紅の魔女戦11
青い鎧E
「この…！魔女の手下め！！」
青い鎧G
「ここで倒す！！」
青い鎧たちは腰につけていた剣を抜き、アイナへ突撃していく！
アイナは炎魔法をもう一発放つ！！
青い鎧G
「ああ！？」
2体のうち1体が炎の魔法に衝突する！！
しかし、残りの1体はその魔法を避けて、アイナへ斬りかかる！！
アイナは杖で青い鎧の剣を防ぐ！！
ガキイイイイイイイン！！！
剣と杖が交差し、鍔迫り合いとなる！！
青い鎧E
「魔女の手下……倒す！絶対に！！」
アイナ
「魔女の手下！？それはお前たちだろ！！」
青い鎧E
「何を言う！？私たちは魔女を倒す戦士だ！！」
「悪い魔女の手下は全員倒す！！」
アイナ
「アイナは魔女の手下じゃない！！」
「私は人類の魔女なんだ！！」
青い鎧E
「……！」
ガキイイイイイイイン！！
アイナと青い鎧はお互いに杖と剣を弾き、後方へ下がる！
青い鎧E
「……」
突然、青い鎧はピタリと動きが止まる。
青い鎧E
「アイ……ナ？」
アイナ
「……え？」
青い鎧E
「お前……アイナ！？」
アイナ
「！？」
「誰！？」
青い鎧E
「なんでアイナが……ここにいるの？」
アイナ
「その声…どこかで……」
青い鎧は兜を外す。
アイナ
「そんな……」
青い鎧の素顔にアイナは驚きを隠せない。
アイナ
「………ミンカ？」
ミンカ
「アイナ……なんで？なんでここにいるの？」
ミンカ
「どうしてアイナが魔女の手下に！？」
ミンカの後ろからもう1体青い鎧が近づいてくる。
青い鎧G
「アイナ？本当にアイナなの！？」
アイナ
「まさか………その声もしかして」
青い鎧は兜を取る……。
アイナ
「ナタリー！？」
ミンカとナタリーはアイナの学校の友達だ。
ツクヨミ国で魔物に襲われて以来、
彼女たちは離れ離れになっていた。
ナタリー
「どうして…どうしてアイナが魔女に手を貸すの！？」
アイナ
「違うよ！私は魔女の手下なんかじゃない！」
「私は龍と魔女と戦っているんだよ！」
「ミンカとナタリーこそ何でここに！？」
ミンカ
「私たちは魔女を倒しにここにいるの！！」
「私たちを襲った魔物や魔氷を放った魔女の手下がここにいるの！」
アイナ
「え……！？」
ナタリー
「ミスリルっていう悪い学者がここにいるの！」
アイナは二人が言うことに困惑していた。
彼女たちが言うにはミスリルが魔女の手下であり、
彼が魔物や魔氷をツクヨミ国で放ったという。
しかし、アイナの認識ではミスリルは魔女の手下なんかではなく、むしろ魔氷を解かすために研究をしている「良い学者」であった。
アイナ
「二人とも…なんで……」
青い鎧A
「やああああ！！」
アイナに向かって、青い鎧たちが剣を持って襲い掛かってくる！！
アイナ
「！」
アイナは自分の周りに火柱を錬成し、青い鎧たちが近づくことを妨げる！
ゴオオオオオオオオ！！！
青い鎧B
「なんだこいつ！？」
青い鎧C
「魔法を使ってきた……！気をつけろ皆！」
ミンカ
「アイナ！」
アイナ
「ミンカ！ナタリー！ミスリルは…ミスリルは悪い学者じゃないよ！！」
ナタリー
「！？」
アイナ
「だってアイナは毎日毎日ミスリルたちが魔氷を解くために研究していたもん！」
「ミスリルが悪い学者ならそんなことしない！」
ミンカ
「アイナ！あんた騙されているのよ！アイナは悪い魔女に騙されている！！」
アイナ
「騙されていないよ！！」
「私は魔氷から逃げて、ずっと龍と魔物たちと戦ってきたもん！！」
「ミンカたちこそ、なんで龍に力を貸すの！？ミンカたちが騙されているんじゃないの！？」
ナタリー
「龍は私たち人間の味方だよ！！悪い魔女を一緒に倒してくれる！」
アイナ
「違うよ！！龍は皆の街を襲うモンスターだよ！！」
ミンカ
「何をわけのわからないことを！」
アイナ
「それはこっちのセリフだよ！！」
青い鎧D
「おらああああ！！」
青い鎧たちが火柱へ突っ込んできりかかってくる！！
アイナ
「！？」
ミランダ
「アイナ！！」
アイナの前にミランダが割り込みバリアを展開する！！
バチイイイイイイイ！！！
青い鎧たちはバリアに弾かれる！！
ミランダ
「アイナ！敵が増えてきた……一気に魔法でカタをつけよう！」
アイナ
「ダメ……！」
ミランダ
「ん！？」
アイナ
「あそこには…私の友達がいるの」
ミランダ
「友達……？」
アイナ
「学校の友達が…なぜかそこにいるの！」
ミランダ
「え……！？」
アイナ
「他の鎧たちはわからないけど、あそこの顔を出している二人は私の友達だよ！」
ミランダ
「どういうこと？アイナと同い年の子供がどうして…」
青い鎧D
「今度こそ打ち取ってやる！！」
青い鎧たちは銃器を取り出し、そしてミランダとアイナに発砲していく！！
ドドドドドドドドド！！
ミランダとアイナは魔法障壁を展開し、敵の攻撃を防いでいく！！
アイナ
「一体どうしたら…」
ミランダ
「もしアイナの言っていることが本当ならあの鎧たちは皆人間の子供ってこと！？」
アイナ
「本当だよ！ミンカもナタリーも学校の友達だよ！」
ミンカ
「アイナがあんな強力な魔法が使えるだなんて…」
ナタリー
「きっと魔女に利用されているんだ…。
アイナは魔女の力を借りてミスリルを守るように操られているんだわ！」
ドオオオオオオオオオオ！！
上空から爆発音と共にアルヴェと黒い鎧2体が地下室に向かって下りてきた！
ミランダ
「あれは！？」
ミスリル
「ひいいいいッ！！？」
ミスリルはアルヴェの姿を見て、阿鼻叫喚に騒ぎ出す！
リリィ
「ミスリルさん！落ち着いて！」
ナタリー
「アルヴェ！」
アルヴェ
「勇敢な戦士たちよ…無事か？」
ミンカ
「ええ！皆無事よ！！」
アルヴェ
「流石………」
「皆！この苦しい戦いもあともう少しの辛抱よ！」
アルヴェたちがミンカたちの背後に着陸する。
アルヴェ
「上の敵は大方片付いたわ」
ミランダ
「！？」
アルヴェ
「残りは銀龍が雑魚を始末してくれるでしょう」
「あとはそこにいるミスリルを捕まえるだけ」
ミスリル
「ひッ！？」
アマミ
「あれが…魔女かよ……」
リリィ
「ミスリルさんを殺させるわけにはいかない……！」
アマミたち研究員はミスリルの前に立ち、
ミスリルを匿う……！
ゴオオオオオオオオ！！！
アルヴェから禍々しいオーラが漂う……。
その威圧感は以前マベルと対峙したときのそれと似ている。
ミランダは直観でアルヴェには勝てないことを察していた。
アイナ
「あなたね……」
アルヴェ
「ん？」
尻込みするミランダに対して、
アイナはアルヴェに向かって一歩踏み出す！
アイナ
「あなたが私の大切な友達を操ってる悪い魔女ね！！」
