紅の魔女戦2
フオオオオオオオオオン
銀竜が雄たけびをあげていく!!
そしてその背中にはアルヴェが乗っていた!
アルヴェ
「どうやらあそこにいるみたいだね」
アルヴェの目が緑色に輝いていく……!
アルヴェ
「こないだミスリルにつけた私の魔法が反応しているよ…あの施設の中に違いない」
「フフフ……今回もあの人間どもを使って襲ってみるかな」
アルヴェは目を瞑ると、彼女の体が粒子化し、龍の背中からどこかへ消えてしまった。
そしてアルヴェが目を開けるとそこには広大な魔空間が広がっていた。
どうやら彼女はこの魔空間へ転移したようだ。
アルヴェ
「さあ…皆出ておいで」
アルヴェがそう一言発すると、その魔空間に魔法陣がいくつか出現した。
そして、その魔法陣から人間の子供たちが姿を現した…!
子供A
「アルヴェ!!敵が現れたの!?」
アルヴェ
「そうよ。これを見て」
アルヴェは両手を合わせ、そしてゆっくりと両手を開いていく。
開いた先から映像が生成され、その映像にはラウル研究が映し出されていた。
アルヴェ
「これは敵のアジトよ」
「ここに魔女の手下たちがたくさんいるわ」
子供B
「そいつらを倒せばいいんだね!」
アルヴェ
「そうね。でも今回は敵を倒すだけでは事足りないの」
「この映像を見て」
アルヴェが映し出している映像が切り替わる。
そこにはミスリルの顔が映し出されていた。
アルヴェ
「こいつは悪いドクター」
「この世界に魔物が散りばめた張本人よ」
子供C
「魔物を散りばめた!?」
アルヴェ
「そうよ。こいつが魔物を生み出し、私たち人類を苦しめてきた」
「そしてこいつが魔女のために魔氷を生み出したの」
子供D
「こいつが……皆を」
子供E
「許せない……」
アルヴェ
「今回の作戦はこいつを捕らえることよ」
「こいつから魔女の情報を聞き出すの」
子供E
「捕まえる?」
アルヴェ
「そう。恐らくこいつなら魔女の居場所がわかるわ」
「だからあくまでも殺してはダメよ。こいつを捕まえて根掘り葉掘り聞きだすの」
子供E
「捕まえるなんて生温いわ!!こいつはすぐに天罰を下すべきよ!!」
「パパやママ、皆の家族や友人をたくさん殺してきた奴なんて速攻死刑よ!!」
アルヴェ
「あなたの気持ちはよくわかるわミンカ」
「でもね…魔女の所在地を知っているのは恐らくこいつだけなの」
「殺したい気持ちはよくわかるけど、これも我々が魔女に勝利するためよ」
「もちろん、用が済んだから、このドクターは処刑するわ」
子供E
「……わかったわ」
子供G
「大丈夫よミンカ。あんな奴いつでも罰を下せるわ」
「そもそも殺すだけでは物足りないもの」
子供E
「それもそうね…ナタリー」
子供D
「よし…じゃあこのドクターって奴を捕らえて情報を聞き出すってことでいいんだな?」
アルヴェ
「そうよ!!それが今回の私たちのミッションよ!!」
「今回の敵は今までと違ってきっと数が多いわ」
「皆で協力してこの苦難を乗り越えましょう!!」
子供たち
「おー!!!」
アルヴェ
「さあ!もうすぐで敵のアジトに着くわ!皆!戦闘の準備をするように!!」
子供たち
「了解!」
子供たちは魔法陣の中へ入り、転移されていく。
アルヴェ
「フフフ……さあて」
アルヴェは魔空間に黒い魔法陣を3つ召喚する。
黒い魔法陣からは黒い鎧が出現した!
ブウウウウウン……
アルヴェ
「いい感じに魔力を吸ったようね」
黒い鎧
「……」
黒い鎧は3体いる。1体は身長が低く、四つん這いであり、
もう1体は女性の形をしており、兜の後ろからは黒く長い髪が垂らされている。
そして最後の1体は男性の形をしており、手には銃器を握っていた。
アルヴェ
「ソフィアがつくった人形たち……果たして活躍してくれるかな?フフッ……」
「こいつらは普通の人間とは違うようだけど…どうかしら」
「さあ……行きましょうか」
アルヴェは目を瞑り、魔空間から姿を消す……。
そして彼女が目を開けると、龍の背中に戻っていた。
そして彼女は下を見下ろす。そこにはラウル研究所があった。
アルヴェ
「人間どもが既に警戒しているようね……」
アルヴェはラウル研究の屋上に何人か兵士たちが身を隠していることに気づいた。
アルヴェ
「さあ…まずは戦線布告と行きましょうか。銀龍!!」
アルヴェの合図と共に銀龍は口に魔力をため込んでいく……。
アルヴェ
「今度こそミスリルを捕まえるわ。まずはこの一撃で施設を壊滅させましょう」
銀龍は強力な爆裂魔法をラウル研究に向かって放出した!!




