰り広げられていく………。




