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紅の魔女と凍てついた魔女3

バシャッ


魔氷から二人の魔女が取り出される。


カローナ

「けほッ……けほッ」


ダリア

「ガホッ……はあッ……はあッ……」


彼女たちは口から大量の水を吐き出す。

立つことができず、瀕死な状態だ。


ダリア

「やっと……やっと外に…出られた」


カローナ

「ひどいわ……ソフィア…。私たちも巻き込んで禁断魔法を使うだなんて」


アルヴェ

「情けない……」


カローナ

「お前…ア……アル…ヴェ?」


ガッ!!


アルヴェは片足を上げ、カローナの頭を踏む……!


カローナ

「何……を」


アルヴェ

「お前たち。人間に無様に負けて恥ずかしくないの?」


ダリア

「んぐ……!?」


アルヴェ

「生物実験しか使い用のない人間どもに負けるだなんて情けないわ」


カローナ

「ぐっ………」


アルヴェはカローナの頭を踵でグリグリと踏み回す………!


カローナ

「や………やめて」


アルヴェ

「でもよかったわね二人とも。ソフィアがクロノブレイクを発動してくれて」


カローナ

「何が………よかったのよ………私たちを巻き込んで………」


アルヴェ

「バカなのかな?」

「クロノブレイクがなければ、あなたたちは人間に捕まっていたかもしれない」

「人間をコントロールしようとするあなたたちが、人間に捕まるなんてことがあれば、それこそ魔女の品格を落としかねないわ」

「そんなこともわからないなんて………人間以下だね」

「むしろソフィアに感謝しなくちゃいけないよね?」


カローナ

「………ッ」


アルヴェ

「ねえ?どう思う?ねえ?」


アルヴェの足から魔力が込められ、カローナの体がどんどん蝕んでいく!


カローナ

「ご……ごめんな…さい」


ソフィア

「そこまでよアルヴェ」

「彼女たちも私の大事な仲間だわ」


アルヴェ

「ふんッ!」


ガンッ!!


カローナ

「痛ッ!?」


アルヴェはカローナの頭を蹴飛ばし、そっぽを向く。


アルヴェ

「まあいいわ。あなたたち下級の魔女では無理だろうし」

「私があなたたちの尻ぬぐいをしてきてあげるわ」


「ソフィア。龍を貸して。その人間のペットを探しに出かけるわ」


ソフィア

「協力ありがとうアルヴェ。銀龍を貸すわ」


グオオオオオン!!!


氷の奥から銀龍がこちらへ向かってくる!

銀龍は氷の山から体を出し、アルヴェの前に立つ。


アルヴェ

「ついでにあなたの他の龍の行方も探してくるわ」


ソフィア

「ありがとう。アルヴェ」


アルヴェ

「またここに戻ってくるね」


アルヴェは銀龍の背中に乗り、空へと舞い上がっていった。


アルヴェ

「……」


アルヴェは記憶から現実へと帰る。

彼女が目を開くと、遠方にラウル研究が見えてきた。


アルヴェ

「あそこかしら……」


アルヴェと銀龍はラウル研究へ向かって飛び立っていく……。


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